武市半平太から吉田東洋暗殺を依頼された龍馬。龍馬はどう動くのか。
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一方、後藤象二郎から龍馬暗殺を依頼された弥太郎は、龍馬の飲む茶に毒を盛る。しかし弥太郎は逡巡ののち、龍馬が飲もうとしていたお茶を払いのける。そして依頼主が後藤であることを告白。
龍馬は吉田の屋敷に赴き、土佐藩がまっ二つになる(上士と下士で)と吉田に直談判する。吉田は武市を捨てて、ワシのもとに来い!と持ちかけるが、龍馬は断とわる。「土佐だけのことを考えることはできない。」と理由を述べる。
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弥太郎の家に、吉田東洋からの告知書が届いた。後藤象二郎の件を不問にする!という内容だった。心底安心する一家だった。
勤王党に参加していた沢村が、「脱藩」を龍馬に持ちかける。
龍馬は悩んでいた。そんな折に、また嫁いだ姉の乙女が戻ってきていて、食卓を囲む。話題は「脱藩」したものの家がお摂り潰しになってしまったことだった。龍馬は迷っていた。その迷いは坂本家の皆が懸念していたことだった。兄の権平は、龍馬の「脱藩」の考えを容認できない。龍馬を理解していた姉の乙女だけは、’龍馬はやり遂げるべき道をやっと見つけた’と家のものを説得する。
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龍馬は武市の屋敷を訪れて吉田東洋との和解の道を探ろうとする。勤王党の反乱を止めるよう説得する。武市の答えは「もう幼い頃の二人とは違う。」というものだった。
その足で弥太郎の家を訪れた龍馬は、そこで弥太郎が投獄されていたときに得た「商売」の新たな考えを知る。龍馬は弥太郎に「別れ」を告げるために訪れたものと思われる。
龍馬がようやく帰宅すると、そこには姉の乙女が龍馬の袴を繕っていた。龍馬の長旅のためだった。それとともに兄からは家伝の名刀が龍馬に持っていけと置いてあった。乙女は「身体にだけは気をつけて。良い刀をもらったからと無闇に抜いてはいけない。私達はいつでもあなたのことを思っているから。」と元気付ける。
家族からの暖かい気持ち、応援を胸に龍馬は、脱藩の決意を後押しされる。
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次の日の朝、龍馬は既に家を出ていた。兄の権平は「ワシらにはワシらの闘い方がある。」と家族に決意を語る。
脱藩者を出した家の覚悟を決めたのだった。
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龍馬が沢村と脱藩し、土佐にいなくなったある雨の強い日、吉田東洋は何者かに暗殺される。
(つづく)