
日中は、ライバルではないのに
こういう人ですら、「無意識」に、中国はライバルだというふうに思っている、見ているんだな、と。昨夜、NHKのBSで中国を取材したドキュメンタリーを2本立てでやっていた。武漢の封鎖生活と北京市民の挑戦。面白かった。後者の感想を言えば、日本人が20年間にやるべきだったことを全て中国人がやってしまっている。リプレイスされ、凌駕された。能力差がついて、もう日本人は追い越せない。
— 世に倦む日日 (@yoniumuhibi) 2020年5月5日
このブログに来てくれた中国の人から、日中がライバルだという意識を感じたことは、一度もない。マルクスの「生産力」概念を想起させられる。生産力とは何か。自然に働きかけて価値を産み出す能力だ。技術力だ。中国の方が日本より生産力水準が高い。中国人の方が日本人より経済的価値を創出する能力が上。中国は今後どんどん労働者の賃金が高くなってゆく。平均的生活水準も日本人より上になる。
— 世に倦む日日 (@yoniumuhibi) 2020年5月5日
栄えるときには、一緒に栄えようと言ってくれた。
西洋人を相手にした場合には、どうしたって、北東アジアの民というのは、「同じ立場」の仲間なんだけれども、なぜ、そういうふうに思えないんだろうな。
日中朝鮮のことばかりを考えているから、そうなるのであり、いろんな人が混ざった場所に行けば、日中朝鮮は、同類として、最も落ち着く相手として、自然と集まり、くっついて、固まるはずなのである。
民族的な資質の問題ではない
今の中高年というのは、中国が圧倒的に貧しかった時期を、長く経験しているから、どうしても、そういう意識が抜けないんだろう。中国の発展が、「比較」の問題として、相対的に日本よりも時間がかかったのは、なぜかということを、まじめに考えてみたことがない。
時間がかかった理由は、2つ。
- 戦争で荒廃していたその程度が、日本よりもひどかったから。
- 他国の介入を拒否することでもって、独立を守り抜いたから。
北朝鮮は、朝鮮戦争で、焦土と化したところから、独立を守り抜きつつ、復活しなければならなかったのだから、時間がかかるに決まっている。
もしも、中国や、北朝鮮が「時間がかかった」という理由を、「民族的な資質の問題」だと思っている日本人がいたら、その人は、底抜けのバカである。
「元が同じ」なのに、何を言っているんだ、と。
われわれの遠い先祖は、みんな、そっちのほうから来たに決まっているではないか。