□第48話□


『夏休み』


通の誘いで夏休みの間桜田家へお邪魔することになった漣と修。


少々不満はあったものの修もなんとか最後は納得し、荷物をまとめた後2人と一緒に寮を後にした。



漣「あー…ったくもう母さんのせいでがなって喉いてーわ、騒いでたの兼崎に見つかって反省文書かされる始末になったわで、えれー目にあったぜ…」


「自業自得だろ…」


通「そりゃ20分も公衆電話の前で騒いでれば普通怒られるって(笑)」



『何考えてんのこの馬鹿息子!あんた一体いつまで親不孝するつもり?!』

『だーっ!もう、うっせーな!こっちにだって色々事情があんだよ!!』

『何よ事情って!!あんたのことだからどうせ下らないことなんでしょーが!』

『ちげーっつの!!』


(etc...)



通「…にしても昨日の電話凄かったよね(笑)
こっちにまで漣君のお母さんの声丸聞こえだったよ?」


「…漣は母親似なんだな」


漣「あぁっ?!似てねーっつの、全然!」


「それより、通の家ってまだ遠いの?」


漣「スルーすんなら最初っから聞くなよっ!!」


通「ううん、もうすぐだよ。…あ、ほら!見えた^^」


「「ん?」」


そう言って通が指差すほうを見てみれば、綺麗な一軒家がぽつんとそこに建っていた。




漣「へぇ~♪いい感じじゃん」


「うん。アットホームな感じで俺好きだな」


通「^^ んじゃ、早く中入ろう!」


「うん^^」「おぅっ♪」



***



ガチャッ…


通「ただいまー」


「「こんにちはー」」


母「お帰り通^^ えーっと…」


通「母さん、この人たちが昨日うちに遊びに来るって言ってた修兄と漣君」


漣「桐山漣です。よろしくお願いします」


「藤沢修です。お世話になります^^」


母「まぁまぁ、あなたが通がいつも話してる修兄さんと生徒会の方なのね!
お会いできて光栄だわ~。ささっ、どうぞ。汚い家ですが上がって下さい」


兄「これでも昨日必死に片付けた…」


「「!ん?」」


突然聞こえてきたその声に顔を向けてみれば、階段から降りてきたばかりの男性が1人壁にもたれてそこに立っていた。



母「こらっ、余計なこと言うんじゃないの!」


通「あれ、うちの兄さん」


「「へぇ~…」」


兄「料理も頑張って作ってたみたいだけど、ひょっとしたら口に合わなかったりして…」



母「あーもうっ!あんたはちょっと黙ってなさい!」


漣「…プッ、クックックックック…(笑)」


余りの面白い光景に我慢しきれずその場で小さく腹を抱えて笑う漣。



通「…ゴメン修兄…うちの家族うるさくて///」


「フッ…いや、全然?素敵な家族だと思うよ^^」


通「!…///」


母「ごめんなさいね、騒々しくって。どうぞ上がってください」


「はい、ありがとうございます^^」


漣「お邪魔しま~す」


母「どうぞどうぞ^^ 通、お昼は?」


通「寮で食べてきたから平気」


母「そう^^」


通「うん。修兄、漣君、俺の部屋行こう!」


「あぁ^^」


母「じゃあ通、お菓子とジュースあとで持って行くわね」


通「はーい」



***



ガチャ…


「へぇ~…ここが通の部屋か」


漣「結構いい部屋じゃん♪」


通「散らかってるけど、適当に座ってね」


「あぁ、ありがと。…それで、さっきの人は?」


通「あぁ、俺のお兄ちゃんで今高校通ってるんだ。俺ん家で一番マイペースなのがお兄ちゃんだよ」


「ふーん…でも、やっぱ顔ちょっと通に似てたな^^」


漣「他に兄弟とか居ねーの?」


通「お姉ちゃんが2人と後お兄ちゃんが1人居るけど、あんま会わないほうが良いかも」


「!…なんで?」


通「いや、俺が言うのもなんだけどかなり過激っていうか、ブラコンっていうか…汗
修兄に会ったらお姉ちゃん発狂するかも(笑)」


「ハハハッ、なんだよそれ(笑)」



コンコンッ!


ガチャッ…―――



母「お待たせ。はい、通。お菓子とジュースね」


通「ん、ありがと」


そう言ってドアまで駆け寄りお盆の上に載ったジュースとお菓子を母から受けとる通。




「気を使わせてしまって、すみません…」


母「いえいえそんな…/// あの、もしよろしければこちらの写真集にサインしてくださいませんか?」


「!え…?」


そう言った通の母の手の中には、なぜか学園でしか手に入らないはずの修の写真集が握られていた。



通「ちょっと母さん、そういう恥ずかしいことは…っ」


母「いいじゃない別に!せっかくこうして生で会えたんだから^^」


通「修兄困ってるじゃんか」


「あ、いえ…俺は別に」


母「え?本当ですか?!じゃあ…」


「はい、俺なんかのサインでよければ喜んでさせていただきますよ^^」


母「まぁv 嬉しいわ、ありがとうございますっ!通、あなたが言ってた通り良い人ね!」


通「はいはい…(あーもう恥ずかしい…///)」


「でも、俺なんかの写真集をわざわざ買ってくださってありがとうございます」


母「いえいえそんな!とっても素敵でしたよ。そこら辺のアイドルなんかより、よっぽど魅力的でしたし」


「はぁ…///」(←照れてる)


母「本当に…通がここまで慕う相手は初めてだから、その訳がなんとなく分かった気がしました」


「!え…?」


通「/// ほら、もう良いでしょ!俺今から修兄と漣君と3人で遊ぶんだから、邪魔しないでよね!」


母「はいはい^^」


通「そういやお姉ちゃんは?こっち帰ってくんの?」


母「ん?さぁ~…多分無理じゃないかしら。仕事忙しいって言ってたし」


通「そ」


母の言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろす通。



母「じゃあ、本当にサインありがとうございました。どうぞゆっくりしていってくださいね^^」


「はい、ありがとうございます^^」


漣「ありがとうございま~す」


バタンッ…



通「はぁ~…ったく母さんったらいい年こいて…」


「優しそうで良いお母さんじゃんか」


通「そう…?」


漣「そうそ。俺ん家とは比べもんになんねーくらい」


「それは漣が親不孝なだけ」


通「ハハハッ(笑)


漣「あーもうっ、うっせーなぁっ!!」


通「あ、そうだ!2人にまだファンタのこと紹介してなかったね。
俺今から連れてくるから2人ともちょっと待ってて」


そう言って部屋を出て行った通を見送った後、暫くして修が口を開いた。



「…悪かったな、昨日」


漣「!…なんでお前が謝んの?」


「悪いことしたのに変わりないから」


漣「ふーん…。じゃあ、俺もゴメン」


「…良いよ、別に。…言われないと分かんない俺も悪いんだし」


漣「…俺ってさー、お前のこと知ってるようで実はあんまよく知んねーよな」


「……」


漣「まぁ、お前が話さない以上俺も無理矢理聞く気はねーけどさ…
でも、しんどくなったら俺のこと頼れよ?」


「!………あぁ、ありがとう」



そう言って互いにフッと微笑んだ後、暫くして通が連れてきたファンタと仲良く遊びながら、3人は夕食までの間時間を潰していた。



≪続≫