ガラス戸に激突して
止まってたスーツケースは
その付近にいた外国人の男性が
拾い上げて
彼女に渡してました。
ガラス戸は割れただろう…
と思いましたが
さすがにあそこにたどりつく頃には
少し失速してたのか
あとで確認したら
割れてはいないようでした。
もしかしてガラス戸に
ポスターが貼ってあったので
それが良かったのかもしれませんね。
彼女はスーツケースを引いて
そのまま
みなとみらい線の改札の中に
入っていきました。
怪我人がいなかったのは
奇跡だと思います………
不注意では済まされないほど
ひどい事故です。
しばらくみんなザワザワしてて。
改札から出てきたお連れちゃんも
びっくりしてました。
自分の目の前
2メートル先を
ボーリングの玉のように
あるいは大砲のように
すごい音を立てながら
爆走していったあの黒いスーツケースの
恐ろしさを忘れることが
できません………
なにくわぬ顔で
スーツケースを受け取って
去って行ったあの人の事を
思い出すと
はらわたが煮えくりかえります。
つかまえて説教したいところですが
なんせこっちも
恐怖体験したばかりで
ガタガタ震えてるし
まともにしゃべることも
できなかっただろうと思います…
つづく
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