緑が深くなる歩道を歩くと
楽しげにはしゃぐ多くの学生達とすれ違う
真っ白な半袖シャツから覗くまだ日焼けしていない腕に
若さを感じて眼を細める
すれ違いざまに感じた汗の匂いに
遠く過ぎた日が蘇る
うだるような暑さの放課後
居残り授業で教室には熱気が半端なくて
先に進まない課題にうんざりし出した頃
君達がこっそりと窓から抜け出した
校庭に見える水道めがけて走って行く
最初は口をゆすぐだけだったのに
次第に君達は水をかけあい始めて
最後には頭から水を浴びていた
真っ白なシャツが水分を含んで身体に張り付き
眩しすぎて眼を逸らした時
辺りに強い風が吹き
僕は歩道の真ん中で立ち止まっていた
あれから何度も夏が訪れ
君にはずっと逢っていないけど
僕の中にはいつだって君がいるんだよ