□第51話□
『出会い』
あれは1年の頃
そう、俺と健太が初めて話したきっかけは…
「空からいきなり降ってきたんだよ」
「「………は?」」
「俺が裏庭の木の下で本読んでたら、あいつがいきなり上から俺のすぐ横に降ってきて…いやー、あれはマジビビッたな。
なんでも掃除サボって逃げてたところで、窓から木に飛び掛かったら落ちたんだと」
漣「それはまぁ…
」通「なんとも変な出会い…
」「最初はさ、俺も変な奴だなって思ってたんだ。
なんか俺とは正反対の奴だったから…。他人と壁作らずに誰とでも仲良く出来る感じ?
だから正直、あいつのそういうとこは羨やましかった…」
***
健『ったぁ~…!!』
『お、おい…大丈夫か…?』
健『ん?おぉー誰かと思ったら藤沢やん!お前こんなとこで何してんの?』
『…別に、本読んでただけ』
健『ふーん。おもろい?それ』
『まぁ、暇つぶしにはなるよ』
健『へぇ~…俺本とか漫画しか読んだことないわ(笑)
字ぃばっかのはどうしても頭痛くなって飽きてしまうねん』
『ふーん…』
健『なぁ、最近ミツ先生に聞いたんやけどお前俺と誕生日一緒なんやってな!
なぁ俺と友達にならん?』
『!友、達…?』
健『そ、友達♪俺鎌苅健太!健太って呼んでえぇで^^』
『……』
健『…藤沢?』
『…せっかくの誘いだけど、俺にはあんま関わらない方がいいよ』
健『なんで?』
『…それは…』
ズ『あっ!ケンケン居た!』
健『げっ、やばっ!!そういや俺掃除サボって逃げてたとこやってん!
じゃあな藤沢!また話そな!』
『お、おいちょっと…!って、居ねーし…
』(……変な奴。)
***
それから毎日のように、あいつは俺のそばに来ては下らない話や最近あった出来事、自分のことなんかを話してきた。
体育で2人1組で体操やキャッチボールなんかをするときも、俺がトイレに行こうとしたときも、休み時間にフラッとどこかに消えるときも、あいつは俺の傍を離れなかった。
まぁぶっちゃけ、俺が行くところ行くところにあいつがまとわりついてきたのだ。
荒『ケンケン今日もあいつんとこ行ってんの?』
ズ『みたいだな』
城『そんなに仲いいの?あの2人って』
荒『っていうかケンケンの片思いって感じ?』
ズ『飽きないよなぁーあいつも(笑)』
城『でも、結構お似合いだったりして。+と-同士』
ズ『っていうか、火と水じゃね?』
荒『それを言うなら光と陰』
城『もっといい表現ないの?』
『『『うーん…』』』
*3人揃えば文殊の知恵*
ズ『…おっ♪じゃあさ、磁石のSとNってのは?』
城『おぉっ、それいいなぁ!確かにそりゃ…』
荒『一度くっついたら離れなさそうだな(笑)』
***
放課後…―――
健『なぁ修、何処行くん?』
『…用務員の人に明日シャベルと軍手貸してもらえるよう頼みに』
健『シャベルと軍手…?なんに使うん?』
『…本棟の裏庭に咲いてた花、せっかく綺麗に開花したのにあんなとこに生えてたら誰かに踏まれるかもしんないだろ』
健『だから植え直しに行くんか?そんなん園芸部の奴らに言うてやってもらえばえぇのに』
『…いいよ、別に。余計な仕事、増やさせたくないし…
それに、気づいた奴がやればいいだけの話だしな』
健『……。…お前ってさぁ、本間は優しくていいとこ一杯あんねんから、そういうとこもっと人に見せればえーのにな』
『……別に、誰かに分かってもらおうなんて思わない』
健『……』
『それに…お前がそう思ってくれてるなら、俺はそれで充分だよ』
健『!…^^ なぁ修、今日帰りゲーセン寄ってこうぜ!思いっきり遊ぼや♪』
『また兼崎に見つかったらどやされっぜ?』
健『そんときはまぁダッシュで逃げれば大丈夫やろ!』
『フッ…そうだな』
そう言って肩をすくめて小さく笑う修。
それを見て健太も嬉しそうに笑い、2人は本棟の用務員室に向かって歩き始めた。
***
*翌日*
健『あっれー?どこ行ったんやろ…』
卓『?ケンケンどうかしたの?』
塁『っていうか藤沢君は?一緒じゃないなんて珍しいね』
健『いや、俺も今雅にそいつ探しててさ…。なぁ、修んこと誰か見とらん?』
卓『え?いや、見てないけど…』
柳『そういやさっき、修が本棟向かって歩いてくとこ見たよ』
健『え、本間か?』
柳『うん、多分そうだったと思うけど』
健『ふーん…(先植え替え行ったんかな…)
そっか、分かったわ。サンキューな^^』
そう言って柳にお礼を言い、残りの2人に別れを告げた後健太は急いで本棟の裏庭へと向けて走っていった。
***
その頃修はと言えば、健太の予想とは裏腹に本棟の連中4人くらいに裏庭に呼び出され、周りを囲まれていた…―――
修『…なんすか?話って』
『どうせテメーのことだから大体検討ついてんだろ?天才く~ん』
修『…さぁ?身に覚えがありませんけど』
『テメーのそういう人を見下した態度がムカつくっつってんだよっ!
1年のくせに態度でけーんだよ!!』
『テニミュ科だかなんだか知んねーけど、調子乗ってんじゃねーぞコラッ!!』
修『…別に乗ってないだろ。下んない因縁つけて時間潰させないでくださいよ』
『なんだとテメェ…
!その生意気な口二度と利けねーようにしてやろーかっ!!』そう言ってガッと修の襟元を掴んだ相手を冷めた目で見つめていた修だったが、男のうちの1人が裏庭に咲いていた花を踏んだのを見て一瞬にして目つきが変わった。
修『……おい、足どけろよ』
『あ゛?』
修『踏んでんだよ。テメーの汚ねー足が』
『はぁ?…あぁ、もしかしてこの花のことでちゅかぁ~?』
修『……どけ』
『フッ…うるせーんだよっ!!』
そう言ってガッと真上から足を振り下ろし、そのまま修の目の前でぐりぐりと見せ付けるように花を踏み潰す男。
『あーあ、潰れちゃったー♪ヒャハハハハハッ!!…あん?』
ドゴッ!!
男が下品な笑い声を上げる中、その行動にキレた修が一瞬にしてそのまま男に殴りかかり鼻っ柱を砕いた。
『がっ…!!』
『!!』
『て、テメェ…

何してくれてんだっ!あ゛!?』
修『…クズが……テメェら全員、ぶっ殺す!』
『上等だコラッ!!テメー1人で相手になると思ってんのか?!』
『ぶっ殺してやるぜ!!』
そう言って修に残りの男3人が一気に飛びかかろうとしたとき、その間にある人物が現れた。
『なっ…?!』
『なんだテメーは!!』
健『…おい修、水臭いやないか?こないおもろそうなこと1人占めするなんて』
そう言ってゆっくりとその場から立ち上がり、修に向けてニッと微笑む健太。
修『健太…!?』
『チッ…誰だろうが関係ねぇ!!テメーもまとめてぶっ潰してやるぜ!!』
健『修、共同戦線や!!いっちょ派手に行くで!!』
『…おぅっ!』
健太のその言葉に一瞬嬉しそうな顔をした後、元気よくそう返事を返した修。
そしてお互いに背中を預けあう体制で喧嘩に臨み、何回か殴られもしたがなんとか最後は勝利を収め、喧嘩が終わったあと2人してその場に倒れこんだ。
健『ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……どんな、もんや…ボケェ…!』
『はぁ…はぁ…はぁ…』
健『…にしても、普段クールなお前が喧嘩なんて珍しいやないか?あんな連中の安い挑発に乗るなんて。しかも相手上級生やし…。
…なんかあったんか?』
『……』
健『…別に、言いたくないんやったらえぇけど』
『…踏んだんだ、あいつが…。今日、植え替えしてやろうと思ってたのに』
健『…ひょっとして、あの花?』
『あぁ…。せっかく、頑張って咲いたのにな』
健『修…。……これからは、俺が一緒におるから!』
『!…?』
健『お前が守るんやったら、俺も守るよ。
お前が大事なもんは、俺が全力を尽くして一緒に守ったる!
やから…俺だけには、心許せ』
『!』
健『…ニッ♪ 今日から俺ら、親友な^^』
『……』
健『大阪では喧嘩一緒にしたら友達やねん。んで、背中預けて喧嘩したら親友やの♪
俺、あんねん背中預けんの心強いと思ったのお前が初めてやった^^
やから俺らは、もうれっきとした親友やで!』
『ハハッ、なんだそれ…。つーかここ、そもそも大阪じゃねーし(笑)』
健『まぁ、そういう細かいことは気にすんなって』
『ハハッ……お前……お前って本当、変な奴^^』
そう言って初めて心から笑った修の顔を見て、一瞬目を見開いた後嬉しそうに微笑み興奮して話し出す健太。
それを照れたように誤魔化しながら、修は先ほど踏み潰された花を花壇に植え替え、道具を返したあと2人は一緒に教室へと戻っていった…―――
≪続≫