□第31話□


『球技大会』



そしてそのままテニミュ科のメンバーたちは順当に勝ち上がっていき…。




麻「ハットトリック!ズッキーさんすげー♪」


大「荒木さんホームラン4本目ー!」


加「ヤッパつえーぜテニミュ科」


英「バレーもナイスコンビネーションだ」


渡「瀬戸丸のあのアクロバティックは驚異だよ」


K「テニスも勝ち越してるらしいぜ?今年も優勝は頂きだな♪」


心「この調子でダブルスも頼むぜ!」


滝「メールで聞いたら、ビーチバレーも一馬と健斗で勝ってるってよ」


柳「このまま卓球もいただきだぜ♪」



K「…お、そろそろバスケの試合始まるな。見に行こうぜ!」


「「「「「「おぅっ!」」」」」」



そしてそのままメンバーたちは急ぎ足で体育館へと向かっていき、満席で埋まった会場で2階席に空いてるスペースを見つけ、そこに立って試合を見学していた。




滝「な、なんか…体育館だけギャラリーの数違うな…汗」


大「本当…それだけやっぱ、生徒会の5人が人気ってことかな」


心「熱気とかすげーもんな…居るだけで汗かいちまうぜ(苦笑)」


渡「本当本当(笑)」


「「「「「「「「「「キャーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」」」



と、そんなことを話していると突然体育館から大きな歓声が上がった。


一瞬ビックリしたものの急いでそちらに視線を向けてみると、入り口から生徒会メンバーが歩いてくる姿が目に入った。


それを見てテニミュ科以外の生徒もごくっと息を呑んで目の前の5人を見つめている。




「おぉっ、すっげープレッシャー…」


「やっぱなんか花ってかオーラがあるよな…」


「カッケェ~…!」


『それでは、只今より”テニミュ科 vs 3年4組”の試合を始めたいと思います!』



審判の人がそう言い、お互い中央で軽く礼をした後いよいよ試合が始まった。


女子から口々に黄色い声援が体育館中にこだまする中、試合中盤でメンバーたちは実力の半分も出さずに大差で勝利を収めていた。


どうやら決勝まで余力と手の内を残す作戦のようだ。


そして前半後半共に5分の試合にも関わらず、生徒会メンバーは30点以上もの大差をつけて勝利を収め、挨拶をした後誰1人表情1つ変えることなく体育館を後にした。



『勝って当たり前』



今の彼らの頭の中には、このフレーズと決勝で戦う奴らの顔しか浮かんでないようだ。



***



健「…はぁ…。にしても体育館あっついなー、すげー熱気やったで汗」


漣「あぁ、確かに。中は雅に蒸し風呂状態って感じだな」


雅「余計な体力あれで消耗しちゃうよな」


馬「確かに…」


修「飯どうする?」


漣「あぁ、それなら裏庭で…」


「よぅ!」


試合が終わり水飲み場でメンバーたちが顔を洗っていると、突然自分たちに向かって話しかける人物の声が聞こえ、全員揃ってそちらに視線を向ける5人。


そこには、やはりというべきか元優勝チームのバスケ部5人が横一列に並んで立っていた。



「どうやら順当に勝ち上がってるみてーじゃねーか?」


修「…ったりめーだ。決勝で当たるってそう言っただろ?」


「ヘッ…まぁ、まぐれにしちゃー上出来だよ。
あの程度の実力で一体どこまで勝ち上がってこれるか見ものだぜ(笑)」


漣「ハッ…言っとくけど、俺らはまだ実力の半分も出してねーんだぜ?」


「ほぉ~、そりゃ楽しみだな。せいぜい飽きないように楽しませてくれよ。ハハハッ(笑)」




馬「…うざいな…」


修「あぁ、かなり」


と、周りに聞こえないよう小さい声でボソッと呟く2人。




健「上等や。お前らもせいぜい決勝まで勝ち上がってくることやな!」


「フンッ、ちょっと顔良いからって調子乗ってんじゃないよー?」


「せめて自分の得意なスポースに入ってりゃあ、恥かかなくてすんだのになぁ」


修「…一応顔は褒めてるってことに多分気付いてねーな」



馬「馬鹿そうだからな」



と、またしても目の前の人物たちの言葉に対してボソッと暴言を吐く2人。




「大方、目立ちたがりでバスケにエントリーしたんだろ?
悪ぃがバスケは俺らの縄張りなんだよ!」


「そーそー」


「分かってんのか?お前らがあれだけ期待してた、加藤って奴ですら俺らには敵わなかったんだぜ?」


「あいつの負けたときの悔しそうな顔、マジ笑えたよな?」


「「「「ギャハハハハハッ(笑)」」」」



その言葉を聞いて流石にキレたのか、健太と漣が目の前の人物たちに殴りかかりそうになるが、それを修が止めた。


納得いかないような顔をしている2人に対して、悪魔で修は表情を変えず冷静に言い放つ。



「バカに構ってる時間は無い。あいつらに手ぇ出して試合に出れなくなったらもともこもねーだろ」


健「でもっ!」


「…俺らは、何のために今まで練習してきたんだ?」


「「っ!」」


「こんな安い挑発で喧嘩買って、もしそれに勝てたとしても、加藤先輩や今まで応援してくれてた他の奴らがそれで喜ぶと思うのか?」


健「…っ…」




和『大分上達したな、一週間でここまで成長するなんて大したもんだよ』


『ハハッ、やっぱりぃ~?(笑) つってもま、全部加藤先輩のお陰っすよ』


和『…球技大会、俺らは生憎授業あるから応援には行けないけど、頑張れよ^^』


『…はいっ!』





卓『ケンケン試合頑張ってねぇ~、俺応援してるからさ♪』


『おぅっ、任せとけって!』


塁『もし優勝したら今度なんか奢ってあげるよ』


『おぉ~マジで?じゃあ何貰うか考えとかなな~♪』


『『ハハハハハッ(笑)』』





修「…分かったか?」


健「…っ…あぁ」



修の言葉と仲間の声を思い出し、少し冷静になった健太は握っていた拳を下げ、後ろへと下がっていった。


漣も健太同様皆のことを思い出して冷静になったのか、大人しく後ろへと引き、そのまま全員が目の前の人物たちを無視して体を反転させ、校舎に向かって歩き始めた。



「なんだよ、行っちゃうの~?つまんねー(笑)」


「事実だから言い返せねーんだろ?」


「あぁ~、納得(笑)」



聞こえてきたその言葉に動いていた足をピタッと止め、男たちのほうに向かって振り返り、無言でじっと見つめる修。


その態度と目が気に入らないのか、男たちは修に対して怒りを震わせていた。




「な、なんだよ…言いたいことあんならはっきり言えよな!」


「お前もなんとか言い返してみたらどうなんだよ!?」


修「……弱い犬ほどよく吠える」



「!…あ゛むかっ?」


そう言ったあと5人に向かって親指を下に向け、『死ね』のポーズを取った。




修「お前らが最強のチームなら…ぶっ潰すまでだ」



最後に修が相手に向かってそう言い放ったのを見て、メンバーたちはその様子を横目で見た後フッと笑い、それぞれが再び足を進めて校舎内へと入っていった。




馬「…ナイス、リーダー」


「おぅ」


健「にしても、お前って本間喧嘩っ早いよな(笑)」


「お前にだけは言われたくねーよ」


漣「ハハッ、それは言える(笑)」


雅「消化の関係もあるし、早く飯済ませようぜ」


「あぁ…」



そう言ってメンバーたちはポケットに手を突っ込み、全校生徒に用意されたおにぎりとお茶を持って裏庭へと向かっていった。



≪続≫