昨日は宙組、今日は2年ぶりの神奈川KATT芸術劇場で、花組「蘭陵王」を観劇しました。

感想は蘭陵王から書きます。

DCで取り沙汰されていましたが、流石のキムシンクオリティで、

そうですね、「虞美人」+「王家に捧ぐ歌」÷2で行く公演でした。

素晴らしい「名(迷)作」でした。

「美しいが悪いか」という「名(迷)台詞」
仮面を被り城に入るロデオの「名(迷)場面」
「だって私皇太子」「蘭陵王許せない」などの「名(迷曲)」

全てにおいてキムシンクオリティ炸裂でした。

「与えられてなどいたと思われたけど、奪われていたのだ」
「悪気はなかった」

美しく強かった、たまたま王に生まれた一人の男性の苦悩、愛を描きたかったのでしょう。

しかしながら、それぞれの人物造形があまり見えてこなかった。
動機付けが弱いように感じました。

それでも、カチャや花組子は頑張っていましたし、東儀秀樹氏が手掛けた雅楽風の音楽は良かったので、横浜まで観に来た甲斐はありました。

登場人物について

蘭陵王/凪七瑠海

1年ぶりにカチャの舞台を観ました。
弱々しい少年から、「堅物」と言われる王を演じていました。
しかし、幼い頃は抵抗せず、大人になってから高緯に迫られて拒絶した過程ですが、あそこで本当の自分に目覚めたのかなと思いました。
自分が美しかったから、全てを狂わせたのかと。

洛妃/音くり寿

いわゆる命を狙う間者から、狙うものを愛してしまったというありきたりな役を、くり寿ちゃんは好演しました。
カチャとの舞台の相性がいいですね。だからこそ二人が惹かれあった経緯をもう少し描いて欲しかったです。
仮面をあの時渡したのは、自分がいつか命を狙うから、蘭陵王に戦で死なれては困る、という意味で渡したのかなと解釈しました。

高緯/瀬戸かずや

あきらさん、新境地開きました。
ポスター見た時点でライバルキャラかなと思いましたが、それが意外な人物で、美しいものは好きだけど、醜いものは嫌い、依存症な弱き人物を魅力的に演じていました。

ただ、同性愛を描くのは構いませんが、10年前ならいざ知らず、演出不足が否めません。

でも、「だって私皇太子」のアイドル風、ハワイアンは面白かったです。

他にも専科の京三紗さんの「漫画日本昔話」みたいな語り部口調が良かったです。
今は亡き母が幻となって語る感じでしょうか。

まりんさんも久々の花組で活き活きと演じていました。

きょんちゃんの村の長者と皇帝の演じ分けも良かったです。

同じく同期のこりのちゃんの芍妃と鄭氏の演じ分けも良かったな。

ほってぃーの逍遥君も歌のシーンやお芝居もよく、来年新人公演卒業ですのでチャンスをと思いました。

妃といえば、若草萌香ちゃん、詩希すみれちゃん、可愛らしいし、なかなか実力ありますね。

最下級生の104期、美里玲菜ちゃんも活躍してました。人数少ないからか目につく、やはり姉の綺咲愛里さんに似ていますね。

似ているといえば、白雪さち花さんの妹の珀斗星来さんも活躍してました。

また、青騎司さんはかっこよく、今月退団するかけちゃんを連想させました。百戦錬磨な雰囲気あります。

礼哉りおんさん可愛らしいですね。中卒でまだまだ若く、子役経験あるみたいで。

このような舞台を見れてよかったです。