かくしてa型作業所で利用者として働くことになった私はまだ不安定な状況のままだった

1日4時間単純作業の繰り返し

利用料が差し引かれて月給は6万円程度


初めて利用者の立場で福祉サービスを受けてみて感じることは沢山あった

給料が上がる制度などないしモチベーションの保ち方が難しい

支援とは言葉ばかりの『障害者を下に見た声かけ』は正直ムカついた

ただ利用者も利用者で障害者であることを免罪符に頑張る気がない人も多かった


私は『この世の縮図』『大人の保育園』という印象を持たざるを得なかった

障害者同士で理解し合うどころか他者比較して上か下かを推し量る

会社も利用者の未来よりも自分たちの給与や利益の為に利用者をコントロールしようとする

とても幼稚な場所だった


初めは体調も悪く、眠れない、食べれない、という中で何とか4時間を乗り切るのがやっとだった

少しずつ環境や生活リズムに慣れて来る3ヶ月後くらいから単純作業、しかも無意味としか思えない工程に嫌気が刺すようになってきた


私は他人の機嫌を伺うことが大嫌いだ

だから忖度なしで変だと思うことは指摘した

職員にも利用者にも関係なく

そしてなるべく口だけの人間にならないように仕事には全力で取り組んだ


その甲斐もあってか一目置かれる存在にはなったが苦痛な環境には変わりなかった

自分が身を置く場所は自分で良くしていく、という思いがあったから自分のために頑張った

元々a型作業所の職員をしていたから多少目線も行動も変わってくるわけで少し浮いた存在だったのかもしれない


正直この頃は利用者にも職員にも心を開こうとも思っていなかった

自分が今後どうなっていくのか不安で、今現在の生活が苦痛で、余裕など1ミリもなかった


施設では日常的に誰かの悪口で溢れていた

利用者はもちろん職員どころか会社の代表までもが率先して悪口大会を開催していた

人間の醜い部分ではあるが、ある意味では人間らしいとも言える

福祉とは名ばかりの社会の縮図


なるべく関わらないようにしていたが同調を求めて来る人は後を絶たなかった

そしてみんな口ばかりで本人には何も言えない卑怯者だと思った

こうやって敵を作り出して自分の立場を守ろうとする人達が上部だけの仲間になっていく

いずれその中でも歪みが生まれて負の連鎖が生まれることもわからずに

因果応報とは本当にこういう事なのだろう


初めてこの立場になって非常にガッカリしたが、私はここで戦うことを決めた

もう失うモノもない、何も怖くない、どうなっても良いと思ったからだ