□第26話□


『球技大会』


夏の一大イベント、臨海学校が終わって1学期が終わりかけたころ、宝豊学園恒例のあのイベントがやってきた。





+--体育の時間--+



学「今日の体育のテーマはこれだっ!!」


そう言って手に持っていた巻物を両手一杯に広げてみんなに向けて言う学先生。

そこに書いてあったのは…―――



『炎の青春!ドッヂボールで汗を流しまくろう!恋のライバル、お前はもう負けている…』




漣「長ぇよ…」


馬「相変わらず暑苦しいな」


雅「あれ毎回自分で書いてるらしいぜ?」


「へぇ~…」



と、健太以外のメンバーたちは、他の奴らが集まっているところから少し離れた舞台近くの壁にもたれて(中にはその場にしゃがみこみながら)、その様子を見て冷静にツッコんでいた。


そんな中、他のメンバーに混じって元気よく手を上げ、学先生に向かって質問を投げかける健太。



健「せんせー!今日は来週にある球技大会の出場競技決めやなあかんのちゃいますかー?」


学「ん?おー、そうだな。じゃあ10分くらい時間やるから、お前ら何出るか今から決めろー」


「「「「「「「うぃーーーっす!」」」」」」」」



***



と、いうわけで…。


早速円になって適当に集まり、何に出るか相談するメンバーたち。



漣「球技大会どうすんの?修は何出る?」


「さぁ~…多分テニスじゃね?晃二も出るっつってたし」


漣「ケンケンは?」


健「もちサッカーに決まってんやん♪」


馬「マサもサッカー?」


雅「まぁねん。そういう漣君は?」


漣「どーしよっかなー…バレー行こっかなー」


「徹は何出るんだ?」


馬「さぁ?多分バスケかな」


健「1年と2年はどうすんにゃろな?」


「明日の放課後あたり招集掛けるか?」


雅「そうだね」


(※本当は学年別にチームを組んで競技に参加しなければならないのだが、テニミュ科は人数が少ないため、1年から3年まで学年を越してチームを組めるのである)



「…あ、そうだ。知ってる奴も居ると思うけど、今日の放課後球技大会のことで生徒会の会合あっから、本塔顔出しに行くぞ」


「「「「うぃー」」」」


漣「サボんなよケンケン?」


健「はいはい、分かっとるって汗」




***




そして放課後…―――



生徒会の会合が無事に終わり、本塔の廊下を5人横一列に並びながらテニミュ科の塔へと足を進める生徒会メンバーたち。


その姿を見た女子たちからは『キャーvv』という黄色い声が飛び交い、全員が振り返って顔を赤く染めてメンバーたちを見つめていた。



漣「んぁーっ!疲れた…」


馬「今年は審判しなくていいから楽だね」


「あぁ。体育委員の人が代わりにやってくれるらしいからな」


雅「やっぱ競技に出るメンバー早めに決めないといけないね」


健「ん?本間やなぁ~。じゃあ今日寮の学食にでも集まって決めよか?」


雅「そうだね」


と、仲良く5人で話しながら昇降口を後にした瞬間、何人かの男が集まって話をしてるのが聞こえ、思わずそちらに耳を傾ける5人。



「あぁテニミュ科?あんま眼中ねーぜ」


突然聞こえてきたその聞き捨てならない言葉に全員が肩をピクッと揺らし、その場で足を止めてバッと振り返った。


するとそこには同い年くらいであろうか、バスケットボールを持ったリーダー格らしき人を中心にして5人組の男が集まって話をしていた。


どうやら当の本人たちは修たちの存在に気づいてないのか、相変わらず癇に障る笑みを浮かべながら話を続けている。



「ハハッ、バスケは今年もうちがもらいだな(笑)」


「所詮顔がいいっつっても、なんでもできるってわけじゃねーからな」


「そうそ。所詮見た目だけ(笑)」


「本番はたっぷり恥かかせてやるぜ」


「女子の前でボロボロにやられるとこ見りゃー、流石の女共も目ぇ覚めんじゃね?」


「あぁ(笑)」


「『キャー、負けないでぇ~!私の王子様~…っ(泣)』ってかぁ?」


「「「「「ギャハハハハハッ(笑)」」」」」



ムカッむかっ!



「「「「あ゛?」」」」


健「なんやと、あいつら…むかっ」


「よせ、健太。ここで問題起こす気か?」


健「せやかてあんな言い方されて黙ってろ言うほうがおかしいやろ!?」


漣「なんなら俺も加勢すっぜ、ケンケン」


「だからやめろって!」


そう言って今にも相手に飛び掛りそうな2人の腕を掴んで、その場に静止させる修。




「でもよー、聞いた話今年の生徒会長は正直やべーらしいぜ?」


「会長って、確か学年主席のやつだろ?」


「あぁ。なんでもそいつ、スポーツ万能らしいぜ?」


「マジ?つくづくムカつく野郎だな」


「そういや去年、確か球技大会のテニスで優勝してたよな?」


「マジかよ!?それってヤべーんじゃん?」


「なーに所詮シングルスでならだろ?チーム戦じゃあいつは勝てやしねーよ。
だから今までどの競技にも出てこなかったんだろ?あいつ協調性なさそうだし(笑)」



「足手まといとか嫌いそうだしな。本当、よくそれで会長が務まってるもんだぜ」


「所詮人気だけでもってるっつー話だよ」


「顔よくてよかったよな?じゃなきゃ相手にもされてねーぜ多分」


「「「「「ギャハハハハハッ(笑)」」」」」



その言葉を近くで聞いていた修の目つきが一瞬にして変わった。

その表情を見て、周りに居たメンバーたちは冷や汗をかき、修のことを焦りながら見つめている。



「……」


雅「し、修君…汗?」


馬「(あーぁ、リーダー怒らしたら怖いのに。あいつらバカだねー)」


「おい、そろそろ練習行こうぜ?」


「あぁ、そうだな」



そう最後に言い残して去っていった5人の後ろ姿が完全に見えなくなった瞬間、健太が昇降口付近にあったゴミ箱を思いっきり蹴った。



健「ったく、なんやねんあいつら。マジムカつくわ!」


馬「あいつら、確か2年前から球技大会のバスケで優勝してるチームだよ?」


漣「そうなん?(だからあんなに自信あったのか…)」


雅「柄は悪そうだけど実力は確かだって相葉先輩が言ってた。
…何せ、あの加藤先輩のチームでも勝てなかったらしいからな」


「…ハッ、上等じゃねーか。どうせ最後だし、ご期待通りチーム戦にでも出てやろうじゃねーの」


漣「!修…?」


修のその言葉を聞いて瞬時に何かを察した健太。

そして同じようにその場でニッと微笑み、メンバーに向かって笑いかけた。



健「へッ、おもろそうやないか…。
…なぁお前ら、さっき俺球技大会サッカー出るつってたけど、あれ訂正するわ」


雅「俺も。久しぶりにカチンと来たし、ちょっと遊んでやろっかな」


馬「どうせなら、あいつらと同じ土俵で戦って勝ったほうが愉快だしな」


漣「へへッ、どうやら全員考えは同じらしいな?」


「あぁ…」


「「「「「やっぱ男はバスケでしょうっ!」」」」」



と、いうわけで…動機は若干不純なものの、球技大会は全員一緒のチームでバスケにエントリーすることになった生徒会メンバーたち。


一体これからどうなるのか…。


この続きは次回で。



≪続≫