すべてがあり、ありすぎる国トルコ
個人的に、非常に気になっている国トルコ。東洋が終わり、西洋が始まるという、その境にある場所。
トルコには、ありとあらゆる、すべての要素がある。
あまりにも、いろいろありすぎて、とても、説明しきれない。
エルドアンがいなければ、今ごろは「イラク状態」に
とにかく、思うのは、こんなややこしい状況で、よく、「政治の舵取りをしたい」などと、思う人が、出てくるな、ということかな。“Our struggle is the last hope of the oppressed and the wronged” https://t.co/VXOX2Q89oa pic.twitter.com/d4VGmQPeUV
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2018年8月31日
誰だって、60をいくつか過ぎたら、碁でもやるとか、孫と遊んだりして、楽隠居でもしているほうが、いいに決まっている。
が。
レジェップ・タイイップ・エルドアンには、まだまだやることがある。
そう、たぶん、この人がいなかったら、今ごろ、トルコというのは、「イラク状態」になっていたということは、確実である。
非常にざっくり言うと、エルドアンがやっていることは「主権の確保」である。
本当に、それに尽きる。それだけ。
というか、彼がやっていることを見ると、「トルコが主権を守ること」が、どれだけ大変なことかということが、非常にしみじみと、感じられるのである。
プーチンが言ったように、「主権」というものは、あるようでなくて、世界でも、主権を行使している国は、少ないんだと。
もちろん、私が生まれた国には、生まれた時から、主権はなかった。
ないのは、私のせいなのかって、そうではないと、思うんだけど。
とにかく、トルコには、今はまだ、主権があり、そして「それ」を、必死で守ろうとする人たちが、いて、その人たちが選んだ誰か=エルドアンのような、「難局を乗り切るだけの資質のある人」が、いる、ということだ。
トルコの人が、「主権を守ること」について、一致しているというのは、以前に、やりとりをした一般の相手からも、ひしひしと、伝わってきた(More reliable partners than two-faced Europeans)。
一般人が、「自国の主権」に対して、これだけの「決意」を持っているという国が、トルコという国なんだろう。
この人なんかも、エルドアンの「役割」に対して、非常に冷静にとらえている。
トルコ情勢について最低限押さえておくべきこと
- トルコは、NATO加盟国。
- トルコは、EU加盟を希望しているが、意地悪をされて、据え置かれている。
- トルコは、基本的にイスラム教国。
- アメリカのやらかした戦争によって起こった難民危機によって、EUとの取引を行うことにより、ある程度の難民を引き受けるという条件でもって、トルコは、まとまった金と、自国民のEU通行権を得た。が、金を取られたことによって、欧州民は、エルドアンを憎んでいる。
- いろいろあって、ドイツとの関係は、非常に悪化した。
- クルド人問題を抱えている。クルド人問題とは、一言では説明できないくらいに、ややこしい。
- アメリカ政府は、アンチエルドアン派の中心人物であるフェトフッラー・ギュレンを、アメリカ国内で匿っており、再三に渡るトルコ政府の引き渡し要求にも、応じていない。
- 2015年11月、トルコは、アメリカにそそのかされ(たぶん)、ロシアの戦闘機を撃墜した。
- 怒ったプーチンは、トルコに経済制裁をした。
- 困ったエルドアンは、プーチンに詫び状を書いた。
- その後、エルドアンは、2016年7月に、CIA主導の(たぶん)クーデターを起こされ、暗殺されかけている。
このときに死んでいたはずなのだが、死ななかったのは、どうしてかというと、ロシアの情報機関から、クーデターの情報が入り、いちはやく身を隠したからだと、言われている。
その後のプーチンとの接近を考えれば、それは、事実だったと見るほうが、妥当である。軍主導のクーデターだった↓1- Fetullah Gülen Terorrist Organisation (FETÖ) managed the military coup attemp on 15th of July in Turkey pic.twitter.com/WefMcx13kt
— Metin KÜLÜNK (@mkulunk) 2016年7月23日クーデターを起こした一部の軍勢力↓Coup d'etat: Untold story of Washington leaving its friends in the lurch https://t.co/DrtYFgBaAG #TurkeyCoup pic.twitter.com/KeMYocMSAp
— Sputnik (@SputnikInt) 2016年7月29日クーデターは、一般の民衆が軍関係者に翻意を促し、制圧することで鎮圧↓Turks' uprising against failed #TurkeyCoup offers a 'chance for reconciliation' https://t.co/J1EE1J4V46 pic.twitter.com/O7xPKZGWF3
— Sputnik (@SputnikInt) 2016年7月20日クーデターの企画・指揮者と名指しされているギュレン(アメリカに亡命中)↓#Turkey is ready to work with US on suspected #TurkeyCoup mastermind's extradition https://t.co/jq2dYd1FVg #Gulen pic.twitter.com/J5RLlZv3CF
— Sputnik (@SputnikInt) 2016年7月22日 - アメリカに殺されかけたエルドアンは、ロシアとの接近に舵を切った。特に、プーチンとは蜜月となり、エネルギー関係を含め、各種の協力関係を進めた。ラブ↓
Peskov doğruladı: Putin ve Erdoğan, Tahran'da ikili görüşme yapacak https://t.co/8P8PtArBNm pic.twitter.com/fpVzTr79fm
— Akşam Gazetesi (@Aksam) 2018年8月31日 - トルコは、アンチアサドだったこともあり、アメリカ主導の「テロリスト支援作戦」の中心だったが、自国内でのテロの多発に悩まされたことと、ロシアとの関係でもって、それをやめることにした。
- たぶんCIAの謀略で、2016年12月、トルコに派遣されていたロシア大使アンドレイ・カルロフが、白昼堂々、美術館の中で暗殺された。暗殺現場↓
#AHORA: Dispararon a Andrei Karlov, embajador ruso en Turquía. El impacto fue desde muy corta distancia. pic.twitter.com/D9W03wPUL4
— C5N (@C5N) 2016年12月19日変わり果てた姿で帰郷したカルロフを前に、悲しみのプーチン↓Vladimir Putin, center, attends a ceremony for the Russian Ambassador to Turkey Andrei Karlov in Moscow. Sputnik/Kremlin Pool Photo via AP pic.twitter.com/ypTkHIj9yV
— AP Images (@AP_Images) 2016年12月22日 - 2017年、ロシア・イラン・トルコは、シリア内戦を終わらせるための共同調停者になった。
- 2018年8月、トルコ当局は、米国人牧師をスパイ容疑で勾留。
- アメリカは、報復でもって、経済制裁を行った。
- リラが暴落、大変なことに←今ここ
“Economic threats cannot intimidate our nation” https://t.co/U6kB6GjR9k pic.twitter.com/vr2aweujTk
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2018年9月1日
President Erdoğan speaks at the ‘Conquest of Anatolia - Manzikert 1071’ ceremony pic.twitter.com/ZViqHXOCC8
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2018年8月26日
“We have never bowed down to those who generated welfare for themselves by exploiting the world.
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2018年8月18日
We have never and will never be one of those who laugh while innocent people, hitting the road to save their lives, cry in dark waters of seas and in front of barbed wires.” pic.twitter.com/RqnJlsiymx
2年前に、ガチで殺されたかけた人の「スピーチ」だから、なんか、真剣味が違うよね…。President Erdoğan delivers opening speech at AK Party’s 6th Ordinary Grand Congress pic.twitter.com/j3OYYz1Eqh
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2018年8月18日
年齢的には、近くても、いっぽうは修羅場をくぐった百戦錬磨の闘士、いっぽうは、温室育ちで脳内戦争のボンボン…。
President Erdoğan Receives Japanese PM Abe https://t.co/YHUJIUx7Gp pic.twitter.com/m7ius0uG1X
— Turkish Presidency (@trpresidency) 2016年9月21日
相当にがんばらないと主権が守れない
地理的特徴から、相当にがんばらないと、主権が守れない、そういう国。そこに、エルドアンのような、似ても焼いても食えない、不屈のおじさんが。
だから、トルコの大統領がエルドアンであるということには、なんか、非常に納得してしまうのだった。