深紅の「幸福のりんご」で生き残りを賭ける。

葉っぱで世界進出、など「世界で儲けろ!」がテーマ

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江口君、仕事を終えると街では軽トラックでリンゴ売りが。

その中の品種「大光栄」は世界に向けて出荷するリンゴだという。

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2006年、ガイアの夜明けは、片山りんごの片山伸吾さんを取材した。

ドイツに日本のリンゴを売り込もうと必死だった。

失敗に終わったが、次に目指したのがスペイン。ここで商談が成立し小さな輸出の火が灯った。

しかし2009年、世界的な不況になり、戦略品「シナノゴールド」は在庫として積まれていた。

とはいえ、片山さんの農園も1600本もの木の剪定を行なわなければならない。この剪定は5年10年で会得できるものではないという。りんごの消費量は年々下がり、青森県のリンゴ農家は10年で5000軒も減った。

片山さんの相棒は山野さん。東北大学に勉学中に同じ下宿だった縁で、機械メーカーの海外担当会社員だった山野さんをヘッドハンティングした。

その二人は別の海外進出を考えていた。片山さんは安く大量に売り込む方法。山野さんは希少価値のものを高く売る込む方法。

山野さんは農家の苦労をわかっているので「売らなければならない」と、農家に利益の出る流通システムを作ることから始める。そのお手本は豪州のクラブ制。その新たな流通システムに合致するリンゴ、非常に深みのある色、瑞々しい味の新種だ。山野さんはこれを中国に売り込もうと計画。

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中国山東省。日本の36倍のりんご生産量を誇る。西霞市はそのほとんどがりんご農家。訪ねてみると日本の「ふじ」が生産されていた。満州時代に持ち込まれたリンゴ作りが、いまや欧州への有力な輸出品になっていた。

中国から輸出されるリンゴは年間100万トン以上。

その中国に、山野さんが乗り込んで、システムを説明し、営業開始。「商談は常に厳しいものだ」と語りながら各都市を巡った。この頑張りが大きなチャンスに結びつくか。

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江口君、帰宅する際に、外国からの客を招いた。ディナーは手巻き寿司。

のりにシャリを載せてマグロを置き、紫蘇を乗せて食べるよう勧める。でも外国人には紫蘇は珍しいものだった。

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台湾の市場には日本産のたまねぎなどが並ぶ。とりわけ福岡産のいちご「あまおう」が売れていた。

アジアネットの田中豊さんが仕掛け人。独立して輸出アドバーザーとなって手がけたのが「あまおう」、これがヒットした。

1月下旬福岡空港で、台湾の輸入商社の役員を待っていた。田中さんは。この林さんを熊本県の農家に連れて行く。この松本さんのところでは人参を生産していた。その大きさと色で一発で商談成立。次は吉川さんのところ。ここでは紫蘇を生産している。吉川さんは安全安心な紫蘇を生産。世界にうってでようとしている。しかし紫蘇は馴染みの無いハーブでここでは商談が成立しなかった。

吉川さんはキュウリ栽培をしていて台風17号・18号でビニールハウスを潰された。この借金返済のために付加価値の高い商品をと考えた。目を付けたのが紫蘇だった。海外への出荷には厳しい検疫があり、小さな傷も見逃さないシステムを3000万円かけて購入した。田中さんは「僕らがどれだけアシストできるかだ。」と語る。

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2月下旬に台湾にいたのは田中さんと吉川さん。バイヤーの林さんに依頼して、紫蘇をテスト販売することになった。いくら待ってもお客さんは素通りしていた。

その時、田中さんが動いた。台湾式の試食を開始することになった。店内で組み合わせる食品を探す。カマボコ・キムチなどを考えて、キムチに焼肉を紫蘇に乗っけて提供。徐々に客が試食していき、ついに売れていった。一度火がつくと、次々と売れて短時間で置いた紫蘇はほとんど売れた。

吉川さんにも笑みがこぼれた。こうして紫蘇も台湾ルートが確保されることになった。

丁寧なモノづくりと、粘り強い売り込みがいつでもどこでも必要なこと。

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中国遼寧省しん陽市。リンゴの決め手は色だった。

市場では1個30円で売られている。百貨店の幹部のいるところでリンゴを出す。驚いたのは色だった。その深い紅色に「なんでこの色なの?」と質問が。そして試食。

中国では深紅はお祝いのときの色。そしてこの「大光栄」を名前を「赤提灯」という名前の中国名で売り出すことになった。

3月弘前。片山りんごでは中国の百貨店で試験販売されるリンゴの木の手入れに余念が無い。休む間の無い手入れがまだ深い雪の中で続く。

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江口君・・・made in japanといえば工業製品だったが、農業製品も今後は世界に出ていくかも。