オセロをする二人。東京大学のキャンパス内。ゲーム理論の松島先生。タイトルは「世もゲームなし。」

研究室に入ってハイタッチ。東京大学大学院教授だ。

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学生が本を返しに来た。フランス人のもので中身は英語の分厚い本。

経済学はどういう印象?という先生の問いに、太田「当てにならない。」

でも先生は経済学は「行動で選択する」学問だとおっしゃる。

「本人が欲しがっているものが行き渡るようにするのが経済学で、これはまず基本ね。」と先生。

田中「誰がこうだと、みんなが満足するようなものを考える?」

先生「そういうことです。」

先生「みんなの目的を達成するには相互依存していて、たとえばカネを借りたいときには、貸す側のインセンティブを考えなければならない。そこで出てきたのがゲーム理論。互いに満足いく結果を出すための法則を導き出すのだ。」

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アメリカで電波を払い下げする際に、初めてゲーム理論が取り上げられて、国もオカネが入り、各地に分割されたので、手を上げた会社がみんな満足したことから発する。

田中と太田がそれぞれの家に泥棒に入るという仮定で考える「囚人のジレンマ」が説明される。

泥棒してもよいといわれても泥棒しないほうが二人の満足度が一番になるという。

どちらも泥棒をするとゼロ。片方が泥棒して、片方が泥棒しないと30とマイナス10。

で、ゲーム理論を知っているもの同士は、その前に話し合うという。それが一番いい結果になる。

つまりはゲーム理論は誰も満足できるものを探し出すもの。

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過去の経済学の奴隷? 1929年の世界恐慌時代は今の経済学はまだ出来上がっていない。研究上の業績も無い。したがって金融危機の中で起きていることを調べなくてはならない。

今は過去の奴隷にならずに、ゲーム理論で解析している状況。基礎研究やって2・3年というところ。でも研究していかないと戦争になったりするかも知れない。

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太田「’この関係は悪くない’けど、俺がやってきたほうが勝算があるから続けている。でも田中が目覚めて入れ替わったとしたら、俺は満足しないと思う。現実とは乖離しないか?」

先生「もちつもたれつの関係は大事にしないといけない。」で手がかりになるかもしれない。ということで’メカニズムデザイン’を説明。

二人が階段を上がっていくが、ワンコインを釣りエサにして上っていくと関係性が崩れないという。

つまり追いつけ追い越せで頑張りあうから、お互いに目標を達成する!というもの。

太田「田中が俺をどうしても嫌だという瞬間が来るとする。そのときに田中が1回だけ意見を言えるのが重要だと思う。」

先生「そのときは太田さんは田中さんを頼る。最終的な責任を持つ人を太田さんは田中さんだと思っていませんか。」

田中「関係性がフリーズしてしまってはいけない。」

太田「こいつは’解散だ’といつも言うけど。」

先生「田中さんが手綱を引くには強いスレッドがいる。だから解散って言うんじゃない。」

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田中「こういうところにゲーム理論を使えばもっと良くなるといったものがあるんですか?」

先生「難しい質問だね。日常には多いにあるとしか言いようがない。」

今夜のオチは本を返しにきた学生がまだそこにいたこと。