中国

中国への「見舞い国」

さて、人民日報の英語版に、興味深い記事があった。
中国側が、今回のコロナウィルスについての各国からの「お見舞いメッセージ」を、紹介しているのである。
World leaders positively evaluate, support China's fight against virus outbreak_People's Daily Online - News for Mobile
そう、中国という国は、「他人がしてくれたこと」を、絶対に忘れないという、筋の通った国であり、それは、どんなに昔のことでも、そうであって、そして今回の件についても、きちんと、どの国が「お見舞い」を言ってきたかということを、国民に教えているわけである。
そして、もちろん、こういうことが「序列」にもつながるし、やんわりと「相手国の重要度」みたいなものも、国民向けに、紹介している、というわけである。
もちろん、紹介順位が上のほうの国のほうが、重要だし、紹介に多くの文字数を割いている国のほうが重要だ、ということになる。
そしてまた、こういう「お見舞い」を早くすればするほど、「今後の中国からの扱い」に、影響するというわけで、こういう「伝統」というか「文化」というものは、数千年の昔から、ずーっと変わっていないんだろうな、という気がする。
「お見舞いレター」を送るだけなら、お金もかからないし、もちろん、義捐金なり、支援部隊を送れば、もっといいし。
なにしろ、「困ったとき」に、誰が何をしてくれたのかということは、中国という国は、絶対に忘れないのである。

今回の記事の紹介順序

  1. キューバ
  2. ベトナム
  3. カンボジア
  4. マレーシア
  5. スリランカ
  6. 韓国
  7. アメリカ
  8. オーストラリア
  9. エクアドル
  10. アブダビ
  11. パレスチナ
  12. コモロ
  13. セネガル
  14. 中央アフリカ共和国
  15. トリニダードトバゴ
  16. 国連議長
  17. 世界保健機関(WHO)
そして、このことによって、自国民に、「どこの国からは、迅速なお見舞いを言ってこなかったか」ということも、教えている、ということになる。
なお、この記事には、北朝鮮が入っていないが、日本語のニュースでそういうのが出ているので↓、この人民日報の記事には、間に合わなかったのかもしれない。間に合っていたら、絶対に載せているはずだから。
正恩氏、新型肺炎で中国主席に書簡=「苦痛分かち合い、助けたい」(2020年2月1日)|BIGLOBEニュース

多くの国のひとつである

日本というのは、中国にとって、重要な隣国で、文化的な「弟」に当たる存在だけれども、弟が「礼儀」を忘れたという場合には、こういう「多くの国」のうちのひとつでしかなく、しかも、見舞いを言ってこない国のうちのひとつ、ということに、なるのである。
こういうところで点数を稼いでおけば、あとあと、絶対に、いいことがあるし、丁寧なお見舞い状を出すだけなら、お金などはかからないのに、そういう「北東アジアの常識」が、わからないのだから、今の日本が、損ばかりするというのは、当然である。
アメリカの顔色を伺う以外には、なんの特技もなく、要領が悪すぎる。