急いで、翔くんの家に来たものの、なんて切り出せばいいのかな?

いきなり好きです!って告る?





・・・・・

ええい、迷うな!

とりあえず、呼び鈴を押そう。





・・・・・


・・・・・






あれ?いない?翔くんも今日はもう終わりだったはず・・・

飲みに行っちゃったのかな?

どうしようかな?







おいらが迷ってウロウロしてたら、

後ろから聞き慣れた声が聞こえた。





「え?・・・智くん、なんで?ニノとご飯行ったんじゃ・・・」

「あ!し、翔くん!ええっと、・・・服、そう服を取りに来たんだよ!」

「ああ、そうか。ちょっと待って、今開けるから」






おいらは焦って、大声を出してしまった。

翔くん変に思っただろうな・・・

先を歩く翔くんについていく。






「・・・としくん?智くん!」




ハッとして顔を上げたら、翔くんのどアップの顔があって、ドキッとした。

だって、キスできるぐらいに近づいてるんだもん。





「ふぇ?」


「もう、話聞いてる?ご飯食べてきた?って聞いてるんですけど」


「あ!ああ、まだ食べてない・・・」






おいらは目の前の翔くんの顔を見れなくて、

顔を逸らしながら答える。





「そ。俺もまだだから、出前とろっか?一緒に食べよ」


「ん。そうだね・・・」





翔くんの部屋に通される。

昨日は気が付かなかったけど、

なんか翔くんって感じの部屋。





書類やら新聞やら、分厚い本やら、

おいらの部屋にないものばかり並んでる。

キョロキョロ見回してたら、ビールを持った翔くんがキッチンから戻ってきた。





「ビールで良い?出前どうする?今の時間だったらピザとかしか・・・」


「ビールに合うからピザでいいよ。翔くんに任す。

おいら達のお母さんだから」


「は?何それ?ふふ、じゃ適当に頼むね」





翔くんはピザ屋さんのメニューを持って、電話をし出した。

おいらはまた、することがなくて、また翔くんの部屋をキョロキョロ見回してた。

ん?あれは・・・





翔くんの仕事机?に、デビュー前に撮った

おいらとのツーショットの写真が飾られていた。

思わず手に取った。その写真の中の二人は

楽しそうに笑いあっていた。





電話が終わり、写真立てを持ってるおいらに気がついた翔くんが、

すごいスピードで走って来て、おいらから写真立てを奪い取る。





「あ、あの、こ、これは写りがすごく良かったから、
たいした意味は・・・・」





真っ赤な顔して後ろに写真立てを隠した翔くんが

しどろもどろにもごもご言ってる。

やっぱり勘違いじゃないよね。

言うなら今だよね。





「あのさ、おいら本当は、服を取りに来たわけじゃないんだ。
翔くんに話があって来たの」


「え?・・・」


「・・・あのさ、おいら、今更遅いかもしれないけど、

・・・・翔くんが・・・好き」


「え?あ、あの・・・」






翔くんはビックリした顔して、

持っていた写真立てを床に落とした。