残念な晩節

米共和党上院議員のジョン・マケインが、昨日亡くなったそうである。
81歳。
ああ、と思った。

マケインと言えば、ベトナム戦争での捕虜体験による「英雄」ということで、有名で、そして、「ホッケーママ」のサラ・ペイリンを抜擢しての2008年の大統領選本選も、比較的、記憶に新しい。
「自分の名前のついた駆逐艦」なんかも、ある。
もっと記憶に新しいのは、2016年の大統領選での「共和党内のアンチトランプ派」としての「活躍」だった。
マケインは、党内のアンチトランプ派の中心で先鋒だった。
当時、すでに脳腫瘍による影響が、かなり心配されていた。
そして、トランプが当選し、就任してからも、ずっと、アンチトランプだった。

長老アンチ

マケインは、例えば「ブッシュ父(当時92歳)」のように、党内における、トランプに対する「長老アンチ」として、担ぎ出され、晩節を汚したまま、「アンチトランプであるという理由で、なぜか民主党員から好まれながら」亡くなった、という感じになってしまったな、と思う。
2016年の時点で、どの程度「正気」だったのかは、誰にもわからないが、それから2年後に、脳腫瘍で亡くなるような、79歳の人を、そういうことに「利用した」という、すごい状況である。
「アンチロシア」「戦争推進」という一点において、民主党の主流派と、共和党の一部が、結託してしまったのである。

死の直前まで、トランプdisとロシアの脅威喧伝に燃える

これは、本人のツイッターアカウントから。
7月18日時点のものだが、この時点でも、まだ、トランプdisに燃えていた。
それから1ヶ月ちょっとで、この世を去ることになっていたというのに…。
もっとほかに、心残りなことを、しておけばよかったのでは…。
トランプ大統領は、哀悼のツイートをしている。
私の深いお悔みと尊敬を、ご家族とジョン・マケイン議員へ。
私たちの心と祈りは、あなたたちと共に!

全力で平和の邪魔をした「病気の老人」

私は、トランプという人は、いろいろと欠点があると思っているが、最初の時点で掲げた公約と、彼の当初のブレーンが考えていたことは、歴史を変えるような偉業の「青写真」だったと、思う。
もしも彼が、党内をまとめることができていれば、というか、共和党が、一致して、彼を支援してくれていれば、彼の最大で最重要の公約である「ロシアとの融和路線」が、実現できたのではないか、と思っている。
もしも、就任半年以内くらいに、支持率が高いうちに、ささっと、それをやってしまって、プーチンとの会談ができていれば、今ごろは、中東で死ぬ人や、難民化する人たちは、減っていたはずである。
それだけではない、ロシアとの融和路線に舵を切ることに成功していれば、今ごろは、中東以外のいろんな場所で、いろんなことが、違っていたはずである。
だから、トランプが潰されたことは、本当に、残念でならない。
そして、トランプ潰しの中心として担ぎ出されたことによって、全力でもって、「地球の平和」の邪魔をしながら、老害の代名詞のように言われる中で、亡くなったマケイン。
アメリカの戦争勢力というのは、病気の老人までをも、「アンチ平和」のために、酷使した。
罪なことである。