1853年6月、アメリカ艦隊が浦賀に現われた。知らせは江戸城にただちに伝えられ、時を稼ぐ指示。交渉の場にペリーは姿を現さず、幕府にプレッシャーをかけた。アメリカ艦隊は江戸に向うという!江戸は大慌てで戦いの準備をするが、200年以上も戦が無かったため、武具の着け方からして知らない始末。

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品川海岸では武器を運んで迎え撃つ準備をしていた。釣鐘も持ち出す始末。大砲に見せかけるためだという。

幕府は長崎へ行くように交渉するが、アメリカはいらだつ。

龍馬も溝渕とともに護衛に借り出されて品川海岸にいた。龍馬は「この目で見てみたい」と持ち場を離れ浦賀の様子を見に行こうとする。途中、警護の武士たちに追われるが、海沿いを逃亡する。その磯で桂小五郎とひょっこり出会う。吉田松陰の話たとおりになっていると語る桂。そして二人は巨大な黒船を目にする。

そのあまりの巨大さに、腰を抜かさんばかりに驚き、圧倒される龍馬。

蒸気船を見たのも初めてで、サビ止めのタールによって真っ黒になっていた。

その威圧感に幕府も屈することになり、親書を交わし、10日間の大騒動は幕を閉じた。この1件で幕府の力を疑問視する声がアチコチから上がった。

土佐にもその知らせは届き、弥太郎の耳にも入った。

加尾もそこでその報を聞く。兄の心配をよそに’世の中のことを知りたい’と励む。

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千葉道場で龍馬は剣の稽古に励むが、黒船を見たことで集中できないでいた。

汗を流しているところに佐那が現われて菓子を差し出す。佐那に聞かれて、龍馬は黒船を見た感想を述べる。そして剣の修業に対し疑念が出たことを話す。佐那はそういってはなりませぬ!と諭す。

兄の重太郎が佐那のところに来て「お前はあいつに惚れたのか?」と問い詰める。佐那は「坂本様をいままでのように見られないのです。」と答える。重太郎は「お前の恋は俺が成就させてやる。」と誓う。

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龍馬は桂のもとを訪ね、「桂さんは、なんとも思わんですか?」と問う。桂は「これから何もかもが変わってしまうだろう。」と憔悴した顔で答える。異国とどうやって付き合えばいいのかを考えているという。学問によってそれを打開しようと本を読んでいる。

龍馬は剣を捨てるべきかどうかを桂に訪ねるが、桂は「おのれの大問題は他人に聞くな。」と説諭する。

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幕府では将軍が逝去し、後の家定が就く。うつけものと噂の将軍だった。

5大老は集まった各藩の大名に意見を求める。各藩ではこの要請に対し、意見書を書くものが大勢いた。

そのうちでも土佐藩では武市半平太や岩崎弥太郎も意見書を提出する。

土佐藩の藩主山内は吉田東洋の意見書を取り入れるが、武市半平太にも「なかなか良い」と声をかける。

半平太が殿様に誉められたという話は、弥太郎の耳にも入り、歯軋りして悔しがる。

龍馬の実家では、龍馬からきたという手紙に父も、兄も、姉もかぶりつくように読む。’異人の首を討ち取る’という勇ましい内容に男達は喜ぶが、姉の乙女は違った感想を持った。「龍馬らしく生きなさい」と返信する。

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龍馬は自分らしい生き方を模索。千葉道場での稽古は続けていたが、心ここにあらず。定吉は「竹刀を持て!」と命じて、向き合う。定吉は龍馬を倒し「心が乱れていては剣の道は究められない。」と叱責。龍馬は「刀など異国との戦には役に立ちません。」と叫ぶ。「剣の道を究めるのに意味が無いというのなら出て行きなさい!」と定吉は龍馬を破門する。

土佐を出るときの目的だった「剣の修業」が断たれてしまった龍馬だった。

(つづく)

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