おでこがひんやりしてて、気持ちがいい・・・・

あれ?ここどこだろう・・・

楽屋を出て、それから・・・どうしたっけ?




「・・・あ!智くんに起きたの?」



「え?」



おいらは思わぬ人の声にびっくりして起き上がった。

翔くんが、氷とタオルを持って部屋に入ってくるところだった。



「ここ、翔くんの家?」



「ん。貴方、楽屋を出たとこで、気を失って倒れたんだよ。

覚えてないの?

それで、俺の家に運んだんだ。びっくりさせてごめんね」




「・・・そうだったんだ。ごめんね、迷惑かけて。

おいら、もう帰るわ」




おいらは立ち上がろうとした。

けど、翔くんに止められる。



「え?ダメだよ。貴方熱あるんだよ?

嫌かもしれないけど、今夜はここで休んで」




「・・・嫌だなんて・・・

ただ、相葉ちゃんに悪いと思って・・・」




「・・・なんで相葉君が出てくるの?」



「え?だって、翔くんと相葉ちゃんて付き合ってるんでしょ?」



「え?・・・」



「いつも一緒にいるし、2人で楽しそうに笑いあってるじゃん」



「・・・・・」



「?」




翔くんの瞳が寂しそうに揺らいでる。

なんで?




「・・・それは貴方でしょ?

いつもニノと楽しそうに、ベタベタしてるじゃん。

ここにいたら、ニノに怒られるよね?」




「え?どういう意味?」




「だから貴方、ニノと付き合ってるんでしょ?」




「え?・・・おいら、ニノと付き合ってなんかないよ」




「え?・・・・じゃあ」




「?・・・やっぱりおいらもう平気だから帰るよ」




おいらはベットから立ち上がり、

部屋を出て行こうとした。

その時、酷い頭痛がして、足元がフラつき、よろけそうになる。

こける寸前のところで、翔くんに抱き留められた。




「ほら、まだダメだって言ったでしょ、大人しく寝てて」




翔くんに抱き上げられ、ベットに寝かされた。

さっきと違い、優しい眼差しでおいらを見つめる翔くん。




「・・・ねえ?さっきの話だけど、
俺、相葉くんと付き合ってないよ?」




「え?」




「ふふ、相葉くんには他に好きな人がいる。

・・・俺にも好きな人がちゃんといるし」




「・・・え?」




翔くんが氷水で冷やしたタオルをおいらのおでこに乗せながら言う。




「もう、寝て。俺、隣の部屋にいるから、

なんかあったら呼んで」




翔くんがおいらの頭を撫でて、部屋を出て行った。




今のはどういうこと?

あの2人は付き合ってないって・・・




おいら、熱のせいで、夢でも見ているのかな?

おいらは頭がボーとして来て、

そのまま寝てしまった。