自動車や飛行機、ロケットなどの乗り物には常に燃料が必要。例えばスペースシャトルはその重量の9割が燃料に占められている。
その燃料を減らせれば、乗り物自体を軽くして安く制作出来るようになるのではというアイデアで燃料を積まずに飛べるロケットを開発しようと研究している人が東京大学新領域創成科学研究科の小紫公也教授。

ロケットは“ライトフライト”と呼ばれる、マイクロ波をエネルギーにして飛行するもの。まだまだ未来の話だが、その第一歩として現在、ロケットの機体やマイクロ波を受けるための伝送ミラーの製作にあたる。

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「太陽系最後の日」アーサー・クラークの本を読んで感動したのがきっかけ。

そして宇宙工学の道に進んで一筋に歩んできた。東京大学でも学生達に常に新しい発想を求める。

先生のもとには留学生も集まる。

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10年前からマイクロ波ロケットに取り組む。

苦労したのはカタチ。今の円錐形にたどり着くまで試行錯誤が続いた。

そして2003年に打ち上げ成功。2003年まではマイクロ波1回当てるだけだったが、現在は何回か当てる方法を考えている。空気の爆発で推進力を得るが、爆発後に真空状態になるため、このときにマイクロ波を打ち込んでも効果が得られないとするのが定説だった。

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アイディアさえあれば夢は実現できる!の信念で、つくばで実験開始。

施設使用期間は2週間。核融合の実験棟であるため、限られている。

今回使用するのは10倍の重さのロケット。プラズマ発生が確認できればマイクロ波が届いている証拠。

打ち込むタイミングを実験によって得る。1000分の1秒ごとに1当てると良いということがわかる。

実験では10回当てる。確実にマイクロ波はロケット推進力を得ているように見えた。10回を20回にすると、さらに推進力が生まれた。

しかしさらに回数を増やそうとすると、ロケットがペコペコになった。

改良を重ねて50回に増やし実験する。マイクロ波が空気を爆発させて、推進力が持続することができた。

「スラスターがよりロケットに近づいた。」と満足気な先生。

my goalは「2030年までに、マイクロ波ロケットを宇宙に飛ばしたい。」