さて、感想をざっとですが、書いていきたいと思います。
壮さんが出演するということで、関心を持った「細雪」
学生時代、谷崎潤一郎の「細雪」の世界に触れてから、阪神間モダニズムに関心を持ち、
転じて、宝塚に関心を持つようになったのかなと感じた。
時代は日中戦争勃発の1936(昭和11)年から日米開戦の1941(昭和16)年まで描いた時代で、亡父の七回忌を巡って質素に済ましたことで、蒔岡家の本家で長女の鶴子が立腹したり、四女の妙子の日舞の身内の発表会で近所の人が「ここだけ別世界ですな」と驚かれたり、最後の場面で出征の声が聞こえて、これからを暗示するように思えていた。
時代に翻弄されながらも四季の彩りを描いた名作、何度も舞台化されるのも頷けるし、また、「細雪」の世界に触れたいと思った。何か今の時勢と被るんですよね。
長女・鶴子役の賀来千香子さん。前回までは次女の幸子役をやっていて、細雪経験者。
鶴子も小説読んだ時、怖い姉さんだなと思ったけれど、今となっては鶴子なりに矜持があったんだなと思う。
次女・幸子の水野真紀さん。原作ではまだ娘らしさがある次女って感じだけど、どちらかといえば、中立するおっとりしたお姉さんって感じだった。
三女・雪子の紫吹淳さん。宝塚時代は観たことなくて、バラエティのゴージャスお嬢キャラが強いイメージだけど、お芝居するとおっとりした三女って感じを演じていたと思う。この人、バラエティのイメージだけで損しているんじゃないだろうか。
四女・妙子の壮一帆さん。終演後、周囲にいた女性が、あまり宝塚を観ないのか「そう・いちほさん」と読んでいて、思わず訂正したくなったが、でもその後、「宝塚の二人(紫吹さんと壮さん)ってすらっとして綺麗ね。身長高いわ」と褒めていた。
久しぶりに見た壮さん。着物姿や歩き方がまだ男役抜けてないかなと私でも感じたけど、でも、日舞の着物姿は綺麗で、「心中・恋の大和路」を思い出したし、二幕からのドレスも素敵だった。
鶴子の夫・辰雄役の磯部勉さん。12年前に「魔法戦隊マジレンジャー」(2005年)に出ていて、そのイメージが強いけど、本職・俳優さんで、舞台で活躍する姿を初めて観た。
銀行員出身で堅物イメージだったけど、本当は思いやりがある人物を演じてくれた。
幸子の夫・貞之助役の葛山信吾さんも分家の当主として、でも堅物だけでない快活なところを演じていた。
初めて明治座で観る舞台だから、敷居高いイメージだったけど、ところどころ笑い溢れて、風情が出ていて、観に行った甲斐があるお芝居だった。
