ココスナカムラ葛飾区・青戸にあるスーパー。ここで主婦を取材。豚肉を買う。茨木良子さん、夫と子供ひとり。外食は控えて、自宅で過ごす時間が多くなったという。今日は手作りのすいとん鍋。一人当たり250円ですんだ。

家計簿を見せてもらうと、涙ぐましい節約メモが・・・。食費は3万円でやりくりしているという。

そんな中にも大手焼肉チェーンの店舗を買取った人。元リーマンブラザース証券の女性の起業、地方都市の小さな商店で年商1億円の店、これは楽天が関係しているようだ。

今夜は不況の中でチャンスだと頑張る人たち。

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役所さん・・・日本の金融危機、その後のITバブルで不況だった日本。でもそのころ台頭し成長したのが、ユニクロやブックオフ。不況の中にも新たな芽はあるはずだ。

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秋葉原にある人気の焼肉店「焼肉屋さかい」年商150億円。安さを武器に売り上げを伸ばしてきた。

岐阜の福光東店。閑古鳥が鳴いていて、掃除が仕事という状態だ。12年前にオープンしたが近年下降気味だった。そこに金融ショックが追い討ちをかけて、急激に売上げが落ちた。店舗は閉鎖計画にあがった。このご時勢では早めに手を打つ必要がある。赤字店舗をいつまでも抱えていては体力がもたない。早く見切りをつけて、多くの客獲得を狙える店舗に力を入れる方が得策だと考えたのだ。

そこで「店舗丸ごとオークション」に店を紹介した。居抜きで売ったほうがメリットがあるからだ。そこにやってきたのが「M&Aオークション」藤本さん。閉店する店舗を"居ぬき"の状態でネットのオークションにかけるのだ。通常、閉店の際には、借りた時の状態にもどすため、数百万円のコストがかかってしまう。しかし、ここの仕組みを活用すれば、椅子やテーブル、厨房など店を営業していたままの状態でオークションにかけることで、逆に数百万円の儲けが出るというのだ。さかい側は200万を要望。スケルトンにするには400万もかかるという。手数料は52万5千円。さかいはまずその価格でオークションに出した。

日本橋の「M&Aオークション」本社。続々と閉店情報が集まってきていた。焼肉屋・ラーメン屋などが多いという。

さかいの店は残念ながら売れなかった。急激に進む景気後退なだけに、新たに店を出したい人にとっても、出店費用が10分の1程度と安く済むというメリットがある。そんなメリットを生かして、新規参入をしようという人も、実は少なくない。

ネットオークションで埼玉県三郷市に焼肉屋を買取った人がいた。柱やエアコンなどそのまま、居抜きで買った。イチバン良かったのは炭の炉だという。また厨房施設も調理器具もそのまま使えて自己資金で賄えたという。この工藤さん600万円で購入し、余力で肉の仕入れなどに回せて、客の評判も上々。工藤さんデニーズの跡地も狙っているという。

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そんななか、去年サブプライムローン問題で世間をにぎわせたアノ会社リーマンブラザース証券の元社員伊藤さんがある物件に興味を示していた。金融機関に勤めながら、カジュアルなバーを経営したいという。

初めて参入する伊藤さんに「M&Aオークション」はライバルの少ない地域を指導。4日後の伊藤さんは神田に現れ物件を見に来た。大手コーヒーチェーンの店舗だった。「本当にいいかも知れません。」と気に入った様子。

入札開始価格はなんと1円!「そのまま使わせてもらって1円は魅力的」と伊藤さん。前向きに考え始めていた。

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役所さん・・・通販で靴を買って届いたところ。早速ダンボールを開けて取り出す。そしてスーパーの折込チラシを見てネット検索し、通販購入。「鍋」の材料が届いた。ネットの通販が生鮮食品にまで及んでいるという。

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宮城県石巻市にある「靴のシナガワ」。石巻駅前の商店街で4代続く靴店だが、店を訪れる客は1日わずか数人。ある日は一組だけ。だが実はこの店、月1000万円を売り上げる優良店。楽天市場のインターネットで靴を売っているのだ。店の後ろでは次々と箱つめしていく。品川達郎さん48歳が主人。両親の代には健康サンダルが売れに売れて大繁盛したが、その後落ち込み、ネットに活路を見出すことにした。「履かずにネットで靴を売っても無理だと思っていた」。一時は年商が2000万円にまで落ち込み、働きに出ることも考えたという品川さん。ネット販売が店の窮地を救った。店では71歳になる母親が、「こんなに買ってくれてありがたい」と言いながら、せっせと靴のお手入れ用品を発送する作業をしていた。それにしてもなぜ品川さんの店の靴が、ネットで売れるのか。

それは履き心地を必ず主人が確かめてから発送するからだ。キッチリ説明し、ネットの評判も上がって、3年で採算が取れるようになり、窮地を救った。

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1月東京品川で楽天のパーティが開催された。消費不況が深刻化する中、唯一好調なのがネット販売だ。外出せずに欲しいものだけを吟味して安く買える。消費者の生活防衛志向にマッチして市場規模は拡大の一途。巨大ショッピングモール「楽天市場」を展開する楽天はこの12月期、過去最高の売り上げを記録した。三木谷社長も「対面販売との差はなくなっている。」と語る。

楽天本社では出店準備の店の説明会が毎月行なわれている。

若い参加者が多い中で、年輩の人がいた。土橋さんだ。土橋さんはレンズメーカーの社員。3ヶ月で開店しなければならなかった。福井県鯖江市にある「三興」は、偏光レンズの加工メーカー。鯖江はメガネの産地として有名だが、安い中国産との競争で鯖江のメガネ産業は壊滅状態に。三興は、中国への輸出で生き残りを図って来た企業だったが、それもこの不況で受注が急激に減っているという。このまま手をこまぬいていては倒れてしまう。これまで小売りはしていなかった三興だが、活路を見出すべく楽天市場に出店を決めた。出店は1月20日。時間はない。三興は、偏光レンズをフレームメーカーに卸すだけで、最終商品を作っていなかった。だが、楽天出店のためにメガネを新たにデザインして売ろうと準備していた。ネット販売で、部品メーカー自らが小売り店を始めるのだ。出店まであと1週間…。休日も会社に出てページ作成をする土橋さん。果たして間に合うのか?手始めに売り出す商品は5種類に決めて、店の顔となるページも完成。「偏向ワールド」という名前も決まった。店長は土橋さん。そして1月20日が来た。ネット販売開始の日。楽天市場に出店、注文を待っていたが3時間待って始めて2つ買ってくれた人がいた。大阪の人だった。

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三重県四日市市の主婦村山さんは入念に折込チラシを見て、パソコンから商品番号を入力。なんとネットで生鮮食品が買えると言う。

不況に強いネット販売の仕組みを取り入れようと、スーパー各社も乗り出した。それがネットスーパーだ。最大の課題は、インターネットに馴染みのない高齢者にどうやったら使ってもらえるかだ。その課題を克服して売り上げを伸ばしているスーパーがある。三重県四日市市の「スーパーサンシ」。三重県北部を中心に17店舗を持つスーパーマーケットだ。年末で賑わう店舗の裏では、宅配用の商品が次々と仕分けられていた。
「鶏肉298円、しゃぶしゃぶ用牛肉3500円…」。朝11時まで注文すれば5時までに届けてくれる。専用のボックスに入れてくれるので不在でも安心だ。

雨の日は特に注文が多いという。パートを利用して仕分けをする。2時くらいには仕分け完了。
店で売っているものは何でも買えるのが特徴。サンシの売りは生鮮食品の鮮度の高さ。特殊な保冷箱を使って、肉や魚を詰めていく。小林さん(34)はこの店のネットスーパー担当者。今では店のおよそ13%をネットスーパーで売り上げている。サンシのネットスーパーで一番規模の大きいこの店を任されているとあって、いつも売上が気になる。
サンシのネットスーパーにとって、大切な利用者が高齢者だ。だがパソコンができない高齢者をどう取り込んでいるのか?

そのヒントは、昔の御用聞きの発想にあった。電話で注文を受けるのだ。60歳以上は無料で受け付けている。81歳の藤田さん、買い物はほとんどネットスーパーを利用しているという。翌日注文したものが届き「便利ですねえ、今はまるっきり行かないです。」店に来られなくなった高齢者だけでなく、子供のいる主婦や、買い物する時間のない働く若い世代も利用しているという。きめ細かいアナログサービスも評判でネット宅配は増加している。
会長の高倉さん「安いのは当たり前。いい商品も当たり前。安くていい商品を、お届けする。これはまだどこもやっていない」。すでに採算ベースに乗せたサンシだが、将来は店舗での売り上げと同じくらいになると予測する。

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役所さん・・・この逆境でもやることはある。