出社は専用車、自宅から作務衣で現われた社長。

ミスターサバイバルと呼ばれるタカラトミーの社長だ。ニッポン玩具も火を消さない覚悟で数々の困難を乗り越えた、その極意とは。

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スタジオにも作務衣で登場。何を残して何を捨てたかを聞きたいと龍さん。

東京葛飾区立石は古くからの下町情緒満載の町だ。

この町の自慢がタカラトミー。純和風の自宅に住む富山さんは、家を出てすぐの角を曲がると会社だ。家の隣が本社ビルだ。

中に入ると、壁に線が引いてある。それは子供の平均身長の線だという。

売上高1370億円、収益も上がっている。

ヒット商品を生んできたのが商品開発部。この部で開発しバカ売れしているのが7400円もするトランスフォーマーだ。ハリウッドでも映画になり、世界的ヒットし500億円を売り上げた。

ベイブレードも根強い人気商品で、累計で500億円売り上げた。

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1924年祖父が会社を興し、トミカやくろひげ危機一髪など人気商品を生んだが、ライバルとなった任天堂のゲームがグングン伸びて、売り上げ減少となった。

そこで社長となった富山は、家訓を破り「テレビキャラクター」を導入した。

ポケモンが大ヒットしたが、さらに「タカラ」との合併に踏み切り、リカちゃんと黒ヒゲが手を結んだ。

今年のオモチャショー、小売のバイヤーも鵜の目鷹の目で見る。

そんな中で目を引いたのが「ポテチの手」、ポテトチップスを自分の手ではなく、この手で掴み食べる。案外とバイヤーに人気だった。

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スタジオに数々のオモチャが登場。懐かしいモノがわんさかある。

珍しい輸出用の2葉飛行機や、1959年発売のハングリーベアなど登場。

2代目の社長(現社長の父)は絵が好きで、スケッチして「これはどうだ。」と商品開発していったという。すけどね

「ポテチの手」も登場。社長「僕は売れないと思うんですけどね。でも当んないですよ。」

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1月29日、栃木の町に富山が現われた。ずばり「おもちゃのまち」、賀詞交換会に富山が招かれて挨拶した。

そこにこの協同工場団地の理事長が写真を出してきた。そこには富山の祖父が写っていた。富山の祖父がこの団地を作ったのだった。しかし今この団地は空き地が目立つ。工場が海外に移っていったからだ。

富山はアメリカに行った際に日本の競争力の無さに愕然とする。「香港ならもっと安い!」という。

そして襲ってきたのが円高。2代目社長に4つのうち3つの工場を閉鎖しようと提案したのが富山だった。結局3工場を閉鎖し、1000人の従業員を600人に減らした。富山の決断は会社を救うことになり、32歳で社長に就任した。

社長「大変化のときには何かを諦めないといけない。目に見えるものは20年もたてば変わる。」

といいながらもその決断と戦い続けている。

そのピーク当時100社くらいの社があり、輸出で280億円の売り上げがあったという。

社長「グローバル化は進んで、栃木から香港・台湾・中国と移っていったので、元に戻るのは難しい。」

社長「親子喧嘩しているのもなんでだか分かって欲しいといった。会社が潰れるよりは継続していったほうがいいから。」

社長「面白いことに会社が悪くなると、どんどん選択肢が狭くなっていってしまう。結局工場閉鎖しかなくなった。残すなら別の違うものを作らねばならない。守るために捨てた。」

龍さん「メディアは工場閉鎖など’ネガティブ’な部分しか伝えない。」

社長「存在価値が明確で役割があるときと、その使命を終わるときがある。スクラップ&ビルドだ。」

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緊張気味にある場所に向うのがタカラトミーの山内。やってきたのは日産本社。試作品のトミカを持ち込み、その仕上がりを見てもらう。日産自動車の茅野さんが確認。OKが出た。

トミカは1970年から売り出し、超ロングセラー商品だ。

トミカブックに様々な情報を載せて、オモチャを通して新たな情報を入れるのが子供にとっても楽しいことだ。

社長「雑誌やDVDで情報価値を付けていくことが子供にもうける。」

次世代ワールドホビーの展示。ここでベイブレードの対戦が行なわれ、仕掛け人の高岡も客の集まりに満足。

ベイブレードは2000年に発売され100億を超える売り上げを見せたが、3年後には1億に落ち込み撤退した。しかしベイブレードを諦めてはおらず新型の開発が行なわれ、今は驚くべき数のパーツがあり、14万通りの組み合わせができて、部品の付け方で回る方向や、動きの違いが出てくる。富川さん一家では今では家族で行なっておりテレビゲームはしなくなったという。

つかんだヒットは二度と離さない!のがトミタの戦略だ。

社長「遊びの選択肢が今はいっぱいある。今までのオモチャ開発じゃたちいかない。」

社長「理想のオモチャはできるだけお客様に買っていただけるもの。多くの子供たちに受け入れられたものが理想のオモチャだ。」

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龍さん「他社に参考になることは?」

社長「’失敗ばかりしている’のは恥ずかしいことじゃない。諦めないことだ。変化のために何かを捨てること。おもちゃ会社を通して時代を作っていく!と考えたほうが健康的だ。」

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編集後記・・・好き好んで首切りする経営者はいない。真の優しさは痛みと憂鬱を知っているからこそかも。