戦後初めて「ノー」を言った日本

私が、民主党政権時代の出来事で、最も高く評価しているものは、以下の出来事。
2013年10月の古い記事だけれども、ずっと記憶に残っている。
NSA asked Japan to tap regionwide fiber-optic cables in 2011 | The Japan Times
The U.S. National Security Agency sought the Japanese government’s cooperation in 2011 over wiretapping fiber-optic cables carrying phone and Internet data across the Asia-Pacific region, but the request was rejected, sources said Saturday.

アメリカ国家安全保障局は、2011年、日本政府に対し、アジア太平洋を横断し、電話やネットデータを盗聴するための光ケーブルへの協力を求めた、しかし要求は拒絶されたと、情報筋は土曜日に語った。

The agency’s overture was apparently aimed at gathering information on China given that Japan is at the heart of optical cables that connect various parts of the region. But Tokyo turned down the proposal, citing legal restrictions and a shortage of personnel, the sources said.

NSAの申し出は、中国の情報を集めることが目的だったと見られている、日本は、地域での各種の光ケーブルに接続している中心だったからだ。しかし日本政府は、法的規制と、人員が不足しているという理由で、申し出を却下したと、情報筋は語った。

The NSA asked Tokyo if it could intercept personal information from communication data passing through Japan via cables connecting it, China and other regional areas, including Internet activity and phone calls, they said.

NSAは、日本政府に、日本を経由する個人的な情報データ、インターネットアクティビティや、電話を含むデータを、中国やほかの地域から接続されているケーブルを通して、インターセプトできるかどうかを訊ねたという。

Faced with China’s growing presence in the cyberworld and the need to bolster information about international terrorists, the United States may have been looking into whether Japan, its top regional ally, could offer help similar to that provided by Britain, according to the sources.

サイバーワールドにおける中国の存在の増強に直面したことと、国際テロリストについての情報を強化するために、アメリカは、(極東)地域における同盟国の筆頭である日本が、イギリスがやっているように、協力をしてくれるのではないかと期待していたという。

Based on documents leaked by former NSA contractor Edward Snowden, British newspaper The Guardian reported that the agency had been sharing data intercepted by Britain’s spy agency, GCHQ, through transatlantic cables since 2011.

元NSAコントラクターのエドワード・スノーデンがリークした書類によると、イギリスのガーディアン紙は、イギリスのスパイエージェンシーであるGCHQが、大陸横断ケーブルを通して、2011年からインターセプトした情報を共有していたという。

But Tokyo decided it could not do so because under current legislation, it cannot intercept such communications even if the aim is to prevent a terrorist act. Japan also has a substantially smaller number of intelligence personnel, compared with the NSA’s estimated 30,000 employees, the sources said.

しかし日本政府は、現段階の法的枠組みでは、それはできないと考えた、テロを防ぐという目的のためであっても、そのようなコミュニケーションをインターセプトをすることはできないと。NSAの3万人と比べ、日本には、わずかな諜報員しかいなかったと、情報筋は述べた。

A separate source familiar with intelligence activities of major nations said the volume of data that would need to be intercepted from fiber-optic cables would require a massive number of workers and the assistance of the private sector.

情報機関の活動に詳しい別の情報筋は、光ケーブルをインターセプトして得られる情報量からすれば、多くの人員が必要だったはずで、プライベートセクターのアシスタントも、必要だったはずだという。
オバマに殺されそうになって、ロシアに逃げたスノーデン↓
…2011年といっても、菅だったのか、野田だったのかは、はっきりしない。
が、「なけなしの『主権』を行使してみた」ということは、間違いないよ。
そうだよね。
ノーと言ったんだよ、たぶん、戦後はじめて。
そしたら、もちろん、クビになったんだけど。

民主党は、そんなにリッパじゃなかった。
初めての政権担当で、いっぱいいっぱいだったし、党内も、バラバラだった。
が、たぶん、最終的に目指していたところは、最初に鳩山が打ち出したような「東アジア共同体路線」つまり、アメリカの支配からの独立、「主権回復」だったんだろう。
鳩山由紀夫が「愛国者」であり、ゆえに日本の独立を目指していた・いるのであるということは、これは疑う余地はない。
民主党時代のことは、もう、思い出されることは、なくなったようだけれども、この出来事は、歴史的な事件として、強く、深く、記録されるべきなのだ。
そして、いつか、米軍を追い出し、日米同盟という名前の植民地支配から逃れたときに、「民主党の光ケーブル盗聴拒否事件」というものは、「日本の独立への第一歩として、アメリカに対して戦後はじめてノーを言った時点」というふうに、タイムテーブルに、刻まれるべきなのである。

このひとつのノーが、計り知れない国益になる

この「ノー」の判断は、たぶんだけど、「蒋介石がポツダム宣言に使者を送って参加した判断」と同じくらいに、重要な、正しい判断だった。
あの「判断」こそが、すべての中国人に対し、永遠に、計り知れない利益をもたらすことになったのである。
そして、この民主党政権の「ノー」は、長期的な日本の国益に、非常に寄与するはず、なのである。
なぜかというと、中国人は、「恩」を忘れないという、律儀な人たちである。
だから、こういうことは、絶対に忘れないのである。
彼らは、いいことも、悪いことも、「絶対に忘れない」のだから、こちらが恩着せがましくする必要などは、ぜんぜんない。
日本政府が、中国政府と中国のみなさんに対し、どんな失礼をしていても、これがある。
こういうものが、10年後、20年後に、効いてくる。
意味を持つ。
いつか、これまでの失礼を、全部お詫びして、元通りに、仲間としてやっていくときがくる。
そのときには、「こういう事実」が、モノを言うはずである。

右翼こそ、このノーを誇れ

私は、自分が生まれた国に、たまたま主権がなかったことは、非常に残念で、そしてたぶん、そのまま死んでいくということも、残念だと思っているけれど、少なくとも、この一件についてだけは、誇れると思う。
右翼たちも、この一件をこそ、誇るべきなのである。
民主党を誇らなくても、「日本政府がアメリカ政府にノーを言った」という意味では、大いに誇るべきだろう。
もしもキミたちが、本当の愛国者で、民族派なのであれば。