洛陽の特大月餅

中国では、中秋節の真っ最中だそうです。

9999個の月餅を使った特大月餅。
これは、湖南省洛陽市の老君山だそうである。

やはり、なんでも、やることのスケールが大きい、大陸的だな、というのが、中国。
逆に言えば、私たちは、島国気質なんだな、ということを、知るきっかけにもなる。
なんでもそうだけど、「よそ」と比べてみないと、「自分たちのこと」というのは、わからないものである。
島国気質は、島国気質で、それを生かした「何か」をすれば、いいということで、資源や規模がまったく違う「大陸気質の人たち」と、同じことをして張り合うというのは、得策とは、私は思わない。
昔の日本人は、そういうことが、よくわかっていたはずなのだが、明治のちょっと前ころから、わからなくなった。
どうしてかというと、西洋人に出会い、彼らの持つ文明の利器の「力」でもって、「大陸の人たち」と対等に張り合えると、思ってしまったから。
こうなると、規模とか資源量とか、あんまり関係ないやと、思ってしまったから。
西洋の列強たちが、自分の国が小さくても、何倍もの植民地を獲得しているということを、知り、それだったら、自分たちにも、同じことができそうだと、思ってしまったから。

国全体が、将来に対して楽観的

興味深いデータ。
Multi-country poll finds Chinese most optimistic about future - People's Daily Online
フランスのイプソス社によるアンケート調査では、中国の成人と、中国の若者が、最も楽観的だという結果が出ているという。
もちろん、対象国中の1位。
Ipsos, a France-headquartered research firm, said in a press release that it conducted 40,506 interviews between July 9 and Aug. 22 in 15 countries including Australia, Brazil, China, France, Germany, Britain, India, Mexico, Russia and the United States.
対象国は、オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、イギリス、インド、メキシコ、ロシア、アメリカを含む15か国。日本が入っているのかどうか、書いてないな。
The study found that Chinese adults and youth are the most optimistic across the study about the future of their country with 88 percent of adults and 94 percent of youth. Towards the future of the world, they also show relative optimism with 85 percent of adults and 90 percent of youth.

Across the study, Chinese adults and youth are the most likely to agree that their generation will have a more positive impact on the world than their parents, with 78 percent of adults and 89 percent of youth saying so. Chinese youth are particularly more optimistic than their counterparts in other countries.

A much larger proportion of Chinese adults and youth agree that their generation is better off than their parents than any other nation in the study - 84 percent of adults and 92 percent of youth in China nod at the statement.
これは、すごいことだな。
成人人口の88%と、若者人口の94%が、国の将来について、楽観的なのだという。
youthの定義が、わからないのだが、たぶん、ティーンエイジャーのことのようである('Our time is now': world youth poll reveals unexpected optimism | Global development | The Guardian)。
もっとすごいのは、「自分の親の世代よりも、自分たちの世代のほうが、世界に貢献できる」と、思えている、ということだろうな(成人の78%と、若者世代の89%)。
もちろん、「自分の親の世代よりも、自分たちの世代のほうが、いい生活ができる」と思っているのが、成人の84%、若者の92%というのは、突出してすごい数字である。
習近平になってからも、貧困撲滅対策とかは、継続されているから、貧困地域というのは、まだ、あるはずなのだが。
ざっくりいうと、国全体が、幸福感に包まれて、前向きである、そういう感じだろう。
こういう場所では、「政権転覆」とか、まず、起こらないわけ。

アメリカの場合

そして、アメリカは、これと逆で、ビリー・ジョエルが「Allentown」を歌ったころから、もう、けっこう悲しい感じの「下り坂」だったわけ。
それが、1982年。
彼は、「自分の親の世代よりも、生活レベルが下がってきた」「やってらんねーよ」と、歌ったわけ。
トランプが大統領に選ばれたという「現象」は、基本的には、「この歌」の延長線上にある、というわけである。

薄暗い日本

そしてまあ、これを言うのは、つらいことだけど、現在の中国の状態は、「今の日本と、対照的」と。
自分の親の世代よりも、貧乏になっていくのが、当たり前という状態が、けっこう前から続いている。
若者が、被害者意識を持ち始めたり、または、最初から諦め始めている。
上の世代は、それを見て、「自己責任」とか、「努力が足りない」と、言う。
まあ、ざっくり言って、「薄暗い感じの社会」だよね。

そんなふうに、お隣さんとは、だいぶ、景色が違ってきた、というわけ。
こうなればもう、勝負にはならないから、「幸せな人たち」というのは、どっか遠くから聞こえてくる「呪いの声」とかは、なんらかの雑音くらいにしか、思わないだろう。
が、前から言っているように、北東アジアは、運命共同体だ。
ここに来てくれた中国の人は、日中は、一緒に栄えようと、言ってくれた。
中国が栄えるときは、日本も一緒に連れていく、どっちかだけが幸せになることは、ないと。

だから、薄暗い気持ちで、滅びるのを待つだけというふうに、思い込むことは、ない…かもしれない。
朝鮮半島の「大変化」が起これば、ウチにも、希望の芽があるかもしれない。
アメリカの支配を脱して、貢ぐ必要がなくなり、明るい未来へ向かって、自己決定権を行使できる日が、来る…かもしれない。
来ないかもしれない。わからない。