日本経済がすぐに立ち直れない理由 | 独断と偏見の日記帳

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 ライブドアのホリエモンらにつづいて、村上ファンドの村上代表も逮捕された。


 まあ、ルールを逸脱したといえば、逸脱したのだから逮捕はしょうがないところだろう。


 しかし、わたしはどうも納得できないというか、釈然としない気持ちがどこかにある。


 日本人の風土というか、気質というのかが垣間見た感じだった。


 ライブドアや村上ファンドがやっていることに対して「汗水ながして働いている人に対して失礼だ、汗水流して働け!!」というのが全体の雰囲気だ。


 だが、世界的な資本経済規模から見れば、ホリエモンや村上代表がやっていることはどこでもやっていること。国際的に著名な個人投資家ジョージ・ソロスなどもし日本にいたら徹底的に潰されている。村上代表が日本が嫌になって海外に移したというのも理解できないでもない。


 自由資本主義経済なら、村上ファンドがやっていることは普通で通常な感じがする。ただ、彼らの失敗は、強引過ぎたこと、目立ちすぎたこと。そして、法律のルールを逸脱したことだ。


 海外の投資家などは、とくに米国では必ずといっていいほど儲けた金は慈善事業などに資金が投入され、社会に還元する。これが、あるから社会的にも地位や名誉が送られる。たとえ、わざとらしくてもだ。しかし、これを怠れば社会から一挙に阻害され、これまで築いた地位や名誉はすぐに消えてなくなる。


 日本の場合、社会に還元するという意識が薄い。日本の企業家もそうだが、一般国民もほとんどないといっていいほどだ。人のために自分を犠牲にするというのが、いまの日本ではダサいとされているし、それをやる人を物好きな人、バカな人なんていう風土がある。だが、世界はそれでは通用しない。もし、村上代表がインドネシアに資金援助するとか、自分の財産の一部を国に提供するということをしていればどうなっていたか??。


 さらに、日本の場合、すぐに出る杭は打たれる方式で、新しい事業を展開した人や冒険的なことをした人、村上ファンドみたいにものを言う株主(←本来の資本主義経済では当たり前のことなのだが、なぜか日本ではみんな右へならえで何も言わない。そのくせ、テレビカメラの前では政府やその企業に対して文句をいうなど筋違いなことをしているのだが・・・)を前例がないとかうるさがって、排除しようとする。そのなかにはひがみややっかみも含まれている。


 さらに日本の悪いところは、1度や2度失敗したら「駄目人間」の烙印を押す傾向にある。だが、米国ではその失敗が高く評価され、ひとによっては数回、数十回失敗した人のほうが人材として活用しやすいというプラス思考にある。


 これも日本経済がすぐに立ち直れない理由としても挙げられるのではないか。


 ホリエモンや村上ファンドがやったことは、画期的でもあった。しかし、それを相殺する形でルール違反を犯した。だが、今回の逮捕劇はほとんど見せしめ的な要素もあってなんか釈然としないところもある。


 ある個人投資家からは「昔にもどり、仕手集団が暗躍するんじゃないの」という暗い予想を立てている人もいる。


 いまだにベンチャー企業家が育たない背景には、日本人が抱える性格的、気質的な暗部があるのではないだろうか。