『上海グランド』のチョン・ウソン | ビョンホニーはいかが?+シン・スンフンも!

『上海グランド』のチョン・ウソン


チョン・ウソンssiが出ていると以前にも少し触れたことがありますが、久しぶりに『上海グランド』を見ました。

この『上海グランド』という香港映画、私は大好きで何度も見ていますが、ウソンssiのことは当時は全く知りませんでした。


香港が誇る二大スター、レスリー・チャンとアンディ・ラヴが共演したこの映画は、昭和初期日本が満州を植民地にしていた時代の上海を舞台にしたいわゆるノアールの世界を描いた映画です。

この映画は、もともとは香港で大ヒットしたTVドラマのリメイクで、ドラマではレスリーの役をチョウ・ユンファが演じた香港では誰もが知っているお話だそうです。

初めてこの映画を見たのは、深夜にTVでやっているのを偶然見て、ついつい最後まで見てしまったのですが、その後レスリー・チャンが好きだったので何度か見ました。


映画は3部構成で話が進んでいき、1部はアンディの演じたリク、2部は二人の男性から愛されるヒロインの女性、そして最後はレスリーの演じたホイを軸にした視点で作られています。

舞台は1930年代の上海です。アンディ・ラウ扮する主人公ディン・リクが、やくざ社会の最底辺からトップにまで上り詰めて行くサクセス・ストーリー、アーカンという偽名で上海に潜伏している台湾の抗日志士ホイ・マンキョンとの友情と、ヒロインのファン・ティンティンをはさんだ三角関係にスポットを当てています。

全体的にレトロ感たっぷりで、いかにも香港映画っていう感じの仕上がりですが、日本軍による台湾の抗日同士たちを拷問するシーンなど、少し日本人としては複雑なシーンも冒頭からあり、色々考えさせられる部分もあります。


チョン・ウソンssiは、この映画の中でレスリーの演じるホイと同じ抗日同士として中盤あたりから登場します。ラストの銃撃シーンでは、とても存在感ある演技、そしてやはりとても美形な顔立ちが目立ちます。

ちょっとした思い違いで、ウソンssiは同士であるレスリーが殺されたと思い、アンディを銃殺するのですがとっても悲しくせつない印象に残る大事なシーンです。

短いながらも十分見ごたえあるシーンですので、ウソンファン必見です。

ただ、セリフはすべて広東語・・・・どうも見た感じウソンssiの部分は吹替えのような気がします。

ウソンssiの部分というか、全部があとで音入れしたものだとインタビューでレスリーが言ってたような・・・。

とにかく・・・・日本で公開された当時もこの無名のヒットマンが誰か話題になり、雑誌にチョン・ウソン特集も組まれたほど印象を残したようです。



当時、香港ではもちろん無名だったであろうウソンssiはどういう経緯でこの映画に起用されたのでしょうか?『アスファルト』の2年後の作品で、韓国でもやっと知名度があがってきた頃です。

どうして起用されたのかわかりませんが、あるインタビューでこの映画への出演について語っています。


『上海グランド』に出るときも、やはり若干の迷いがありました。韓国でかなりの人気と地位を確立しつつあり、今まで主役をやってきた俳優が香港に行って、『上海グランド』のようなそれほど大きくない役を演じる意味があるのかとも思いました。しかし考えてみれば香港では私を知っている人はいないので、これがまた新たなデビュー・出発になるのだと考えました。その新しい出発をするにあたっては『上海グランド』の役が非常に印象的で良い役でしたし、香港の人たちにチョン・ウソンの存在を知らしめるいい機会になるだろうと思いました。また、共演したアンディ・ラウやレスリー・チャンは私が思春期に憧れていた俳優だったので、その人達と共演できるということは誇らしいと同時に非常に楽しい経験でもありました。

ワーナー・ホーム・ビデオ
レスリー・チャン 上海グランド

もちろんウソンssiもかっこよかったけど、やっぱりこの映画、主役はレスリーです。

この哀愁漂う演技、お顔・・・やっぱりいい!

破滅が似合う男を演じたらビョンホンニムもレスリーも甲乙付けられないくらい、鳥肌立つほど上手い。

後の香港ノアールの傑作『インファナルアフェア』シリーズ。もしレスリー・チャンが生きていたらアンディの役、トニーの役、どちらを演じてもハマリ役だったでしょうね。

私にとって忘れられない俳優のひとりとして永遠に心に残る人です。