カレライス専門チェーン、Coco壱番屋。685億円を売り上げる。

ライスの量や、カレーの辛さをオーダーできて、トッピングも30種類。

料理を出すのは必ず子供から!1180店を数えるまでに成長した。

Coco壱をここまで作り上げたのは夫婦だった。夫婦が追い求めた「家庭の味」、今夜は夫婦経営者の頂点二人がゲスト。オーディエンスは夫婦

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徳二さんは28年間、平均して1日3食4食カレーだったという。

愛知県一宮市、ここに壱番屋の本社がある。徳二は経営を直美に譲って顧問という立場になった。

直美が社内を回る。直美は社員から母親のように慕われている。

直美は1950年名古屋で6人兄弟の末っ子として生まれた。直美が10歳のときに父親が肺結核で死去。父の死後、直美は兄と暮らすことになり一家はバラバラになった。

徳二は、父が雑貨商だったが、粗暴で博打に手を出し、母が行商で稼ぐカネを競輪などですった。母は愛想を尽かし出て行き、父のもとでただ父の帰りを待っていた少年だった。食べるものにも事欠き、隣の家の暖かな食卓をうらやましく覗いた日々だったという。

ところが10歳のときに衝撃的な事実を知る。両親は実の親ではなく養子だったのだ。

そんな二人が出会って結婚し、喫茶店からはじめ、直美のカレーをみんなに食べさせたいと、「ここがイチバンや!」ということでCoco壱番屋として店を出した。

出会いは21歳で徳二が転職した先の会社に新入社員で入ってきたのが直美だった。徳二の一目惚れで、今でいうストーカーのように直美を常に待っていたという。

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龍さん「子供のころ、あまりにも恵まれなかった人が経営者になるとちょっとなにかが違いますね。」

直美「社員やお得意様やお客様の幸せがあって最後に私たちの幸せね。」

二人は清洲市の西枇杷島創業1号店に入った。1978年に船出したこの店は、開店2日はすごい客だったが、3日目以降はガクンと減った。「カレーがぬるい」「コロッケがこげている」といった苦情が耳に入った。そこで二人は掃除から徹底、客の目線で味も徹底した。

換気扇に目を留めた直美が早速チェック。

エアコンの汚れにも目がいく。早速、洗剤を借りて掃除をする。「慣れっていうのが恐ろしいの。」と喝を入れる!

龍さん「そのころから顧客第一を考えたのは先駆者じゃないですかね。」

直美「最初から売り上げが良ければ、こうはならなかったかも。」

龍さん「立地も悪くて、という条件を克服する努力が良かったのかも。」

徳二「そうですね。」

お客様アンケートがフリップで紹介される。

徳二「アンケートを読むために朝1時間早く出勤する。アンケートは宝の山だから。」

徳二「安売りは何もいいことは無い。」

小池「夫婦で経営ということでやり難いことはなかったんですか」

直美「夫婦が別々の方向を向いていたら大変だけど、私たちは同じ目標を持っていたし、従業員も迷わなかった。」

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大宮市の大宮大門町店。人気店だ。ここも堀口さん夫婦が切り盛りするフランチャイズだ。通常のフランチャイズではお金を払い込むとノウハウが伝授されるが、壱番屋はのれんわけ制度だ。したがって独立しているのはわずか7%。

その中の一人、國分さん夫婦は、群馬県伊勢崎市の伊勢崎室町店を譲り受けた。しかし店舗は築15年、改装資金3000万円を借りて改装。子供たちとも離れて暮らしている。

妻の香織さんのこだわりはトイレ。赤ちゃんのおむつ替え用のものも取り付けられた。そしていよいよオープン。これからは給料ではなく、カレー一皿一皿が収入になる。失敗は許されない。

この日、秘策を用意していた。それは地元のじんじゃコロッケ入りカレー。

午後11時半、最後の客が帰っていった。売り上げは20万円を超えた。

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徳二「本部として二重に利益をもらう必要はないので、のれんわけ制度を採っている。」

龍さん「兼業は認めていませんよね。」

直美「’でも’はだめで’カレーしか’だけ。」

オーディエンスとして堀口さんが来ていて、休みを取ってTDLに遊びに行ったときに、たまたま直美会長から電話があり、不在でバイトさんが「店長はどこに行ったかわかりません。」と回答したために直美が激怒して「看板返しなさいよ!」と言われたというエピソードを語る。

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名古屋の繁華街栄町に徳二が看板を持って立っていた。「徳二ホール」を建設し、クラシックコンサートを開いているので客寄せをしていたのだ。

会社を浜島社長に譲り、直美を会長に据えて引退状態だが、今でも早朝からホールの掃除をする。

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編集後記・・・夫婦は自然体で言葉を飾らない。夫婦や家族の絆を築くのは我慢ではない、信頼なのだ。自然体の自信が感じられる。