中国のアフリカ投資は、超長期的「ウィンウィン」ストラテジー
中国人というのは、本当に、長期的にものを考える人たちなんだな、と思うのは、例えば、こういう例ひとつ取っても、そうである。The fundamental difference between China’s and the West’s policy toward Africa - People's Daily Online
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20180905/18/cluttered-talk/af/bb/j/o0540035514260892650.jpg?caw=800)
China and African countries agreed to work together toward an even stronger community with a shared future, according to a #declaration adopted Tuesday at the 2018 Beijing Summit of the Forum on China-Africa Cooperation (#FOCAC ) pic.twitter.com/NpezLClua4
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月4日
When it comes to cooperation with Africa, all parties in the international community must respect African sovereignty, listen to African opinions, attach importance to African propositions, and fulfill their commitments to Africa: Xi #FOCAC pic.twitter.com/yNIiOS2GIP
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月4日
Chinese and African leaders have adopted a declaration on building a closer #China -#Africa community of common destiny and passed an action plan focusing on implementing eight major initiatives in the next 3 years: President Xi Jinping #FOCAC pic.twitter.com/nN8aVENsjn
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月4日
本気度100%
中国のアフリカへの投資・関与というのは、近年、目覚ましいのである。中国は、アフリカに対し、本腰も本腰、である。
…日本では、あまり報じられないというか、「中国がうまくやっている」ということは、考えたくないから、目にしないだけ。
The “five-no” approach in relations with Africa proposed by President #XiJinping at #FOCAC2018 has received positive responses from African leaders and participants who resolutely oppose the smearing of China-Africa ties. https://t.co/E3VedZAILc pic.twitter.com/2kvj9k9pX6
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月5日
西洋諸国にとって、アフリカというのは、「収奪の対象」でしかなかった。The 2018 Beijing Summit of the Forum on China-Africa Cooperation (#FOCAC ) is highly hailed by African countries and international community for its inclusive, effective, and united framework based on pragmatic cooperation. https://t.co/OOeHiHAvH8 pic.twitter.com/KCufenErWs
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月4日
そして、用が済んだら、あとは放置…で済むかと思ったら、そうではなくて、今では、北アフリカからの移民・難民が、高福祉の欧州諸国に押し寄せてしまって、苦しんでいるわけである。
経済格差がありすぎるからそうなる、というのが、大前提である。
誰だって、生まれた国で、そこそこ暮らせれば、遠い国まで出かけて、文化や習慣の違う場所で、苦労をしたくなんかはない。
が、それを引き受けても、欧州へ行くだけのメリットがある、または、生まれた国の状況が、悪すぎる、戦争や内乱で、荒らされ尽くして、とか。
「収奪が目的ではない」
中国は、アフリカへの関与について、「西洋とは違うんだ」ということを、非常に意識している。収奪が目的ではないんだ、と。
そして、今回の会議では、5つの指針を発表している。
The fundamental difference between China’s and the West’s policy toward Africa - People's Daily OnlinePresident Xi Jinping addresses the media on results of the 2018 Beijing Summit of the Forum on China-Africa Cooperation (#FOCAC ) pic.twitter.com/2LoOUQ9CJb
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年9月4日
In his speech, President Xi said China values sincerity, friendship, and equality in pursuing cooperation, and said that China follows a “five-no” approach in its relations with Africa.
“No interference in African countries’ pursuit of development paths that fit their national conditions; no interference in African countries’ internal affairs; no imposition of our will on African countries; no attachment of political strings to assistance to Africa; and no seeking of selfish political gains in investment and financing cooperation with Africa,” Xi said.
This is the fundamental difference between China’s and the West’s policy toward Africa.
- それぞれのアフリカ諸国の発展状況に合った道程への不干渉
- アフリカ諸国の内政への不干渉
- われわれの意思をアフリカ諸国に押し付けない
- アフリカへの支援にあたり、政治的なヒモをつけない(役者註:傀儡政権を置かないという意味だろう)
- アフリカへの投資によって、自分勝手な政治的利益を得ない
これが、アフリカに対する、中国と西洋側の根本的な方針の違いである。
双方が満足するような取引関係を結ぶ、そのことによって、どちらにも恨みを残さないから、将来的な禍根のタネも、残らない、そういう「長い時間をかけて、中国文化で育まれた知恵」に基づく、平和な発想である。
西洋には、こういう発想はない。
強いものが勝つ、弱いものは、言うことを聞け、弱いんだから、我慢をしろ、それだけ。
中国のアフリカへの投資には、マルチな目的がある
アフリカへの投資というのは、市場としてワークするまでの間は、純粋に、投資になるだろう。が、これはたぶん、「100年後の収益を期待する」とか、そういうことだけの話では、ないのである。
中国には、しつこくて、タチの悪い敵がいる。
アメリカだ。
そして、長い時間をかけてでも、アフリカ全体を「親中」に導くということは、これは、「対アメリカ」という意味では、ものすごい意味がある。
アフリカが「沈黙しているように見える」のは、まだ、発展途上で、弱いからである。
人口や、面積から言ったら、本来ならば、もっと「発言権がある」はずなのである。
そして、そこまで育てれば、そしてそれが、中国の投資に応える形に育ってくれるのであれば、こんなに頼もしい味方はない。
100年かかっても、200年かかっても、「やる意味」はある。
中国の人は、本当に、長いスパンで計画を立てるのである。
そして、アフリカへの投資というのは、「対アメリカ」というだけの話ではない。
人口だ。
地球全体の人口は、今後、もっと抑制しなければ、絶対に無理である。
そして、中国は、自国では、かなりの抑制をして、効果を出している。
が、一番人口が増えているのは、もちろん、アフリカである。
そして、それをなんとかするには、生活レベルを上げるしか、ないのである。
生活レベルを上げて、1人1人の子供の育成に「資源」をかけさせるようにしなければ、子供の数というのは、減らない。
中国は、そこまでやるつもりなのである。
そして、それをするということは、つまりは「経済難民の数を減らす」ということにも、つながるわけである。
地球全体のためになる。
「得意なこと」をすればいい
日本人というのは、民族的には、そういう「長期的で、規模の大きな計画」を「企画する」には、向いていない。そういう経験が、ほとんどないし、20世紀に入って、ちょっと試しにやってみたら、見事に失敗して、ほとんどのアジア人から恨まれた。
さらに、「国の規模(面積・人口)」からしても、向いていない。
だから、「向いていない」のだから、「向いていること」を、したらいいのである。
向いていることって、なんだろう。
何かあるよ。
私たちは、生まれた時から、呪われているわけではない。
世界の中でも、北東アジアの民族というのは、平和的で、勤勉で、優れていると、誰もが認めているわけで、そして、日本人というのは、その中の、一部族である。
もともとは、祝福されている。
何か、自分たちに得意なことでもって、世界の役に立つことは、できる。
ただし、中国人と張り合って、同じことをすることによってではない、というだけの話。