山梨県笛吹市の一角に大行列が。目指すものは和菓子。激安販売の店だ。名物の信玄もちは詰め放題で市価の10分の一。ここは老舗の桔梗屋さんだ。安く売れる理由は消費期限前の返品を安く提供するから。苦肉のアイディアが人気商品になった。

在庫で溢れる倉庫。そんな動かぬ商品に光を!という在庫処分専門を扱う駆け込み寺。

テーマは「わけあり商品を売れ。」眠れる在庫を’宝’に!

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役所さん・・・わけあり商品を安く販売する店に来た。割れたせんべいや、足が1本欠けたカニ。形が基準に合わないメロンなどなど。在庫を抱えて苦しんでいるところに風穴を開けようとするプロの技を取材。

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夕張メロンの初売りの日。次々と高値で落ちる。ご祝儀相場は50万円。その中に堀川さんがいた。でも堀川さんは、傷がついたり、網目が不ぞろいだったりするものを買い付けに来た。「北の達人」コーポレーションで、ネットで販売する。でも売れないものは扱わないという。

この日はカニ、足が5本揃っていないものが持ち込まれた。工場では15%くらいでるという。北の達人ではそんなカニを販売する。

また最近のトレンド商品’生キャラメル’も。大量の在庫が残った。理由は大量購入予定がキャンセルされたため。創業1年のこの会社は在庫が売れないと資金繰りが苦しくなる。堀川さんは会社にサンプルを持ち帰り、他社のものと食べ比べる。一番おいしいということで、買い取ることになった。訳アリ生キャラメルとしてホームページに乗せる。300袋分用意し、50袋を初日の目標にしたが結果は28袋だった。

その頃、北の達人にトラブルが発生。足が1本しかついていなかったものがあるというクレームだった。堀川さんは早速、販売先に出かけて中身を確認。1本のみというのもまだあるらしい。そこで1箱ずつ確認。1本のみのものも150箱中4箱見つかった。

生キャラメルは深刻な売れ行きで、北の達人の在庫になりつつあった。

発売1週間でわずか36袋。速めに解決しないと11月の賞味期限が切れる。次の販売戦略は5袋セットで50%引きにしてギリギリの利益が出るくらいに。

割安感が出て、このやり方でドンドンと売り上げが伸びた。6月末で12セットの在庫まで減らした。このメーカーの’花ぐるめ’はネットで火がついてデパートからも引き合いがくるようになった。

堀川さん、今度はキャラメルの切れ端に目を付けた。

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役所さん・・・売れない商品に頭を抱える。そこに在庫を引き取らせてほしいというバイヤーが現れた。7割引でも売れなかったを組み合わせてセットで売るという。

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岐阜県岐阜市の老舗帽子メーカー。頭痛の種となっているのがサンダル。帽子屋さんが注文を受けてサンダルを作ったが思ったほど売れなくて1万3000足も在庫になった。

膨大な在庫を抱えるメーカーにとって、駆け込み寺となっている企業が大阪にある。この会社では、在庫品に特化した買い取り・販売を行う。社長を務めるのは31歳の山本昌一さんだ。

その山本さんに帽子屋さんからサンダルを買い取って欲しいという依頼がきた。早速サンプルを女性に履かせてみると評判がいい。山本さん、まずは4000足を買い取ることにして価格交渉。山本さんの言い値で決定した。

山本さんの会社「ショウイチ」ではラブファッションコーディネイトというサイトでネット販売。
彼の肩書きは、「在庫再生コンサルタント」。売れない商品が、どのようにプロモーションすれば生きるのかを考え、新たな付加価値をつけて販売するのが彼の戦略だ。モデルに履かせ、服と合わせてセットで売る。華やかなモデルが着ると栄える。

サンダルは発売から1週間で1302個売れた。目標まであと3000近くある。

この日は夏服の在庫を持ち込んできた会社がある。1万円以上で売られていたもの1万着を600円でどうかという売込みだった。山本さんは300円でどうかと交渉。ギリギリの駆け引きは400円で決定。

それから数日後、今度はレディスベルト。秋冬物だ。果たして夏に売れるのか?山本さん現場に自転車で向かう。1本60円から交渉し、75円で決定。「ベルトなんで、夏でも輝かせることができる。」と山本さん。

山本さん、スタッフと会議。早速ベルトとの組み合わせを考える。組み合わせの妙で見事に夏の商品になった。

ベルト単体、チュニックとのセット、ワンピースとのセットの3種類を決めた。出荷準備が始まる。わずか10日で1000を迫る注文が入った。
在庫品を組み合わせてコーディネートすることで、単品では値段を下げても売れなかったものが売れていく。在庫を処分したいメーカーにとっても、より高値で買い取ってくれるため、メリットがある。
「眠っている在庫に新たな光を当てるのが我々の仕事。コストをかけても、新たな付加価値をつける」。現在では、電化製品、冷凍食品、家具などを含め500種類以上を取り扱う。依頼量は前年に比べて3倍に急増し、売上げも、今年は5億円を達成する見込みだ。

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そしていま新たに、企業が抱える在庫を大切な「資産」として評価する動きも起きている。金融機関から融資を受ける時に、在庫商品=《動産》を担保にできる制度が整備され、活用できるようになったのだ。
しかし問題は、価格評価のしやすい土地などの不動産と違って、在庫は企業によって多種多様で評価が難しいこと。そこで登場したのがNPO法人・日本動産鑑定の鑑定士たち。元大手ディスカウントストアのバイヤーだった一流の目利きたちが約100項目あるチェックリストに評価を書き込み、それをもとにして評価額をはじく。金融機関はこうした評価額を参考にして融資額を決めるのだ。
これまでに鑑定してきた在庫は衣料品、オフィス家具から食肉となる牛、冷凍マグロ、墓石など多岐に渡る。去年の金融危機以降、資金繰りに悩む中小企業からの依頼が殺到しているという。
ある日、鑑定の依頼があり、向かった先は島根県の地場産業として生き残りをかけるメーカーだった。その商品とは瓦。抱えた在庫が圧迫していた。山陰合同銀行から鑑定にやってきた。NPO法人の大前さんが鑑定。瓦会社の社長も期待する。

大前さん、あまり出ない鬼瓦もしっかり管理してあると高評価。

日本橋のNPO法人で融資額を算出。鑑定結果は4億円相当の在庫が、比較的高い評価が下った。

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山本さんのショウイチにおけるサンダルに火がついた。暑くなってきて一気に注文が加速。在庫がさばけてきた。岐阜の帽子屋さんも一息つけた。なんと8000足まで売れた。残りも仕入れる予定。