日本の鉄道車両技術は世界最高水準にあります。しかし、欧州や中国とは状況が異なるために高速化があまり進んでいない。それは、日本には世界一厳しいと言われる騒音に関する基準があるためで、その基準を守りながら新幹線の開発は進められている。
その車両開発のグループリーダを務めるのが遠藤知幸さん。
遠藤さんたちが今開発を進めているのは今年デビューを迎える予定のE5系という車両。
数々の工夫で騒音問題をクリアしデビューに漕ぎ着けようとしている。
通常パンタグラフは風に揺れて騒音を起こすので、今までの技術で2個まで少なくしたが、遠藤さんたちは新技術の多分割パンタグラフで、電力供給をパンタグラフ1個で途切れなくすることに成功した。
そしてE5系の新型車輌がついに完成した。
ノーズが長く、パンタグラフは1個。多分割だ。
騒音対策だけでなく、カーブを曲がるときも減速しない。「空気バネ」で遠心力を緩和する方法を採用。
カーブでは最大傾斜8度を付けているが、遠藤さんは空気バネで、車体自体を傾ける。この技術でカーブでも時速320Kmで走ることができるようになった。
運転席はスッキリしたデザインで、300kmを超えるメータももちろん取り付けられている。
走行試験は「仙台」と「北上」の間を走る。
長い顔による騒音対策、1個のパンタグラフによっても途切れない電力供給を確かめる。
また揺れや震動を実際に乗って体感することも大事なデータ収集だ。
加速開始から6分で時速300kmを達成し、ここからは未知の領域だ。
カーブでも減速せずに時速319kmを達成。
新型パンタグラフの分割機能は思い通りに稼動していた。
JR東日本研究センターでその分析が進む。騒音部分は大きく改善していた。
車内には、女性の視点から、トイレの入り口を直角にしたり、鏡の改善などを行った。
スーパーグリーン車は贅沢なスペースのエグゼクティブ車だ。
遠藤さんのmy goalは「2020年までに、日本代表として世界中にE5系を走らせたい」