政治主導を掲げた前原大臣は、専門家チームを送り込んだ。

公的資金の導入に財務省は厳しい見方をしている。JAL本社内はどうなっているのか?現場の逆風を肌で感じる従業員達。

2009年4月~6月で990億円の赤字。新政権は専門家チームを送った。自主再建を意図していたが、彼ら専門チームが下したのは、企業再生支援。公的資金投入であった。

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就任直後9月25日に前原大臣は専門家チームを送った。任されたのは富山和彦氏。鐘紡などの再建にあたった専門家だ。チームを組んで関係者以外立ち入り禁止の部屋で、資料分析。しかし慢性的な赤字体質に陥っていた。高コスト体質が利益が出ない原因。燃費の悪いジャンボジェットを世界で一番多く使用している。

毛布の軽量化や、瓶のプラスティック化などで7億円の経費削減ができたが、燃料費の値上げで焼け石に水。

富山氏らは2週間で、再建計画をたてた。銀行の債務を帳消しにしてもらうといった計画だ。しかし銀行も今まで幾度もの危機に際し金融支援をしてきたが、JAL側の努力がおもわしくないことを懸念して難色を示した。

「誰が責任を持って再建を進めていくのか」がポイントだという銀行側に、さすがに’自主再建’は難しいと考え、前原大臣は公的資金導入へと動き、財務省とのネゴを開始。

前原大臣は、藤井大臣に説明したが、公的資金を出すかどうかの結論は出なかった。

公的投入に藤井大臣が慎重な理由は’企業年金基金’だ。3300億円不足と言われるが、この公的資金投入が企業年金基金の穴埋めに使われるというのでは、国民が納得しないということ。

JALでは企業年金の減額を議論するが、退職者や社員の同意は得られない。3分の2の同意がないと改正できないのだ。

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10月23日、前原大臣が動いた。この日官邸で鳩山総理や管さん、藤井大臣などど協議。支援機構の活用を落としどころとして決定。

10月29日、前原大臣が記者会見を開き「企業再生支援機構」に委ねることになったことを説明。峰崎財務副大臣は「これが最後のチャンスとして政府が支援していくこと。」と語る。

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元日航マンで現在早稲田大学教授の戸崎肇さんがスタジオゲスト。

スタジオで今までのおさらいをした後、戸崎さんの話を聞く。

戸崎「大臣がJALをつぶさないといったことで選択肢は狭まった。」

JALのリストラ案(専門家チーム提示)は従業員9000人の削減、子会社を110から46に縮小、ジャンボ機全廃などあるが、戸崎さんは「非常に困難なこと。」

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静岡空港。人々が集まっていたのは屋上の展望デッキ。

肝心の航空会社のカウンターは訪れる人が少ない。

利益の少ないツアー客を獲得したが、焼け石に水。

16年間知事だった石川さんに、空港にどんな夢を描いたのか取材。静岡からハバロフスクやハワイに飛ばす計画だったという。昭和62年まで遡る。当時の中曽根首相が打ち出した案によって原田建設大臣などの推進で建設計画が進められていった。

当時の県の推進役だった課長に取材。年間534万人が利用するという計画書。県民人口のの3倍が利用する数字。これにはなんとしても空港を誘致したいという思いがあったという。

当時の国土交通省が推進したこの事業に何故JALは断らずに乗っかったのか?

断れないと元社員。

静岡県も、空港整備特別会計によって負担が半分で済む。しかしこの特別会計への供出も航空会社の経営を圧迫していた。(一橋大学山内教授)

当時の国土交通省小坂課長はやらざるを得なかったという。

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戸崎教授「一企業の問題と言うより航空行政の問題でもある。」

鎌田キャスター「再建には何が必要で、どういうところがポイントですか?」

戸崎教授「今回はこれだけ動いたので、積極的に改革ができれば相当強い企業として蘇る。我々はチェックして見守っていく必要がある。」

二階堂経済部記者「資金繰りがショートしてきているのが喫緊の課題。」

鎌田キャスター「社員・OBも含めて痛みを伴うかもしれない。鳩山民主党政権の試金石になるかも。」

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感想・・・自民党政権が長すぎたのかなあ。だったら有権者の我々にも責任の一端があるのかも。それにしてもなんで1件1空港が必要なのか、今も僕には理解不能。