そろそろ年末、ということで、今日は今年の売り上げを整理してみました。

この仕事を始めてから5年、徐々に売り上げは伸びてきて、今年はこれまで

目標にしてきた年収にやっと達しました。

よくやった、Clover!と自分をほめたわけですが、その次の瞬間、

はたと不安に襲われました。

これまでは右肩上がりだったけど、来年あたり、下がるかも…

これは初めて感じる不安です。


単価って、新人の頃はメチャ低くて、「こりゃボランティアと変わらんわい、

マックの時給の方がまだいいぞ」的な仕事が多いわけですが、

ある程度マトモな単価をもらえるようになったら、それ以上、なかなか

上がらないのです。


産業翻訳のように、エージェントが多い業界なら、新規開拓するにあたって

高いレートを提示する、ということができるかもしれませんが、

映像翻訳の場合は、エージェント(=制作会社)が少ない。

よって、レートのアップは、なかなか難しいのじゃないかと思います。


で、やはり年とともに体力も落ちるし、仕事を目一杯詰め込んで、夜も徹して

働くのはキツくなるわけです。

ということは、手持ちの仕事がある時に、別の依頼があっても、

「ま~、今月はこの程度仕事したから、ここは無理して詰め込まんでもいいや、

下手に無理して、質が落ちて切られる方が怖いし」という判断になり、

断ることも多くなる。すると、自然と依頼も減ってくる。

クオリティ・オブ・ライフの向上には良いわけですが、収入的には落ちますよね。


新しいステージ(=劇場映画の仕事にありつくとか)に上がることができれば、

また違うんじゃないかと思うけど。


まあ、好きな仕事でおまんまが食べていかれれば、いーんですけどね。

銭は必要最低限あれば!

と開き直るCloverなのでした。



たぶん、これって映像の翻訳者に限らず翻訳者全般に当てはまることだと思うんだけど、

翻訳者って、だいたい2種類に分けられる。

それは常に仕事のオファーがあって忙しい翻訳者と、いつも待ちの状態で、

なかなか仕事が来ない翻訳者。

もちろん、生計が立てられないほど仕事が来ない場合は、看板を下ろして廃業ということに

あいなるわけですが。


Cloverがどっちかという質問は置いといて、売れっ子翻訳者は何が違うのか考えてみた。


発注者は何を基準にして、翻訳者を選ぶのか?


1 仕事がうまい(品質がいい)

2 仕事が早い(急ぎの仕事にも対応)

3 料金が安い(予算がない場合)

4 発注者に好かれている

5 仕事がしやすい(まめに連絡が取れるとか、直しにすぐ対応してくれるとか)

6 営業されたから(ここらで仕事回すかな~という義理心)

7 作品がその翻訳者の趣味・趣向に合っているから


とりあえず思いつくまま羅列してみた。

皆さん、どう思います?






最近、映画館でめっきり戸田奈津子さんの字幕を見なくなりました。

「ロード・オブ・ザ・リング」や「オペラ座の怪人」などで

ネットを中心に批判を浴びた結果でしょう。


Cloverも、こんなふうになる前から、映画館で彼女の字幕を見て、

「えっ!」と驚いたことはありました。

「ロード~」の時も、原作読まないなんて、

「そりゃ~ないよな~。私ら下っ端の下っ端の翻訳者だって、

そんな有名な原作があるものを訳すとなったら、

原作読まないなんてありえない!」と思ってました。

「あんなに仕事を独占しなくても、もっと後進に道を開いてほしいな~」とも思ってました。

(Cloverは下っ端なので、彼女が仕事を減らしても直接的に影響はありませんが、

それでもちょっとはね…)


でもでも、映画館で戸田奈津子さんの字幕を観られなくなって、

ちょっと寂しいな~と、最近、Cloverは感じています。

「~かもだ」とかあったとしても、やっぱり戸田奈津子さんの字幕は読みやすかった。

そして、「う~ん、これをこう訳すとはスゴい!」と思わせる字幕もありました。


Cloverは字幕も吹替もやるので、例えば吹替を訳している時に

既にできた字幕の原稿をもらったり、

その逆で、既に吹替ができているものの字幕を作る場合もあります。

この間、字幕を見ながら、吹替台本を作っていた時、感じたこと。

「1枚1枚の字幕は、内容的に合っているかもしれないけど、

つなげて見た時に流れが全然わかんない。なんじゃ、この字幕は!?」

これはマイナーな作品だったので、字幕翻訳をした人もCloverと同じような

駆け出しさんだったと思います。

その時、実感したのは、「やっぱ大事なのは(字幕の)流れだよな~」ということ。

戸田奈津子さんは、そういう流れの作り方が、とてもお上手な方だったと思います。

今、劇場で活躍されている方は皆さんそうですが。


もちろん、誤訳はいけないと思いますよ。

でもね、1つ1つの誤訳を取り上げて、それ以外の良さを全否定するのも

どうかなと思うのです。

(何だか、こんなことを書くと、批判を浴びそうですが)


Cloverも、いつか劇場翻訳をしたいなっていうのが夢です。

戸田奈津子さんも、長年の夢が叶って字幕翻訳家になり、

きっと仕事が大好きで、依頼された仕事を断りたくなかったんだと思う。

だから、やっつけ仕事でいいのかよ、っていう突っ込みは入ると思うけど、

Cloverは戸田奈津子さんの気持ちが、ちょっぴり分かる気がします。


栄枯盛衰のことわりを感じて、ちょっとメランコリーな気分になったCloverでした。

始めちゃいました。いつまで続くか分かりませんが。映像翻訳に興味のある方、業界の方、同業者の方、またまた映画好きで翻訳の裏話などに興味がある方々など見に来ていただけたらうれしいです。匿名だから書ける、本音を激白します!? それにしても、このブログ、改行ができないのはなぜ? さっきからずっと試行錯誤しているのですが。どなたかこれを見た方、知ってたらヘルプミー!