山田邦子が「がん患者になって」の経験談を話すオープニング。

ガンの代替療法は1兆円にもなる市場だという。ガン患者の二人に一人が経験している’代替療法’、しかしどれが効くのか、さらに悪徳業者が跡を絶たないなど、どう向き合っていけばいいのかを追跡。

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スタジオには山田邦子さん。

「手術」「放射線療法」「化学療法」が三大がん治療法だが、’代替療法’は、健康療法からリラクゼーションまで、いろいろなものがある。

「情報の信頼性」「悪質業者」の2つがポイントだ。

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千葉県の鈴木清子さん。卵巣がんが見つかり、2009年暮れには、もはや自分で歩けないほど弱っていた。

闘病中も3人の子供たちの進路を気にかけていた。なんとか治す方法を探りたいと、夫の徹さんはもろもろの代替療法を試す。一箱10万円のお茶や160万円もする療法もあり、親戚から300万円の借金をして施した。

今年初めに清子さんが息を引き取った。手探りで代替療法に頼った鈴木さん。

同じような悩みを抱える、患者の家族達。情報の信頼性に疑問を持つ人が多い。

その中から「アガリクス」を売る健康食品の販売会社を取材。ガンに効くとは決して言わないこと!と営業社員に徹底している。

45歳で乳がんとわかった女性は、医師を頼らずに、代替療法に頼ったが、効果は無く、経営者は逮捕され裁判を待っている。女性は何故、代替療法に頼ったのか?それは結婚を控えていて乳房を無くすことの恐怖があったという。インチキ治療院は’絶対に治る’といううたい文句で誘っている。女性は医師の治療を止めて、この治療院に多額の費用を払っていったが、リンパや脳に転移してほどなく死去した。女性の父は、何故止められなかったか今も悔やんでいる。

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スタジオの山田邦子さん。「どうしてもそっちに行ってしまうんです。周りの人も悩んでいるんですよ。」

もうひとりのゲストは東北大学大学院の坪野吉孝さん。

治療の’代わり’、治療の’補完’が代替療法の目的

坪野「通常の治療を止めてしまうのは是非避けていただきたい。」

山田「切らなくてもいいんだ!と思うと病院の方をやめちゃうですよね。」

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京都の薬局・・・ゴムで出来たベストを着るとガンが治る

などの違法なビジネスが跡を絶たない。警視庁の生活環境課も摘発に力を入れている。

ネット上の違法な販売を捜査するサイバーパトロールも捜査員がチェックしている。捜査員があるネット上の販売について違法性を見て、捜査に向った。マンションの一室がその住所だった。今も捜査は継続している。

悪質業者の手口はどういうものなのか?

昔、ある会社で年間1億売り上げていたという元業者に取材。

’研究会の研究’’利用者の体験談’などが掲載されている。研究会を隠れ蓑に、ガンに効くかのように販売していく手口だ。

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ガン代替療法に、国も動き出している。研究班では審査し、臨床試験を行っていく。厚生労働省の足立さんは「確たる証拠のないものは除外していく。」と語る。

悪質業者の実態について、社会部記者の米原さんが取材状況を話す。「想像していた以上に広がっている。」

国の対策についても’代替療法’については遅れていた。

坪野先生が気をつけて欲しいことを2点。

・体験談だけ

・動物実験だけ

この2つは良く注意すること。三番目は・ヒトでの臨床試験、データはあるかどうか。

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代替療法利用患者の6割は医師に相談していないという。

埼玉の女性。ガンの再発により抗がん剤治療を勧められたが、女性は受け入れられずに代替療法を選択した。

この結果から病院では患者の気持ちに寄り添った治療が出来ていないのではないかと反省し、副作用の状況などを真剣に聞き、治療の不安を少しでも和らげるような体制をとっている。

山田さん「不安を打ち明けられる医師がいればいいのだが、医師はとても忙しく十分な時間を取ってもらえない。」

坪野先生「主治医だけに委ねるのではなくて、精神科医師とか、病院全体で対応するなどの対策が必要。」

山田さん「安心したですね。いろんな面で。」

鎌田キャスター「患者は治療法を求めて彷徨っている。藁をも掴む思いの患者に真剣に向き合っていかなければならないのではないか。」