苦境に立たされる外食産業。スカイラークは全店廃止。ゼンショウも大幅下方修正。サービス分野でも外食を減らす家庭が増えている。

そんな中で、炒めて・揚げて・焼く、餃子の王将は儲かっている。儲からない店はすぐにテコ入れする。今夜は不況に勝つ繁盛術を公開。

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王将フードサービス社長の大東さんがスタジオに。

午後7時渋谷。行列ができているのが餃子の王将。狭い席はいつも満席。名物の焼き餃子が湯気の中出来上がりアツアツで客に届けられる。1日20万食出るという。

王将は客の目の前で調理される。コーテル=焼き餃子、エンザーキー=唐揚げと独特の呼び方が店に飛び交う。

京都市の本社。午前6時。会社の前を掃除している男。この人が社長だ。30分はかけるという掃除が大東社長の日課。営業本部長も兼務していて、各店の店長の写真が貼ってある社内。

1967年京都四条に1号店開業。2年後に大東は入店。東京・名古屋と進出。王将は全国400店を越えた。

しかし外食産業は競争が激化し、王将は2000年に借金450億円に膨れ上がった。

そんな危機に社長に就任したのが大東さん。まず厨房の状況を調査。出来合いのキャベツを出来合いのソースで味付けしていた。

改革①厨房は客に見えるようにした。

改革②野菜はその場で切るようにした。

そして王将用語が飛び交う活気のある店作りをした。原点に帰ったのである。

工場では国産キャベツと国産豚肉を使用し、6時間で餃子のあんが完成。小麦粉からの皮も均一な味になるよう工場生産している。これが届けられる。

翌朝「生」の状態のあんと皮が届けられ、店で餃子のカタチに加工される。

原点を取り戻した餃子の王将は、こうして復活。2003年から黒字に転じた。

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スタジオで餃子が焼かれる。水が多いとベトつくという。このタイミングが大事だという。龍さんも小池も「おいしい」と感想。ご飯のおかずにもビールのつまみにもなるし、パーティもできるし奥が深い!と龍さん。

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龍さん「問題点をどうやって見つけたか?」

社長「王将の良さが無かった。もっと自分の土俵を強くする必要があった。土俵をもっと強くしようと原点に還った。」

龍さん「どこで経営の勉強をされたんですか?」

社長「中学を出て経理専門学校を出ただけです。計算は速かったです。」

損するのは最初・儲けるのは最後’・・・王将ではご試食クーポン券を配っている。社員自ら手渡しする。バイトではない。このクーポン券はなかなか人気で、ほとんど貰った人は店に入る。毎月1億3000万円分配られるという。しかしこれが売り上げに大きく貢献するという。

社長「お客さんを満足させることがまず第一。味は第一’おいしいな’がないとダメ。」

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王将は餃子だけではなく激辛カレーもやっている。

名物は、餃子の大食いチャレンジ。チャレンジの後には写真を撮影。店に飾り、それが呼び水となる。

さらにユニークなのは学生が皿を洗えば、1食タダになるという。皿洗いした学生はのべ5000人。

売り上げをダントツに伸ばしている店は武蔵溝の口駅前店。

何故強いのか?メニューはどこの店にもある定番だ。店員は「店長が違うからじゃないですか。」

この店長、鍋の扱いも早いし、店の目配りも効く。しかし店長自身は「掃除かな?」と語る。店内の掃除はもちろん、鉄板の掃除は入念に行なっているという。

そしてAクラス1位で50万円の一時金ゲット。

社長「料理か客席か接待か、特徴を出していかないといけない。やる気があるならやってみてダメだったら変えればいい。まずは相手を信用していかないと、相手も信用しない。」

社長「料理を出すにも気配りが有る。店の活気は店長がオーラを出しているようじゃないといけない。」

龍さん「わかり易い’お掃除’といったけど、当たり前のことをしっかりやってる。」

社長「当たり前のことをレベルを高くやらないといけない。」

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社長は店ごとの売上げ状況を毎日チェック。業績の悪い店をどう改善させるのか!この課題を担うのが18人のエリアマネージャーだ。店舗改革のエキスパートだ。

しかしこの会議に社長は業績不振店が出ていることに激を飛ばす。

エリアマネージャーの松井正行さん、果たしてどうやって店を建て直す策を授けるのか?

会議が終わるとすぐさま問題の店に向かい、まずは店に入らず外からチェック。窓ガラスの汚れをチェック。

店内に入ると、声は低い・顔を合わせない・2階はまだ下げていない食器がある。

厨房でのチェックでも様々な点が気になる。ついに松井さんは着替えて、ニンジンの切り方から直接指導。

今度は藤野竜司店長を呼び出して、メニューのチェック。セットメニューを半分に減らして、メインを増やすよう指導。

藤野店長には秘策があった。新メニューである。「サンダービーフン」だ。松井さんも試食し「こりゃ売れるで!」

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スタジオにエリアマネージャーも出席。松井さんもいた。松井さんは店長時代に受けた指導を伝えることが多いという。3人のエリアマネージャーはアルバイトからエリアマネージャーになったという。3人とも大学には行っていない。いまや年収1000万円だという。

社長「やんちゃなほうが、従業員への思いが深い。お客さんにも同様。」

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対談終了後:龍さん・・・信頼されるより信頼するほうが合理的だということを知ってるんですね。