テーブルマナー講師をしていますが、「テーブルマナー」と聞くと多くの方はフランス料理などの洋食のマナーを思い浮かべるようです。
一方で、日本料理の場合は「食卓作法」という言葉のほうがしっくりくるかもしれません。
私はフランス料理と日本料理の両方をレクチャーしていますが、まずは日本料理の作法を学んでいただきたいと思っています。
その理由は、シンプルに「私たちは日本人だから」です。
講座では、会席料理のいただき方をお伝えします。会席料理といえば、本来は宴会料理、つまり酒宴を楽しむための料理ですが、単なる身内での賑やかな宴ではなく、社交が目的の場でもあります。そのため、マナーやエチケットが必要になってきます。また、最近ではお箸の持ち方や扱い方、器の扱い方を知らない方も増えてきています。だからこそ、日本料理の基本的なマナーを学ぶことは、食事をより豊かに楽しむために欠かせないと感じています。
日本料理に限らず、誰かと食事をする際には、相手への敬意や思いやり、そして周囲への配慮が大切です。相手に不快な思いをさせない、周囲を気遣う心が、きれいな食べ方の基本となります。また、日本料理の魅力は、五感で楽しめることにあります。盛り付けや彩り、器の美しさを目で楽しみ、香りや食感を味わう――これこそが日本料理の醍醐味です。
ただ食べるだけでなく、料理を作ってくださった方や、それを目の前に運んでくれるまでに携わった方々への感謝、そして自然の恵みや一緒に食事を楽しむ相手への感謝へとつながる意識を持つことで、食事の時間がさらに豊かなものになります。
日本には四季があり、季節ごとに旬の食材があります。旬のものをいただくと自然と「もうこんな時期なのね」といった会話が生まれますよね。一年を無事に過ごせたことや、変わらぬ日常の幸せを感じられるのも、日本料理が持つ素晴らしさの一つです。
だからこそ、お箸の使い方や作法を知らないことで引け目を感じたり、周囲に不快な印象を与えてしまうのはもったいないことです。日本料理の作法は、私たち日本人にとって決して難しいものではありません。少しの気づきがあれば、すぐに正しく美しい作法を身につけることができます。日本人だからこそ一度講座を受けていただきたいと思います。
※ あくまでも私個人の見解です。至らない点や誤解がございましたら、どうかご容赦ください。