中部銀次郎 かくかたりき | リシャフト工房クラブマイスター
中部銀次郎 自伝より

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小学生の私は、スコアが悪かったり、ミス・ショットをすると、すぐにその怒りが表面に出る。

「お前は、すぐ悪いとブスッとする」

と叱られた。叱られることが多かった。ミスすればすぐにかんしゃくを起こす。クラブを放り投げたこともあった。さすがの親父も「もうゴルフを止めて家へ帰れ」とどなりつけた。

そんな日々を送ったお陰で、私は公式競技に出はじめてから、その面では誰にも負けることはなかった。純粋にゴルフを考えて、ゴルフ、ゴルフィングというものが何であるか。そしてアマチュアということが何を意味するものなのか。ということを。

厳しい環境のもとで学んだものは、それが違和感なく、当然のものとして受けとめられた。そして、そのことが、いまでも、例えば“セルフ・コントロール”に大変役立っているし、ルールにしても……らしき行為をすることもない。いま私がプレーをしていると、また、プレーを見ると恐いほど“らしき行為”が多いのは非常に残念でならない。スコアさえ良ければいい。結果のスコアが、最優先される。これでは、ゴルフの楽しさも、いや、ゴルフではなくなってしまうような気がしてならない。

ゴルフとは、スコアを云々することだけではないのだ。すべてマスターした上で、アマチュア・ゴルファーと呼ばれるものになるのではないだろうか。

私のゴルフが上達したのは、単に技術だけの向上でもなかった。特に、当時はマッチ・プレーが主流で、その勝負のかけひきを覚えることで“ゴルフィング”の向上に役立った。

出所:日経BP





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