この努力は、悪いこととはいえ、なにか涙ぐましくて、同情をかうなあ。

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下剤を飲ませたら覚せい剤入りの小袋が続々――。福岡県警が4~6月に摘発した密輸グループは、覚せい剤を小分けしてのみ込み、イランから密輸していた。約100個のんだ男もいたらしい。覚せい剤を体内に隠す手口は「古典的でありながら、察知が難しい」と税関関係者。品薄で覚せい剤の値段が上がり、少量でももうけになるようになってきたという背景もあり、密輸の「小口化」が進んでいるという。

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 2月下旬、イラン国内の民家で、3人の男が互いに背を向け合っていた。

 「うぐっ、うぐっ」

 覚せい剤約5グラムをゴムの指サックに詰め、ラップで包んで接着剤で密封。親指の先ほどの大きさにして、1個ずつジュースやゼリーと一緒にのみ込んだ。背を向けたのは、互いの苦悶(くもん)の表情を見て吐かないようにするためだ。

 「出てこない」。このうちの1人が帰国後の3月、福岡市の病院に駆け込んだ。数日間にわたって下剤を飲ませると、59個出てきた。微量の覚せい剤が体内で漏れ、体調も崩していたという。

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 病院の通報で覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などの疑いで福岡県警に逮捕、起訴されたこのグループは、東京都台東区の櫛田勇二被告(52)ら4人。その後、手口が明らかになってきた。県警は、櫛田被告が最も多い約100個をのみ込むなどして、グループで計約1キロの覚せい剤を密輸したとみている。ただ、押収できたのは病院に駆け込んだ1人分の約295グラムだけ。残りは国内に「流通」した可能性が高い。