上着の肌着1枚になったワタシは血痕の飛び散った診察台へ身を横にし、ドレープと言うのであろうか不潔域から切開部を清潔に保つ目的で使われるシーツをワタシの股を中心に広げ、息子の消毒。

それじゃー麻酔打って行きますね〜と完全にノックアウト!息子の周囲4箇所にグサグサグサっと注射を打たれ、もう引き返すことはできない!

ヤバい!足が震える!心の整理もついてないまま注射を打たれ、しかもガンガンに効いたエアコンが裸の僕に直撃し、どんどん僕の体温を奪っている事も重なって震えが止まらない。

僕はポジティブなことばかり考えた。

確か、どこかで見たブログに

【大きくなったペニスを見た瞬間、俺は思わず声を出して驚きました。「うおー!めちゃくちゃ大きくなってる!」】一部抜粋

【手術は1時間ほど、血のついたペニスを見て、確かに大きくなって亀頭に張りがでている】一部抜粋

などなど、少しだけ辛抱すればワタシは一皮剥けて、彼たちの仲間入りだと気を紛らわす。

「もう少しで終わりますからね〜」といろんなブログで見て勝手に想像していた理想の優しいドクターではなく、まるで流れ作業かの様な淡々とした片言の会話で時間が過ぎていく。何度も言われた事は、時間をかけて大きくなっていきますからね〜、みんな、すぐ大きくならないって不安になってる方が多いんですが、このグランセンサーは1年かけて大きくしていく方法ですからね〜と。後で見て気づいたが、問診の時に付けていた、くたびれた汚い不繊維マスクのままだった!

ワタシのお腹の上に広げてあるドレープのシーツが足の股にできたたるんだ所に、カチャカチャと音を立てながらメスなどの手術用器具を置いている。

普通、バットの様な器に入れないか?とまた不安になる。

終わりましたよ!と目の上に置かれた重たい目隠しを外され、ワタシの息子とご対面!

長くなりましたよー!と麻酔の効いた感覚の無いワタシの息子を無理矢理引っ張って1cmいや、2cm長くなってますよ!と。

はっ?

太くもなってないんですけど…

動揺が隠せない。

僕も気持ちなんか知ったことかと、流れ作業的な早口で説明が続く。

アフターケアについてだ。

確か、どこかのブログに「包帯の巻き方をちゃんと見とけばよかった」と書いてあったなと思い出し、血だらけの息子を無造作に扱われながらクルクルと包帯を巻かれていく姿に、「やってしまった」と心も体も冷え込む様な感覚にとらわれていた。

しかも、麻酔を打ってからたった20分しかたっていない。他のブログでは手術は約1時間程度と書いてあったが、僕はほぼフルコースメニューにもかかわらず、所用時間は20分。かなりな早業だ!

さっさと服を着せられて、どこかに座らされる事もなく、包帯と軟膏が入ったジップロックを一袋渡されて、わからなくなったらこのQRコードを読み込んで説明を見て下さいと名刺を渡され、「お大事に!」

あの、薬ってこれだけ?抗生剤も処方してもらえないの?と高額の治療費を払ったのに、なんだこの雑な扱いは⁉︎麻酔打ってからまだ1時間もたっていないのに、経過観察もなしにクリニックを追い出すとは何だ!と緊張感から解放されたとたん、なんとも言えない怒りが込み上げてきた。しかし、1番肝心なのは息子がちゃんと大きくなるか、ならないかだ!大きくなるには時間がかかると言っていたからまずは早く傷を治そうと気持ちを切り替えて前を向いて歩こうと元気をつけた!

つづく