長くなりそうですが、ざっと書きます。

八木永輝/礼真琴

真琴ちゃん、初の和物役は会津の藩士。

会津若松の戦いでは愛奈姫と会津を救うために奮戦し、新しい時代になってから賊軍の生き残りとして、東京の街をさ迷い、零落れた愛奈姫と再会し、桐野へ、薩摩への怒りに火を付け、故郷を滅ぼした恨みを胸に抑えて官軍に志願し、鹿児島で果てる人生を丁寧に演じていたと思います。

吹優は途中で記憶を亡くしたとはいえ、恩讐を超えて人を救う道を志願し、新しい時代を生きているけれども、

八木野中では会津若松の戦いの時代のままで、敵が切り開いた時代に生きていないと感じました。

西南戦争で散ったのも、八木の運命だったのでしょうね。

そう思うと、彼もまた時代の犠牲者だったのだと思います。

竹下ヒサ/綺咲愛里

次期トップ娘役の綺咲さん。意外と着物似合うのは真風さんのパソブで証明してくれました。

マルグリットや今後のためにもっと芝居力があればいいと歯がゆく思いましたけど、最後の吹優と対面して、追い返すでもなく、妻として矜持を見せる姿はいいなと思いました。

本当に死に物狂いで頑張って欲しいです。

衣波タカ/音波みのり

紅さんのお姉さん役で、しっとり綺麗なはるこちゃんに農家の女性って出きるかなと思いましたが、メイクもそれらしく出来ていたし、いつものはるこちゃんらしいお芝居が出来たと思います。

はるこちゃんのまともなお芝居観るのって大海賊以来かな。

官軍として帰ってきた弟の顔を見て、一瞬安堵するも敵対している今の立場で追い返すところは、けして心から憎いわけではなく、弟や状況に対する情けなさが表れていたのだと思います。

あの後、鞄は拾ったのかな。複雑な思いで開いたのでしょうか。幸太郎のお土産、「貴方の叔父さんから」と言わずに渡したのかな。

隼太郎のことだからまだ会わぬ甥に舶来のもの選んでいたでしょうに。

あれから強く生きて鹿児島の母ちゃんとして生涯を全うしたと思います。

愛奈姫/真彩希帆

和物が始めての真彩ちゃん。でも、着物に合わせたメイクは似合っていましたし、冒頭の歌もいつもの通り。

会津のお姫様から娼婦に身を落とす姿、愛奈姫も身分が違う八木に心寄せていたのでしょう。
彼と再会した時、憧れだったかつての自分と180度違う今の自分を見せたくなくて冷たくあしらったり、八木が西南戦争に出兵する時に切ない思いを見せる丁寧なお芝居は、今年バウヒロインと新人公演ヒロインを経て出来たものだと思います。

真琴ちゃんとのお芝居の相性もいいし、真彩ちゃんは星組で頑張って欲しいと思います。

しかし、会津のお姫様が簡単に娼婦に落とすなんて史実とは違うと思いますよ。
これが、真彩ちゃんの役が武家の娘で会津若松の戦いで奮闘し、維新後家が零落れて身を落とした、というなら設定としてまだ納得は行きましたが。


まあ、そんな矛盾を感じさせないくらい真彩ちゃんのお芝居はよかったですけどね。

山県有朋/壱城あずさ


軍服姿は美形のしーらんによく似合っていました。役柄が剣心ではっちさんが演じた山県と違い、少年の母を馬車でひき殺しても悪びれず、淡々としていた印象で、かえって嫌な感じがした。

桜華での描き方がそういう役だったら致し方なかったのだけど、なんかこれが技量なのか脚本の問題なのか。

維新の重要人物なのにな~と思いました。

川路利良/七海ひろき

前回のこうもりと打って変わり、「これだけ?」と思えるくらい出番が少なかったです。
「郷の出と罵倒され続けたあの日を忘れるな」という台詞に、川路の故郷や西郷に対する複雑な思いが詰まっていると思います。

もっとその台詞が印象的だったらと思います。

川路も日本の警察の基礎を気づいた「日本警察の父」で西南戦争があったから、日本の警察整備に力入れたとすれば、故郷で散った仲間の命のことを思ったのかなと桜華を観て感じました。

犬養毅(仙次郎)/麻央侑希

狂言回しのようなポジションで昭和維新を謳う三上卓によって五・一五事件で散った政治家。
明治の代では新聞記者として登場していたけど、真琴ちゃん演じる八木を庇ったりするあたり、八木にたいして同情的だったのかなと思った。
彼もまた政治を動かしたいと思い、政治家になったのかなと思いをめぐらせた。

老齢になり、腰を曲げておいた声を出そうとして、新たなゆっこちゃんが観られたと感じた。

中村スガ/夢妃杏瑠


杏瑠ちゃんがみっさまの母親役?と最初は驚いたけど、学年差を感じさせないお芝居、吹優の風ちゃんとのデュエット、語りのようなナレーションがとてもよかったです。

薩摩の気丈な母ちゃんとして畑を耕し、息子2人を戦争で亡くして、記憶がおぼろげになったのは、ショックによる影響でしょうか。
息子2人が死んでいるのはわかっているけど、それを認めたくなくて、「もうすぐ帰ってくる」と周囲に話していて、でも周囲もそんなスガに真実語っても認めないからそのままにしているのか。

だとしたら、あのナレーションはショックから戻ったときに、新聞記者だった仙次郎に出会って全てを語り、それを後の犬養毅が語っているのだと思うと話のつじつまが合います。

大谷隆俊・岩倉具視/美稀千種

吹優の父で殿様を守る会津の武士として、娘を案じる父として心情がにじみ出ました。
一転、時は流れ、岩倉具視となり、公家出身として政治に手腕を振るう姿との演じ分けがとても良かった。

舞台ではすごい嫌な奴に写ったけど(特に桐野を小ばかにしたシーンや、最後に「奴らの流した血が新しい歴史となった」「(維新とはの問いかけに)それは後の歴史が答える」と語ったシーン)

でも、wikiを観る限りでは征韓論には反対の立場だったし、版籍奉還や廃藩置県を進め、日本を発展させるために外国を見せようと岩倉使節団を作り、鉄道や家族の問題まで色々手腕振るった人なんだよね。

岩倉使節団があったから、ポコちゃん演じた大山巌と女子留学生の一人である山川捨松の出会うきっかけとなったわけで。ちなみに2人が出会うのはもっと後の話。

ポコちゃんの大山巌もよかったです。お芝居も段々とよくなっているよね。

孤児の太郎を連れてくる姿が親子みたいで良かったです。太郎の小桜ほのかちゃんも少年役のお芝居よかったです。ちょうど同期のみちるちゃんが演じた弥彦と被りますが、

弥彦は新しい時代の中剣の道に行き、太郎は西南戦争に散っていきますが。

柚長の大給夫人の吹優の母のように娘を案じるお芝居も良かったです。母親役って黒豹の如くのまさこさんの母親役以来ではないでしょうか。

博愛社の三村加代の愛水せれ奈ちゃんもお芝居できるんだと発見でした。彼女はショーで輝くイメージがあったので、意外な発見です。

博愛社のモチーフとなった日本赤十字社、史実の通り西南戦争の時に熊本の熊本洋学校教師館ジェーンズ邸で発足し、戦争に赴きましたが、敵味方問わず助ける精神が理解されるはずなく、命を落とした人もいたとか。

その後赤十字となり、皇族の庇護を受け、今に至るわけですが、

その熊本洋学校教師館ジェーンズ邸も4月の熊本地震で倒壊しました。ある意味でタイムリーですが、気持ちは複雑です。

余談ですが、中学時代、体育音楽の実技科目が壊滅的で(元々のセンスと先生から不当な扱い受けていた)
唯一美術だけはそんなことなく、センスはないけど、デザインするのは好きで、
宿題の赤十字のポスターで入賞したことがあります。

そのとき、肌の色は違えど、人を助ける気持ちは同じ、ということで四つの手が十字になるように重ねた絵、家にまだあるかな。

祭りのシーンの音咲さんと峰里ちゃんの歌声もとてもいい美声でした。音咲さんは密偵の中原を演じ、峰里ちゃんはタカの息子の幸太郎を演じていました。

演じていたといえば、村田岩熊を演じた天飛華音ちゃん。

彼女は今年初舞台を踏んだ102期生で鹿児島県鹿児島市吉野の出身。

ちょうど故郷にちなんだ作品が組配属されてから初の舞台で大役。

中卒の為、新人公演には出れなかったけど、きっと印象深かったのではないでしょうか。

新人公演では、101期の美貌の娘役・星蘭ひとみちゃんが演じていて、きっと美青年だったと思うと新人公演観たかったと思います。

後、退団する美都くららちゃんが太郎の母親役と鹿児島の少年の三郎二役を演じていて、つくづく退団が惜しく感じます。