□第38話□


『球技大会』


修の活躍で一気に同点まで追いついた生徒会メンバーたち。


そしてそこから両チームともの点取り合戦が始まり、テニミュ科は修と徹が中外両方で点を取り、3-1は主に6番の個人技や4番のターンオーバーからの速攻などで必死に食らいついていた。



学「…だんだん、修の奴を止められなくなってきてるな」


伊「中を固めても外(徹)から射抜かれ、ゾーンを広げればインサイドに強い3人(修・漣・健太)が攻めてくる…。
まさに、今のあいつらは…」


学「”最強”ってわけだな…。(だが、1つでかい不安要素が残ってるがな…)」


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修「はぁ…はぁ…はぁ…(あと、2分…まだ、2分もあるのか…っ)」


そう心の中で思いながら手首に巻いてあるリストバンドを鼻の下に当て、電工タイマーの方を横目でチラッと見る修。



馬「(ターンオーバーからの速攻が欲しい…でも、相手の戻りが早すぎて速攻にならない…)」


雅「(…さすがに、そう簡単には勝たせてくれないか…)」



ダンッ、ダンッ、ダンッ…!(ドリブルの音)



漣「(ちっくしょお…本当によく走るぜこいつらはよ…。戻りが早ぇ…!)」


南「…さすがに戻りが早いですね…」


龍「うん…」


監「(…生憎だが、走りっ子ならうちは負けん)」


そう心の中で思ってご満悦に微笑み、パタパタと扇子を仰ぐ監督。



修「(その扇子が目障りだぜ、ジジイ…!)」


漣「修!」


パシッ


「「「「「「「「「「ワーーーーーーーッ!!!」」」」」」」」」」


心「修先輩ー!」


通「修兄ーっ!」


監「もうこれ以上そいつを調子ずかせるな!!早めにそいつを潰せー!」


修「(うるせぇージジイ!)」


そう心の中で叫び、ボールをもらった瞬間一気にゴールに向かって突っ込んでいく修。



そしてもう一度ダブルクラッチで2枚の壁をその手でこじ開け、強気なプレーでインサイトへと切り込み、ゴールを決めた。



「「「「「「「「ウォオオーーーーーーッ!!」」」」」」」」」


「もう止まらねーや、あの4番!!まったくシュート外さねぇ!!」


「マジすっげー!!」


「「「「「「「「「キャーーーーーーーーッラブラブラブラブラブラブ」」」」」」」」」」」



監「ぬぁにをやっとるか…むかっ!!」


バキッ!!(扇子を真っ二つに折る)


監「あ…汗」



修「ハァ…ハァ…ハァ…」


会場の盛り上がりとは裏腹に、一人冷静にコートまで走って戻る修。



雅「(修君が味方でよかった…敵にいたら、絶対止めらんないよ…)」


健「(味方に居てこんだけ心強い奴がおるなんて、そうはおらんで…)」


しかしこのあと、エース山崎が意地を見せもう一度同点に戻される。



***



漣「チッ…(守りが固くて中に切れ込めねぇ…っ) ケンケン!」


そう言って健太にパスをした漣だったが、7番によってそのパスをカットされてしまった。



漣・健「「あっ…!」」


監「よーし、よくやったぞ田中!」


漣「ちくしょお、待ちやがれ!! …っ?!」


そう言って7番の後にすぐついて走り出した漣だったが、何が起こったのか突然その場でガクッと膝を折ってしゃがみ込んでしまった。


そしてその隙に7番はフリーの状態でレイアップを決め、再びリードする。



漣「…ハァ…ハァ…ハァ…ッ」


監「(どうやら、向こうの6番はそろそろ限界らしいな…)」


「…漣、大丈夫か?」


漣「お、おぅ…」


そう言ってその場から立ち上がる漣だったが、意識がハッキリしていないのか足元がふらついて修のほうに寄りかかってしまった。



漣「っと、わりぃ…」


「漣…お前…」


龍「タイムアウトお願いします」


≪ピーッ!≫


『タイムアウトです!』


見兼ねた龍先生が溜まらずタイムアウトを取り、メンバーたちは急いでベンチへと戻っていく。




滝「大丈夫かな?先輩…」


瀬「うん…」


心「漣先輩…っ」



そう言って心配そうな視線をベンチのほうに向けながらぎゅっと目の前にあった手すりを強く握る心平。




監「(…疲れが特に溜まる後半は、プレーヤーとして最も辛い時間帯。
いくら彼らに抜きん出た運動神経があろうとも、3年間走り続けたこいつらとは体力に差がありすぎる。しかも、それはまさしく天と地ほどにな…。

…どうやら、ベンチの顔色を見る限り他の4人も限界に近いらしいな…)」



***



漣「はぁ…はぁ…はぁ…っ」


龍「大丈夫か?漣」


漣「っす…。ちょっと、汗で滑っただけっすから…」


南「……。(見るからに顔色が悪い…あと1分20秒、時間にしたら少しだが今の漣君にとってはとてつもなく長く感じるはずだ)」


龍「(平静を装っているが、漣も他の4人ももう限界に近い…。どうする…止めるべきか…?)」


「…ハァ…ハァ…、先生…」


龍「!」


「俺は…やりますよ、最後まで…」


龍「!……」


「絶対、あきらめねぇ…。最後の、1秒まで…」


健「!…ハハッ、そうだよな…。諦めて、たまっかよ…っ」


南「……」


雅「他の皆も頑張って、全部優勝してくれたんだ…。
なのに俺らが…、生徒代表の俺らが、カッコ悪いとこ見せるわけにはいかねーんすよ…」



龍「お前ら…」


漣「ハハッ…。よく…頑張ったよな、俺ら…。あと、ちょっとなんだからよ…」


馬「……」


漣「…そうだ…そうだよな…あと、ちょっとじゃねーか…っ。
あとちょっとくらい、根性見せろよな…俺…っ!」



そう言って震える膝をガッと力強く押さえてすくっとベンチから立ち上がった漣。

それを見て他の4人を被っていたタオルをベンチに放り投げ同じように立ち上がった。




漣「ハァ…ハァ…、勝とうぜ…!」



雅「あぁ…」


馬「勝つんだ…」


健「おぅ…!」


「…勝つ」


龍・南「「…っ…汗」」



≪ピーッ!≫


『タイムアウト終了です!』



「ハァ…ハァ…。おい…ラスト1分20秒、死ぬ気で行くぞ…っ」


「「「「オォッ!!」」」」


≪続≫