土佐勤王党を旗揚げした武市半平太、上士の側に引きいれようとする吉田東洋。2者の綱引きの中に立たされた龍馬であったが、龍馬は勤王党に参加する。

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土佐勤王党には200名余りの参加者があった。下士の集まりとはいえ、一大勢力である。平井収二郎ら顔なじみも居たが、沢村惣之丞という男は初めて見る顔であった。沢村は龍馬に「お前はどこか冷めている。」と話しかけ、武市は久坂玄瑞に比較してやることが遅いと嘆く。

武市は藩に対し、意見書を書き続けるが、吉田東洋がそれを止めていた。

「攘夷」を唱える武市は焦りを見せていた。龍馬は武市に「久坂玄瑞に会いたい」と依頼し、早速旅に出される。

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岩崎弥太郎は「喜勢」という美しい娘を嫁に迎えた。それというのも吉田東洋に取りあげられたからである。弥太郎は「郷回り」という今で言う警察官のような役職を授けられていた。

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長州萩に到着した龍馬は久坂玄瑞に目通り、「攘夷」とはどういうものか教えてください!と願い出る。アメリカは戦を仕掛けてきたわけじゃなく、どうして侵略してきたというのですか?と素直に聞く。久坂は条約の何たるかを龍馬に説明。不平等な内容を分かりやすく説明された龍馬。「尊皇攘夷」の考えを久坂より聞き、久坂は「脱藩」して日本を異国から守らねばならないと説く。

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土佐では勤王党の若者が血気盛んで、すぐにでも立ち上がろうとしていたが、武市は山内容堂が攘夷派だと信じていたために、若者達を諌めて、藩を上げてこそ「攘夷」が実現できると考えていた。

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加尾は京で勤めを果たしていた。そこに武市から文が届いていた。そこには吉田東洋について探りを入れるよう依頼があった。

吉田東洋に仕える後藤象二郎。相変わらず武市の意見書を運んできていたが、無視する。

その吉田の屋敷に武市が勤王党の面々を連れて、吉田に直談判する。

武市は「藩主山内様は攘夷を希望しておられる。」と訴えるが、吉田は「容堂公は幕府側についておられる。」と武市を足蹴にする。後藤もそれに習う。勤王党の皆の面前で辱めを受けた武市。龍馬はその場には居なかった。

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龍馬は弥太郎の家に祝いに駆けつけた。弥太郎は龍馬がいつの間に攘夷派になって勤王党に入ったのかをいぶかしく思っていた。龍馬は「他の皆と同じ気持ちでいるのではない。」と語る。龍馬は「土佐を出て自分の思うままに生きてみたいと思わんか」と弥太郎に問いかけるが、弥太郎は「可愛い嫁をもらって藩で出世するのが望みじゃ。」と吉田東洋に取り入れてもらいたいと龍馬に持ちかける。

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武市半平太は、屈辱の足蹴から自問自答していた。

龍馬は武市の屋敷に急ぎ駆けつけた。武市はある決心をしていた。

後藤象二郎は弥太郎の家に来て、龍馬を殺せ!と依頼した。

方や、武市は龍馬に「吉田東洋を殺してくれ!」と依頼する。

(つづく)