恐怖のシャント閉塞! 後編 | ないものねだり ~ただ今、人工透析中~

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【週4回透析 vs むずむず脚症候群】
僕自身が1週間に4回の透析を受けながら、「むずむず脚症候群」などの合併症との激闘を綴った闘病日記です。
ついでに透析患者の日常の呟きも書いてまする。
※現在、諸事情により週4回透析の感想は、お休みさせていただいています。

こんにちは ヾ(^-^)



今日も僕のブログへ来てくださって、ありがとうございます。

明日の はーとくんです。


今日は、朝からかなり雨が降りましたよ。

そちらは、どうですか?
(´・ω・`) 大丈夫?


さて今日は、昨日の続きを書きまする。


昨日の記事⇒ 「恐怖のシャント閉塞! 前編」


僕がホテルの警備を兼ねたフロント業務に就いていたころの、ある蒸し暑い夜の事でした。

突然、押しかけてきた人騒がせな料理長を、僕は仕方なくホテルのフロント横の小部屋に泊める事にしました。

というか、勝手に入っていったのです。

しかも僕には、連絡もしないでホテルに1泊すると、料理長が支配人と勝手に話をつけていた。

これだけでも十分腹立たしいけれど、しかもその理由が、酔っ払って家に帰り奥さんとケンカして家出したって……

いい歳した大人が、情けない話です。

僕は、半ば呆れながらフロントで業務を続けました。


「しかし暑いな~」


料理長が立てこもった小部屋は、僕がいるフロントに唯一、風を送り込んでくれるオアシスだったのに……。

小部屋は、休憩用の部屋。

中に入ってエアコンを入れれば快適です。

しかし僕がいる館内の方は、冷房の使用を支配人によって制限されている。

暑さに弱い僕は、普段なら誰もいなくなるのを見計らい、こっそりと冷房を入れていました。

だが今日は、支配人とはツーカーの仲の料理長が泊り込んでしまっている。

これではもし冷房を入れると、支配人に告げ口されてしまう。

もはや暑さで半分クラクラしながらも、我慢して仕事するしかないのです。



やがて夜が明け、朝の担当者に引き継ぎをすると、僕の仕事は終了です。

しかも今日は休日で、透析もないと来ては、僕のテンションも上がるというもの。

夕べの騒ぎも引き継ぎ時に、ちょっとだけ朝の担当者に話して終わりにしました。

僕は、業務終了すると、すぐに家に帰って行きました。

家に帰り着くと、いつものように疲れを癒すため、風呂に入ります。


「あれ? 何だかシャントのところに痛みがある……」


僕は、何度かシャント部分を軽く叩いてみます。

かすかに痛みがあるものの、すぐに治まりました。


「なんだ。もう、驚ろかすなよ……」


僕は、何事も無かったかのように風呂から出て、ご飯を食べました。

そしていつものように朝の血圧を測ります。


「ん?

 上 108、下 60?

 なんか低いな……」


この時は、シャントの痛みが治まったために僕は、特に気に留める事も無かったのです。

そう、このあとに恐ろしい結果が待っているとも知らずに……


目を覚ましたときには、もう午後3時を過ぎていました。


「ありゃあ。

 ちょっと寝すぎたな。

 せっかくの休みなのに……」


僕は、起きるとすぐにパソコンを立ち上げ、メールの確認をします。

カタカタと作業する事、数十分。

メールを確認し、返事を書くと、さっそくこれから何をするかを考えます。

せっかくの休日、無駄にするのはもったいない。

でも時計の針は、いつのまにか午後4時になっていました。


「ふう。もう遠出はムリだな……」


と、ため息をつきながら、なにげなく左手で後頭部を掻こうとしました。

その瞬間。


「うっ!」


シャントに痛みが走り、慌てて右手でシャント部分を触ります。


「硬い……」


すぐにシャントを耳に当てて音を確認。


「あっちゃあ、聞こえない……」


いつもなら ゴーオォゴーオォ と聞こえるはずのシャント音がまったく聞こえない。

何度も位置を変え、聞き直してもやっぱり聞こえない。

僕は、大急ぎでリビングへ行き、聴診器でシャント音を確認。

やっぱり聞こえない。

僕は、ついにこの日が来たかと上を向きながら目をつむりました。


「16年かあ……。よくもった方だ。」


一言呟くと、意を決して透析を受けている病院へ電話をしました。

応対に出た看護師さんは、すぐに病院へ来るように告げます。

そして弟に車で送ってもらい、すぐに病院へと向かいました。

念のためにと、入院用の準備もしていました。

なぜならシャントが閉塞してしまうと、場合によっては、作り直すための手術する事になるかもしれないからです。

病院へ着くと、すぐに臨時で来てくれていた大学病院のお医者さんが診てくれました。


「これは、シャントが詰まってますね」

(ああ……。16年頑張ってくれたシャントも、もうダメか……

 今日は、日曜。時間は、午後5時半。

 しかも明日は、透析……、どうなるのかな……)


僕は心の中で、16年間頑張って僕の命を支えてくれたシャントに、「ありがとう」と呟きながらシャントを優しく撫でました。

また、最後が僕の不注意からダメにしてしまった事に、心から反省しました。

お医者さんが僕の担当医と相談して、その日は血の固まりを溶かす注射をして、様子を見ると決めました。

2回ほど注射をして、マッサージをしながら固まりが溶けるようにします。

その結果、かすかにシャント音が聞こえるようになりました。

しかしそれ以上は良くならず、翌日、月曜の透析は、太ももの血管に直接針を刺し、そこから緩やかながら6時間をかけて透析ができたのです。

そして翌、火曜日に大きな病院へ入院できるように、調整してくださいました。

火曜日入院して、水曜日に手術。

そして木曜日と土曜日に透析をすることになりました。

僕は、勤め先のホテルへ連絡して、支配人に手術する事になったと告げ、2週間ほどの休みをもらいます。

こうして僕は、16年間頑張ってくれたシャントをダメにしてしまったのです。


入院先の病院へ向かう途中の山の中、蝉が一生懸命に鳴いていました。





おしまい



これで僕が体験したシャント閉塞のお話は終わります。
o(^-^)o 長かったっしょ?

このお話は、「再生手術編」へ続くとか続かないとか~
(^ε^) さて、どうしましょう!?


夏の暑い時期、透析患者さんは、注意が必要です。

僕の閉塞の原因は、汗のかきすぎにより血液中の水分が少なくなり、固まりやすくなった血液がシャント内で血栓を作ったためです。
(*^o^*) 僕みたいにならないでくださいね。

僕のこの経験が、少しでも皆さんのお役に立てたら幸いです。

シャントに異変を感じたら、すぐに透析を受けている病院へ連絡して指示を受けましょう!

発見が早ければ、手術を受けなくても済むかもしれません。


今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

それでは、また次回に♪




またね ( ´ ▽ ` )ノ





続きを読む⇒ 「お詫びします。 年数間違ってました。」

さらに続きを読む⇒ 「シャントって何さ?」

前回の記事⇒ 「恐怖のシャント閉塞! 前編」