販売台数ナンバー1のワゴンR、79歳の会長が社長に復帰。

小池栄子の変わりに今夜は松丸友紀アナが登場。

早速、社長に質問するが、社長は「こんな大きいセットはいらない!芸術的価値を取るか、経費削減を取るかだ」といきなりガツンと一撃。

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1月の会社の代理店会議での姿を取材。営業店・代理店の所長を記憶していて家族も把握しているという。でも「厳しい時代だからこそコタツにあたってないで外に出て回りなさい!」と檄を飛ばす。そして懇親会が開始され、行列ができるのは鈴木会長のところ。記念撮影に次々と押し寄せる。代理店は’鈴木ファミリー’だという。

大会社の社長とは思えない気さくさで、代理店の代表を惹きつける。

1909年 (明治42年) 鈴木式織機製作所として創業、1920年 (大正9年) 鈴木式織機株式会社として法人設立以来、戦後いち早く社会に迎えられたバイクモーター「パワーフリー号」。本格的125ccの二輪車「コレダ号」。そして現在の日本のモータリゼーションの先駆けとなった軽四輪車「スズライト」。いずれも当時の先進技術を駆使した画期的な製品だった。修は1978年に48歳の若さで社長に就任。

1台の車が会社を成長させた。スズキアルトだ47万円という価格設定で、あっといわせ、その後もセルテ・チムニーなどヒット車を出し、そして現在のワゴンRができた。

強さの秘密はお茶畑に囲まれた工場にもあった。

2008年10月、リーマンショック後の工場に会長が到着し、相良工場は24年ぶりの新工場。1直線に製造工程を並べた。しかし視察で会長は次々とコスト削減ができる箇所を指摘。

ベルトコンベアーが途切れたところでは、鶴の一声で数千万円かけて延長することに。

ひとつの部品を入れる容器を改善したと胸をはるところでは、さらに倍は入ると入れてみせる。これで運搬コストが削減できるのだ。

この日は8時間かけて視察を終えた。このコスト意識がDNAとして引き継がれていく。

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Q:健康な理由は?

A:ひとつは親に感謝。もうひとつは飛騨の野山を駆け巡り粗食に耐えたから。さらには「もっと改善するところはないか」というように見ることが秘訣。

Q:この不況の底はいつ?

A:4月以降は悪くなることが目に見えている。社長・会長として31年間やってきた。右肩上がりでのびてきたけど、今回初めて下がった。経営者も従業員も戸惑っている。社長になったときは13番手くらいだったが、1社ずつ抜いてきたことになる。満足したらオシマイ。

Q:トヨタ抜いたらどうしますか?

A:それは抜いた後で考えます。

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収録前に龍さんは、なぜスズキは不況にも強いのか、不況を乗り越えるヒントがあるのでは?と考えた。

鈴木修氏は会長から会長・社長を兼務することにした。

その’戦時経営’とは何か?

①刀狩り、その1・・・コピー機・カラー印刷機を集めて売ってしまった。

②刀狩り、その2・・・社員の引き出しに眠っていた余分な文房具を集め、事務用品は1箇所に集めた。たとえばポストイットは貼りにいく。

③惰性禁止・・・残業は禁止。仕事をスピードアップして帰る。

④出勤禁止・・・人の気配の無い会社。理由は金曜日も休み。管理部門も一時帰休。製造業なのでみんなで休むときは休むという総力戦だった。

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スタジオで、コップの水を引き合いに出し、軽量化の指示についてうまく説明する。倒れそうに見えたら、倒さないように注意するから大丈夫!なるほど。

コストダウンでも人員削減はしないことについては、「他人の首を絞めないでまずは自分のコストを削減する。」

「従業員があってこそ、会社・工場は成り立つ。従業員に理解を求めることが大事。」

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大手自動車メーカーが大幅な赤字に転じる中、収益をあげるスズキについて評論家は’弱いふりをしながらしぶとくしたたか’と語る。

スズキSPLASHが画面に。欧州戦略車であるが、これを逆輸入するカタチで、円高を逆手にとって、海外から輸入することでチャンスに変える。

世界23カ国で製造しているスズキ。特にインドはまだどこも進出していない頃に出て行き、インドのモータリゼーションの動きもあって、インドにはスズキが数多く走っている。

Q::なぜインドで1位にこだわるか?

A:一番後ろで走っていると、ひとつの科目でも一位になりたいと思うもんだ。

ここで「俺は中小企業のオヤジだ」の著書が紹介される。

「中小企業のオヤジということを誇りに思わないといけない。みんな中小企業からスタートしてるんだから。」

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スタジオにスズキの車が持ち込まれ、松丸アナも試乗。

絶好調の社長はアルトの自慢話も加わり、おまけに工場取材のOKも出たということで、スズキは続編があるようだ。

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感想・・・NHKのプーチンのロシアとどっちにしようか迷ったが、こっちを見て良かった。それにしても徹底したコスト削減には驚いた。文房具のところでは絶句。