日本人の死因で脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患が3位になっています。また命は取り留めたとしても脳機能障害という後遺症を抱える患者になってしまう。
そんな患者たちに希望の光を灯す新たなリハビリ治療法が開発され、世界から注目を集めています。その治療法を考案したのが慈恵会医科大学の安保雅博教授です。安保教授の治療法は逆転の発想で、損傷していない健側の脳に磁気刺激を加え、その後集中リハビリを行うというもの。この治療法を受けた患者全員の後遺症が改善しているというその脳卒中の後遺症治療とは。
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損傷した脳の反対側の脳が助けているのでは?と考えられていたが、損傷側へ損傷していない側の脳が抑えにかかっているのではないかと考え、磁気刺激を与えて抑えると、20分ほどで手が動いた。
4日後、治療前と比べて、明らかに手が動く。10年も動かなかった手が。
入院から14日後、10年ぶりにお椀を持って食事ができた。
退院後1ヶ月を過ぎると、ゴルフの打ちっぱなしが出来るようになった。
ただし上股のみに効く方法で、下肢には効かなかった。
そこで下肢に効く脳の部位に電気刺激を与えることを研究。
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先生は、スウェーデンでの留学で、損傷しない側の脳の影響を研究。その影響の抑制が回復の鍵と考えた。
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電気磁気治療法を全国に広めようと奔走している。
鳥取県の清水病院。理事長と先輩後輩の関係で、ここで治療を開始することに、慈恵会医科大学の角田先生や麻酔医師などと一緒にあたる。
さらに脳卒中による失語症の治療にも効果が期待されている。
失語症はまだ解明されていない部分も多い。電気磁気治療で、単語の会話ができるようになった。
リハビリテーションは身体だけでなく心も治す!という信念で目標に向って進む。