BS世界のドキュメンタリーの新シリーズは「爆走都市」、都市は膨張し拡張する。上海市の人口1800万人。毎年50万人が流入し、2日に1棟ビルが建つ。

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にぎやかな鶏市場があった場所を探すが、もうわからなくなった。

街の大きな変化を感じるのは写真家の徐さん。近郊の農村風景はビルが林立する街へと変わった。昔はきのこ狩をしたところ、広大な草地が広がっていたが、跡形も無い。

都市は土地不足が深刻になり、解決策として高いビルが造られ、それも限界に近づき、今は地下を活用する方向だ。

外灘トンネル計画が進み、徐さんの住む集合住宅も立ち退きを迫られた。政府の役人が書類を持って現われ、徐さんは息子の住む場所の近くに引っ越したいと考えている。

徐さんの荷物が運び出される。仮住まいに2ヶ月暮らすことになる。

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かつて上海の周辺はとても美しい風景が広がっていた。徐さんはその風景を写真におさめてきた。特に樹木と人々の暮らしの関係を撮ってきた。

同済大学の東教授がナビゲーター。彼が地下の活用を推進している。

地上のスペース確保のために地下空間を利用する。大事なのは太陽光の取り入れと植物の存在だという。

一方、徐さんはフィルムを現像し、変わりゆく上海を写真に残す。徐さんは恵まれた家庭とはいえない7人兄弟の家族の中で育った。今も決して裕福とはいえない。新たな住居を探す日々。不動産屋について回るがなかなか良い物件は見つからない。

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教授の地下計画に学生も含めた議論が始まった。「環境とデザイン」もテーマになるという。

徐さんは息子の家を訪問し夕食を共にする。息子夫婦に「お父さんは努力しなさい。写真ばかり撮っているから出遅れている。」と意見される。

徐さんは30年来のアマチュアカメラマン。文化大革命では’労働キャンプ’に送られて、自己批判させられたという。

「地下計画」の議論では、常緑樹だけでなく落葉樹や、鳥などの動物もという計画が話し合われた。

徐さんは今日も失われていく風景を撮影していく。そこに暮らす人々の姿も含めて。

徐さん、それが終わると引き続き不動産巡り。なかなか希望するアパートは見つからない。買うのか借りるのかもまだ迷っている。値段さえ折り合えば購入しようと決めた。

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上海には地下鉄の駅が100以上ある。地下鉄構内に植物を植えられないかと、企画書を作成する教授。上海万博に向けて、よりよい地下開発がのぞまれる。

徐さんはアパートの一室を購入した。そして引越し。家財道具も運ぶこんだ。

教授は「人と環境の調和」を力説。徐さんは変わらずに風景を撮り続けている。風力発電のある広い河原の風景を。