「その時」が来るなんて信じられませんでした。津波のリアリティなんて考えられませんでした。というナレーションからスタート。酒井若菜が結婚する娘の役で登場。

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TSUNAMIはKILLAR WAVEとも呼ばれ、広範な地域に影響を及ぼす。

都市を襲う津波の驚異は、加速する流れ漂流物の凶暴な破壊力、インド洋大津波以上の被害が予想される。

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津波はプレート境界が一気に上下することによって発生する。

先月のチリで発生した地震でも、境界がズレ動いたことによって発生した。

日本でも東海・東南海、南海に発生すると、最大1万人の犠牲者が出ると予想される。

東北大学の今村文彦教授。都市における津波のシミュレーションをしてリアルな予測を行なっている。

シミュレーションのモデルは高知市。沿岸に6mから8mの波が来ると、離れた都市部にどう影響していくかを推測する。教授の原点はインド洋で23万人もの津波被害者が出たことによる。

インドネシアのスマトラ島沖、2004年に発生した際、都市のバンダアジェは海岸から4.2km離れていたが、2倍・3倍の速さで駆け抜けたのだった。1mほどの波が人や車を飲み込んでいった。

津波シミュレーションシステムで波を送ると、人も一気に流され、ブレーキをしていた自動車も流された。

当初の海岸近くの津波は速度も遅く、人が歩いて逃げられる速度だった。

しかし小さな路地の流れが大通りにでると「縮流」という凶暴な流れに変わった。この現象はしっかりした建物が並ぶ都市においてより顕著になり、殺人マシーンに変身していくという。

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さらに漂流物。東北大学の越村准教授が漂流物の流れをシミュレーション。船舶やコンテナなどが凶暴な漂流物となって襲ってくるという。

高知市のシミュレーションでは、沿岸から5分ほどで都市部に達し、縮流が発生、津波は6時間に渡って複数回発生し、川を逆流しながら都市部全体を覆っていく。

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日本の都市部を襲う大津波はいつ発生するのか?

「宝永」「安政」「明治」と大きな地震があった。その津波の痕跡を池の堆積物からみる。佐伯市の池にその痕跡が残っていた。宝永1707年のものが最新であり、周期からいえば、広範な大津波から既に300年たった現在は危険が迫ってきているといえる。

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シミュレーションドラマ・・・高知県で地震発生。高知市は震度6強。2分近く揺れ続けていた。アパートの住人である酒井若菜。直後に閉じ込められ、外に出たいが出られない。婚約者に電話して、ようやくドアが開いた。

急いで大事なものだけバッグに詰め込みアパートを出る。

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過去津波が発生した状況から、環太平洋のあらゆる都市がリスクにさらされている。

太平洋ばかりでなく1600年前のクレタ島での地震による津波が発生すると地中海は壊滅的な被害を受けるという。

名古屋大学の田中教授。各地の古老を尋ねて、津波の様子を聞く。徳島県の江戸時代末期に起きた地震について、91歳の老人から、その父や母から聞かされた当時の状況を聞く。

津波の中で最低限どうやって生き残ることができるのか?これを探している。

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今村教授は「コンクリートがしっかりして地面が平らな日本の都市のようなところは流れが来易い」という。

再びシミュレーションドラマ・・・酒井若菜は部屋に引き返して崩れたものの整理をしていたが、大家さんから’津波が来るから早く高台に逃げなさい!」と諭される。

ウェディングドレスを抱えてまさに出ようとしたときに、道路には津波が侵入してきていた。

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南海トラフで発生した津波は、都市部で大きな被害を出す。大阪湾には2mを越す津波が押し寄せると予想される。関西大学の河田恵昭教授は、「阪神淡路があったからすぐには起きないというのは誤りだ」という。

地上だけでなく地下にも浸水していく。大阪湾も非常事態になる。係留中の船舶は港の外に退避したければならないが、大きな船は津波の圧力で押し戻され、座礁してしまう可能性も高い。

臨海部に引き起こされる大規模火災、もろもろで1兆円を越す被害が予想される。

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プレートの境界ずれだけでは起こらないものもあることがわかった。「分岐断層」と呼ばれるプレート境界から派生したもので、これも津波を大きくする理由であることがわかってきている。

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シミュレーションドラマでは、若菜ちゃんはなんとかギリギリでアパートの階段を登っていって助かった。

インドネシアのバンダアチェ。一人の少女が海を眺めていた。津波で家族を奪われた。

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日本での津波の危険性を明らかにする試みが今村教授を中心に研究が進められて半年後の公開を目指している。「めったに起こらないが、起こると甚大な被害を及ぼす。記憶する人がいないと危機感は薄れるが、警告をキチンと出していかないと。」