東京高輪、指折りの高級住宅街だ。中古マンションに続々と人が集まっていた。皆真剣なまなざしで眺める。「中古マンションをあえて選ぶ」人たちだ。2DK築41年、新築よりは圧倒的に安い。

こういった中古マンション販売のインテリックスはその最大手。売れ筋は築20年、3000万円前後。新築の伸び悩みをよそに中古マンションは売り上げを伸ばしている。

いい物件は早い者勝ちで売れるという。果たして中古物件は’買い’なのか!

中古物件の新たなビジネスや、中古物件の驚きの実態、失敗しない中古の選び方まで。

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江口君、中古物件購入者のお宅訪問。このお宅は、共同で生活する若者が住んでいた。いわゆるシェアしているのだ。

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東京世田谷の老人ホーム、中尾ユウ子さん84歳。気がかりは自宅のこと。基本的には空いている。2・3ヶ月に一度は帰って見にくる。4年間空き家だが住んだときのままにしている。

戦地に赴き散った父が残した家だった。空き家のままでは傷むばかり。

中尾さんはこの家を家賃16万円で貸すことにした。このような空き家の賃貸物件は300件にものぼるという。空家率は13%といわれ、高齢化で増えているのだという。

壁や庇がボロボロの家に若い女性二人が下見に来た。7LDKの家はずっと空き家で、家財道具もそのまま。写真を撮っていく。こういった家を改装してシェアハウスとして貸し出すのが彼女達の仕事。

坂田さんが設計を担当。もともとゲストハウスなど短期間に貸し出すことはあったが、最近は女性専用のシェアハウスがおしゃれな内装などで人気を集めている。

全国で9000室あり、ここ数年で10倍に拡大した。20代から30代のOLが主な利用者だ。坂田さんが手がけた6LDKの築40年ものは、部屋を6部屋にして貸し出す。早速希望者が見学に来た。人柄を見てシェアハウスでの生活が可能な人かを判断するという。夏水組の西湖さんがその判断を下す。

大学を卒業してこれから会社員生活をする女性が訪れてきた。この女性はすぐに契約した。

西湖さんの相棒の坂田さんとともに、能勢さんのもとを訪問し、改装費用がかかることを説明。すると能勢さんは投資額1000万円を提示。5年回収を目指した。

内覧会のあとに入居が決った人たちが転居してきた。平均年齢25歳の若者達が住み始める。

西湖さんは次の物件に向った。荒井さんがその依頼人。荒井さんの願いは地域に根付いてもらって町を元気にして欲しいというもの。新たな要望にも答えていく必要がある。

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江口君、子供たちの遊ぶ場所で、仕事中。もっと広いところに引っ越したいが、新築一戸建ては手が出せない。すると奥さんが’中古は?’と問いかける。

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千葉県の前村さん一家、去年築33年の物件を1500万円で購入。

この日前村さんは、耐震診断業者を呼んで、調べてもらうことにした。

基礎の中に鉄筋が入っているかのチェックをすると、反応が無く、鉄筋は入っていなかった。また土台の水分量も40%と通常の倍あった。全国1100の会社が加入している耐震調査は無料で受けられる。

前村さんの家の耐震性はきわめて低い数値だった。前村さんもビックリ。

1981年に耐震基準ができたが、それ以前のものは厳しい基準を充たしていない。それが中古物件として出回っている。

西生建社長が立ち上げた会社はこういった物件に目を付けた会社エイムだ。

住宅の数に比し、世帯数が減っている現在、中古を生かすのは利にかなっている。築20年以上には値段がつかないのが普通で、ほぼ土地の値段だけになって売り出される。

エイムでは、耐震性の補強などを行なって、買い主に受け渡す。

中小リフォーム会社もこの取り組みに参加するのが1500社を数えるようになってきた。

大阪堺市の住宅街にある、築35年の住宅を見る西生社長。なんとシロアリ被害にあって柱がもろくなっていた。筋交いも付け根まで届いておらず、予想以上に費用がかかりそう。

西村慎介さん、亜紀さん夫婦がこの物件を購入しようとしていた。

西生さんは、「フラット35S」という優良住宅取得支援法を利用して、金利を安く抑えてリフォームをすることを提案。西村さんはこれを受け入れて、筋交いや柱を強化し耐震工事を行なった。

西生さんは、「住宅履歴書」を手渡した。こうして中古住宅が引き継がれた。

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長野県佐久市。市役所の職員戸塚さんが仕掛け人だ。市が無料で中古物件を紹介する「空き家バンク」だ。長野県の空家率は19%。この空き家バンクに移住してきた夫婦は田舎暮らしを楽しんでいる。

この空き家バンクをネットで見て東京から見学に来た夫婦。家の広さと、窓の外に広がる田園風景を気に入ったようだ。

都会から地方まで中古住宅の利用はますます広がっていきそうだ。