草に寝て          

            ~六月の或る日曜日に~

 

 

 

       それは 花にへりどられた 高原の

     林のなかの草地であった 小鳥らの

     たのしい唄をくりかえす 美しい声が

     まどろんだ耳のそばに きこえていた

 

 

 

     私たちは 山のあちらに

     青く 光っている空を

     淡く ながれてゆく雲を

     ながめていた 言葉すくなく

 

 

 

     ――しあわせは どこにある?

     山のあちらの あの青い空に そして

     その下の ちいさな 見知らない村に

 

 

 

     私たちの 心は あたたかだった

     山は 優しく 陽にてらされていた

     希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだった

 

                                               

 

                                                  立原道造

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詩人:立原道造との出逢いは

中学生だったであろうか?

高校生になってからであろうか?

 

当時憧れてやまぬ人が好きだという立原道造とは

どんな人なのか私は知る由もなかったのだが、

ただその人の世界に触れたくて立原道造の詩集を買ったのだった。

 

 

 

以来

六月生まれの私にとって、

この詩は特別なものとなった。

 

 

ずっと忘れていたのに

何故か、

ふっと

この詩が浮かんだ。

なんでだろう?

 

まぁいいか(^-^)