
夏休み / Five Beans Chup
Album「the first day of summer」
スーパーボールの甘い香りの中
帰る道すがら 僕の夏が来る
白い水泳帽 いちじくの木の下
埋めてしまいたい そんな夏が来る
家では母さんが麦わらのバッグ持って 僕を待ってる
弟も妹もなんか冷たいもの飲みながら待ってる
黒い絵の具で お日さまを半分
消してしまいたい そんな夏が来る
家では母さんが麦わらのバッグ持って 僕を待ってる
弟も妹もなんか冷たいもの飲みながら待ってる
北向きの海岸に見たこともない生き物の水死体が打ち上げられ
ノコギリクワガタのその大きな上アゴが
今まさに森の土に還らんとしている時
8月の葬送行列はどこまでも長く 決してとぎれることがない
続く 続く 続く
ただいつも 気がついた時にはそれはもう
それはもう既に終わってしまっているのだ
線路伝いに 枕木を踏み越え
田んぼの間 アスファルトを焦がし
99年にCDRでも発売していた「夏休み」。
とにかく学校嫌いの僕は「なんで夏休みに学校いかなあかんねん」と登校日にもまともに登校しない児童。親や学校の先生は将来を心配したやろうなぁ。
以下、2011年7月の記事の再掲載です。
小学校4年の10月に大阪から香川県の高松に転校した僕は、ただでさえ内向的なのに、さらにそこに「大阪弁の(言葉の違う)転校生」という大きなハンデを負って、全く友達ができませんでした。
全く一人もです。
小5の秋に穴吹くんというアウトローが友達になってくれるまでは、カナリヤだけが友達のつらい1年が続きます。でもその話は長くなるのでまたいつか。
穴吹くんと仲のよかった3年間くらいは二人でよく海水浴に行きました。
穴吹くんは心臓が悪いってことで学校の体育の授業はいつも見学するんだけど、僕と遊ぶ時は鉄棒で足掛けまわりを連続で50回やったり、海で泳いだりもするのです。
僕はといえば、学校の水泳の授業を仮病で休んだりしていた(顔を水につけるのがイヤ)ので、なんとなくいつしか仲良くなったんだと思います。
ちなみに「夏休み」に出てくる歌詞
‘白い水泳帽 いちじくの木の下 埋めてしまいたい そんな夏が来る’というのは当時の僕の心の叫びです(笑)。
高松の三条ってとこに住んでた僕たちは夜明け前に出発して、自転車で屋島まで行ってました。
屋島は島ではなくて、瀬戸内海に突き出た小さな半島。
海水浴場ではなくて、結構急な崖みたいなとこを降りて行って、そんなに遠浅ではない海岸なのだけど、ほぼプライベートビーチ状態で遊べたのです。白砂と小石が混じったくらいのそこそこの浜辺。
もちろん海の家も更衣室もシャワーもありません。
6年生の夏休み、7月30日に行ったのをよく憶えています。
屋島の北の先っちょは「長崎の鼻」という名前がついていて、ゴツゴツした岩場。
そこはすごく潮流が早くて、投げ釣りとかしてもおもりがすぐに流されて、まったく釣りにならないほど。
今考えるとかなり危ないなって思うんですが、僕たちはその長崎の鼻のところでちょっと流されてみたりして遊んでました。(僕は顔をあげたままの平泳ぎしかできないのに・・・)。
岸辺で日光に暖められた「ぬるい水」から外海の「冷たい水」に変わる潮の境目があって、その感触は「このままこれにのまれたらきっと死ぬんだろうな」っていう全身がゾワっとする感じ。
なんか「ムクドリの眼をした少年」のとこに書いたエピソードもそうですが、こうして冷静に振り返ると、かなり陰鬱な子どもですね。
自分ではちょっとおとなしくて気が弱めの、ごくごく普通の子のつもりでしたが・・・。
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