『今夜は10月2度目の満月「ブルームーン」
ハロウィンの満月は日本では46年ぶり』
・・・ぶるーむーん?
はろうぃん?
はて?
「さーとし、どうした?
ん?テレビ見てたの?」
「にゃあ」
翔はわかる?
ねえ、一体何のこと?
「あ、そうなんだ、
今日の満月『ブルームーン』って言うんだ。
へえ〜」
おいらの横に座った翔の手の中に、
何かある。
「にゃ?にゃにゃにゃ?」
なになに?
翔何それ。
美味しいもの?
遊ぶもの?
「ん〜、どっちがいいかな?
こっちの魔女帽子も可愛いけど、
かぼちゃのかぶり物も可愛んだよね」
「にゃ?」
・・・帽子?
「ねえ、さとしはどっちがいい?」
おいら猫だから、
帽子はいらないよ。
「にゃにゃ!」
「お!かぼちゃの方?
ハロウィンぽいよね!
俺もそっちがいいんじゃないかと思ってた〜!」
え?違う!
いらないって言ったの!
わわ!く、くるし・・・前が見えない・・・
「にゃにゃにゃ!」
「ほら、さとし、じっとして、
暴れたらつけられない。
あれ、おかしいな、相葉くん簡単につけられるって言ってたのに〜」
「にゃあにゃあ!!」
だって前が見えないし苦しいんだもん!!
これやだ!やだ!
「・・・んっ!よし、できた!
おお!めっちゃ可愛い!!
さとしこっち向いて!」
「にゃ?」
翔が嬉しそうに、
いつものパシャパシャをしてる。
「よし!可愛いのたくさん撮れた!
みんなにも送ったことだし。
じゃあ、今度は一緒にブルームーン見ようか?」
「にゃ?」
翔がおいらを抱き上げて、
ベランダに移動した。
「ん?ブルームーンは満月のことだよ。
ほら、夜空に浮かんでる、お月様のこと」
・・・おつきさま?
「まあ、本当に綺麗だ。
ほらあそこだよ」
わあ、きょうのおつきさまはまん丸だ!
「『ブルームーンを見ると幸運が訪れる』って言われてるんだよ。
ふふ、俺にはもう幸福が訪れてるけどな」
「にゃあ?」
「さとしがうちに来てくれたこと!
さとしと一緒に居られること。
これ以上の幸福はないね♪」
翔がぎゅっとしてくれる。
翔の腕の中はすごく好き。
おいらも一緒!
翔と一緒にいるのがすんごい幸せ!
でもおいら、いつもぎゅっとしてもらうばっか。
翔のことぎゅっとしてあげたいな。
そんなことできないけどね。
大きくなったらできるかな?
「・・・ねえ、さとし」
「にゃあ?」
「やっぱりさ、魔女の帽子も試してみない?」
「にゃ?」
「そうかそうか、
さとしもつけてみたいか!
マントもあるんだ!」
おいらそんなこと言ってない!
もう少しおつきさまみていたいんだけど!
翔ってば!!
まあいいか。
翔が楽しいとおいらも嬉しいから。
ハッピーハロウィン♡